
屋外広告やコンサート会場、スポーツ施設などに設置されている大型のLEDビジョン。一見すると液晶モニターと混同する方も多いですが、実は基本的な仕組みや原理は異なり、液晶にはない強みやメリットが数多くあります。
本記事では、屋外広告などに大型のモニターを設置したいとお考えの方のために、LEDビジョンの特長や選び方、導入までの大まかな流れ、さらには導入時に注意しておきたい法的規制なども詳しく解説します。
LEDビジョンとは?
LEDビジョンとは、LED(発光ダイオード)を使用した大型のディスプレイです。
主にデジタルサイネージ(電子看板)に利用されることが多く、これ以外にもさまざまなシーンで活躍しています。また、最近では4K・8K対応の高画質なLEDビジョンや透過型LEDビジョン(透明なディスプレイ)なども登場し、ますます進化しています。
まずはLEDビジョンの基本的な仕組みと、どういった用途で利用されているのかを詳しく解説しましょう。
LEDビジョンの基本的な仕組み
LEDビジョンは、小さな発光ダイオード(LED)を多数配置し、それらをピクセル(画素)として組み合わせることで映像を表示しています。発光ダイオードは赤・緑・青の3色で構成されており、これらの発光を調整し発光ダイオードそのものが光ることでフルカラーでの表現が可能となっています。
また、LEDビジョンを製造する際には、まずは発光ダイオードを均一に並べた小さなパネルを作り、複数のパネルをタイルのように組み合わせることで大型化を実現しています。
パネルの枚数や組み合わせによってさまざまなサイズに対応でき、青色発光ダイオードの発明によってフルカラー表示ができるようになったこともあり広く普及しました。
LEDビジョンの主な用途
LEDビジョンはどういったシーンで活用されているのでしょうか。代表的な用途をいくつかご紹介します。
- 屋内・屋外広告(デジタルサイネージ)
- イベント・コンサート会場(ステージ背景、舞台演出)
- スポーツ施設(スコアボード、リプレイ映像を映す大型画面)
- 商業施設・店舗(ショーウィンドウ、メニュー表示)
- 交通機関(電車・バスの案内表示) など
LEDビジョンは大型の映像表示が可能なためコンサート会場やスポーツ施設などの大きな会場でも広く活用されているほか、身近なところでは交通機関や商業施設などでも目にすることができます。
液晶モニターとは何が違う?LEDビジョンの特長・強み

映像や静止画を表示するという意味では、LEDビジョンと液晶モニターを混同する方も多いでしょう。しかし、両者には明確な違いがあります。
原理の違い
冒頭でもご紹介した通り、LEDビジョンは発光ダイオード自体が光を発することで映像を表示しています。これに対し、液晶モニターにはカラーフィルターを配置したパネルがあり、これに光を透過させて映像を表現するため、基本的な原理が異なります。
パネルのサイズ
液晶モニターは製品ごとにパネルのサイズが決められており、一般的には100インチ以下のものが主流となっています。
一方、LEDビジョンは複数枚のパネルを自由に組み合わせられるため、サイズの制約がなく超大型のディスプレイも構築できるという違いがあります。
ちなみに、複数枚のモニターを組み合わせて大型化するという方法もありますが、液晶モニターの場合、枠(ベゼル)によって継ぎ目が目立つため見栄えに影響を与えがちです。
輝度(明るさ)
液晶モニターの輝度はバックライトに依存するため、LEDビジョンに比べると暗く屋外での使用には不向きなケースが多いです。LEDビジョンは発光ダイオードを使用しているため輝度が高く、屋外でも鮮明でくっきりとした映像を表現できます。
耐久性
液晶モニターは屋内使用を前提としているため、防水や防塵機能が備わっていない製品がほとんどです。また、液晶モニターのバックライトには寿命があり、数万時間の稼働でライトが暗くなったり、表示できなくなることもあります。
LEDビジョンの場合は屋外使用を前提としている製品もあり、風雨や高温、低温といった過酷な環境下にも対応できるほか、バックライトが存在しないため液晶モニターよりも長寿命です。
LEDビジョンのデメリット・弱点

