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プロジェクトを成功させるためには、適切なプロジェクトマネジメントが必要です。しかし、どのようにマネジメントすれば良いのか分からずに悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。
本記事では、代表的なプロジェクトマネジメント手法を8つ紹介します。また、プロジェクトに合うマネジメント手法の選び方や導入時のポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
プロジェクトマネジメントとは
プロジェクトマネジメントとは、特定の目標を達成するためのプロジェクトを計画したり実行したり管理したりすることです。プロジェクトを円滑に進めるために、スケジュールや人材リソース、必要なタスク、品質、コストなどを管理します。
プロジェクトマネジメントの必要性
プロジェクトマネジメントを適切に行うことで、以下のようなメリットがあります。
- 人材や時間などのリソース管理を最適化できる
- プロジェクト全体が目指す目標と方向性を共有できる
- スケジュールの遅延を減らせる
- 大きなトラブルが発生するリスクを減らせる
プロジェクトマネジメントを適切に行うことで、各プロセスの進捗や計画を整理できるため、人材や時間などのリソースを効率良く配分できます。また、プロジェクトが目指す目標や方向性を共有しやすくなることから、プロセスごとのチームだけでなくプロジェクトに関わる全員が連携しやすくなります。
そのほか、タスクごとのスケジュールと全体のスケジュールを照らし合わせやすくなるため、小さな遅延やトラブルが発生した際に、分かりやすくなることもメリットです。
プロジェクトマネジメントができていないと、チームごとに考え方が違っていて連携が取れなかったり、スケジュールの共有ができていないことにより待ち時間ができてしまったりします。
これらのトラブルを予防しながら円滑にプロジェクトを進めるためには、プロジェクトマネジメントが必要です。
代表的なプロジェクトマネジメント手法
プロジェクトマネジメント手法は、よく使われているものから特定の業種でのみ使われているものまでありますが、本記事では以下の8つの手法を紹介します。
プロジェクトマネジメント手法 | 特徴 |
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CCPM |
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PERT |
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PMBOK |
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PPM |
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P2M |
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QFD |
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WBS |
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カンバン |
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CCPM(Critical Chain Project Management)
CCPMは、プロジェクトに関わるそれぞれのタスクにかかる時間(日数)を見積もり、全体スケジュールの最後にバッファ(余白)を持たせるプロジェクト管理手法です。
それぞれのタスクに余裕を持たせていないため作業時間の配分がしやすく、プロジェクト全体の進捗状況が分かりやすいというメリットがあります。また、タスクごとにバッファを置く場合に比べて、最後にバッファをまとめて置く方が、バッファの残りが分かりやすい点もメリットの1つです。
タスクごとに余裕を持たせていないことや、遅延が他のタスクにも影響しやすいことから、各タスクの担当者の気が緩みにくくなる効果にも期待できます。
PERT(Program Evaluation and Review Technique)
PERTはプロジェクトに必要なタスクを洗い出し、それぞれの関係を矢印でつなぐことで 関係性を可視化しプロジェクトを管理する手法です。タスクごとの関係性が分かりやすいため、大規模で複雑なプロジェクトを管理する際に向いています。また、同時に進めなければいけないタスクや前のタスクが終わらないと開始できないタスクなどを視覚的に理解しやすくなることもメリットです。
PMBOK(Project Management Body Of Knowledge)