LEDビジョンは多くのメリットがある一方で、決して万能ではありません。主なデメリット・弱点を解説しましょう。
コストが高い
LEDビジョンは液晶モニターに比べて高額で、導入時に多額のコストがかかります。特に屋外用の大型LEDビジョンは非常に高額で、設置サイズによって価格は変わるものの数百万円以上のコストを要するものも少なくありません。
設置したい場所や用途、サイズなどに応じてコストを比較し、自社のニーズに合ったものを選びましょう。
設置に手間がかかる
LEDビジョンの設置にあたってコストが高額になるのは、本体そのものが高価であることはもちろんですが、設置に多くの手間を要することも重要な要因として挙げられます。
特に大型のLEDビジョンは重量があるため、設置にあたっては安全性を確保するために強固な構造が求められるほか、防水・防塵対策の工事も必要です。同じサイズのLEDビジョンであっても設置場所によって工事の難易度はまちまちのため、設置費用が高額になることも少なくありません。
解像度が低い
LEDビジョンは液晶モニターに比べるとピクセルの間隔が広いため、近くで見るとドットが目立ち荒く見えることがあります。高精細な映像を表現できる4K・8KのLEDビジョンもありますが、発光ダイオードを細かい間隔で配置する必要があるためコストが高額です。
LEDビジョンはどのように導入する?設置までの流れ

LEDビジョンを導入する場合、どのような流れで設置を進めていくのでしょうか。4つのステップに分けて解説します。
1.現地調査
LEDビジョンを設置する場所に訪問し、設置スペースや設置環境を調査します。
十分なスペースが確保できるかはもちろんのこと、直射日光の当たり具合や温度・湿度、電源の有無、配線ルートなど調査内容は多岐にわたります。また、LEDビジョンの設置場所によっては法的規制を考慮する必要もあり、法律や条例に抵触するおそれがないかも確認します。
2.仕様の決定と見積もり
現地調査の結果をもとにLEDビジョンのサイズや解像度、輝度、設置工事の方法などの仕様を決定し、見積もりを出します。顧客の予算や要望によっては仕様を見直したり、ほかの設置方法を検討することもあります。
3.正式発注
LEDパネルを組み立て、コントローラーや電源ユニットと接続し正常に動作するかをテストします。また、これと並行してLEDビジョンに映す映像コンテンツも制作しておきます。
動作に問題がなければ現地に架台を組み立て、LEDパネルを設置していきます。
設置・施工にあたっては高度な知識と技術が求められるため専門業者へ依頼するのが一般的で、完成までの期間は数ヶ月以上におよぶこともあります。
LEDビジョンの導入に影響する法的規制
LEDビジョンの導入にあたり、現地調査では法律や条例に抵触しないかも確認するとご紹介しましたが、具体的にどういった法的規制を受けるのでしょうか。代表的な法律や条例の内容を簡単にご紹介します。
1.道路交通法
屋外にLEDビジョンを設置する場合、まず確認しておきたいのが道路交通法です。
道路交通法では、安全な運転に支障をきたすおそれのあるものを道路に設置することを禁止しています。たとえば、幹線道路に面したところにLEDビジョンを設置した場合、罰せられる可能性があるほか、信号機や標識の近くにLEDビジョンを設置することもできません。
2.屋外広告物条例
屋外広告物条例とは、その地域の景観を守り住民が安心して暮らせる環境を維持するために、屋外看板などの広告物について制限する条例です。
たとえば、建物の壁面や屋上、看板などにLEDビジョンを設置する場合、屋外広告物条例によって規制されていることもあるため事前の確認が必要です。
設置そのものが禁止されていたり、サイズや設置方法などの条件付きで認められているなどさまざまなパターンがあるため、必ず行政機関へ確認のうえ必要な許可申請を行いましょう。
3.景観条例
景観条例とは、古くからの街並みを維持したり観光資源としての街の雰囲気を壊さないために、地方自治体が定めている条例です。
すべての自治体が定める条例ではありませんが、厳しい条件を定めているところもあり、そのような地域では大型のLEDビジョンの設置許可が下りないこともあります。
4.工作物確認申請
工作物確認申請とは、建築基準法や関連する条例に基づき、一定規模以上の工作物(看板や鉄塔など)を設置する際に必要な行政手続きのことです。大型のLEDビジョンも工作物とみなされ、高さ4mを超える場合には工作物確認申請が必要です。
申請の際には構造計算書類なども一緒に提出しなければならず、さらに工事完了後は検査も必要なため、専門業者へ依頼するケースが一般的です。
LEDビジョンの導入は信頼できる専門業者へ相談しよう
LEDビジョンは液晶モニターと異なり大型化しやすく、屋外でも鮮明な映像を表現できるという強みがあります。
一方で、設置にあたっては技術的なハードルも高く、法的規制もクリアしなければなりません。自社の求める仕様に沿ったLEDビジョンを選びスムーズな導入を実現するためにも、信頼できる専門業者へ相談してみましょう。