PMBOKは、アメリカの非営利団体であるPMIが、プロジェクトマネジメントに関する知識や様々な手法を体系的にまとめた参考書のことです。この参考書に基づいてプロジェクトを管理する方法がPMBOK手法です。
管理手法が体系的にまとめられているため、複数の管理者がいる場合でも同じ基準で管理できることから、マネジメント業務の属人化を防ぐ効果もあります。また、だいたい4年ごとに改訂されているので、その度に新しい知識やノウハウを取り入れられることも特徴です。
P2M(Project & Program Management)
P2Mは、プロジェクトを管理する手法に、複数のプロジェクトを連携させるプログラムマネジメントの考え方を組み合わせたプロジェクトマネジメント手法です。
日本プロジェクトマネジメント協会による「P2Mプログラム&プロジェクトマネジメント標準ガイドブック」で学べます。
前述のPPMがそれぞれのプロジェクトを分類したりその分類をもとにリソースを割り振ったりすることが目的なのに対して、P2Mは複数プロジェクトの統合管理を目的としています。
QFD(Quality Function Deployment)
QFDは、製造業での品質管理を目的として日本で生まれ、プロジェクト管理や商品企画にも使われるようになっていった管理手法です。
顧客にとって価値のあるものとは何か(顧客要求)を最初に考えることで、プロジェクトの成功に必要な課題を見つけ出し、その課題を解決するための計画を立てて管理します。顧客要求をベースにしてプロジェクトに必要なタスクを決めるため、品質の向上にも期待できる点が特徴です。
そのため、顧客満足度を上げたり、競合に差をつけたりしたいという目的を持ったプロジェクトを管理する場合に向いています。
WBS(Work Breakdown Structure)
WBSは、プロジェクトに必要な作業を洗い出して、小さなタスクに分けながら担当者や作業期間、進捗状況を表にまとめて管理する手法です。
プロジェクトの全体像が視覚的に分かるように表を作成するため、タスクごとのスケジュールや担当者がひと目で分かりやすいという特徴があります。
一方で、それぞれのタスクを時系列順に並べる必要があることから、複数の工程が同時に行われるような複雑なプロジェクトには向いていないというデメリットもあります。
カンバン
カンバンは、1枚のボードを「開始前」「進行中」「完了」などの3つの枠に分け、プロジェクト内のそれぞれのタスクを状況に合わせて配置して管理する手法です。
カンバン方式でタスクを配置することで「3つの状態のうち、どの状態になっているタスクがどれだけあるか」がひと目でわかる点が大きな特徴です。そのため、遅延しているタスクや指示漏れで誰も手を付けていないタスクが発生した際に、早期発見・対応しやすくなります。
一方で、タスクごとの作業量や重要度が分かりにくいというデメリットもあるので注意が必要です。
プロジェクトマネジメント手法の選び方
プロジェクトマネジメント手法を選ぶ際は、以下の3つに着目して選ぶと良いでしょう。
- プロジェクトの規模に合わせて選ぶ
- プロジェクトの複雑さに合わせて選ぶ
- プロジェクトの業種に合わせて選ぶ
次項から、それぞれの選び方の詳細を解説しますので、選ぶ際の参考にしてください。
プロジェクトの規模に合わせて選ぶ
プロジェクトマネジメント手法を選ぶ際は、まずプロジェクトの規模がどれくらいになるかを想定して、その規模に合わせて選ぶ方法が有効です。
例えば、プロジェクトが大きくなりそうなら全体の進捗状況を管理しやすく、期間も短縮しやすいCCPMが向いています。一方で、タスクの詳細が分かりづらいためタスクが多くなりすぎると管理しづらくなるカンバンは、大規模なプロジェクトの管理には向いていません。
また、タスクの多いプロジェクトや複数のプロジェクトが絡む大きなプロジェクトは、情報の共有がしやすい管理手法を選ぶことも大切です。
プロジェクトの複雑さに合わせて選ぶ
プロジェクトマネジメント手法を選ぶ際は、プロジェクトの複雑さを考慮して選ぶことも大切です。
例えば、同時にいくつものタスクが進行するようなプロジェクトでは、タスク同士の関係性がわかりやすいPERTやタスクの状況がひと目で分かるカンバンを採用すると効率良く管理できます。
一方、タスクを時系列順に並べるWBSは、複数のタスクが同時に進行するような複雑なプロジェクトには向いていません。
また、複数のプロジェクトが絡み合うような複雑なプロジェクトの場合はPPMやP2Mのような手法が向いています。
プロジェクトの業種に合わせて選ぶ
最後に、プロジェクトの業種に合わせて管理手法を選ぶ方法もあります。
例えば、QFDやカンバンはもともと製造業で使われていた管理手法をプロジェクトマネジメントに応用したもののため、製造業のプロジェクト管理に適しています。
このように、同じ業種で生まれた手法やその業種に向けて作られたプロジェクトマネジメント手法がある場合は、その手法の採用を検討してみても良いでしょう。
プロジェクトマネジメントをする際のポイント
プロジェクトマネジメント手法を導入して管理をする際は、以下の4つのポイントに気をつけると効率良く管理できます。
- プロジェクトの目的・目標を整理する
- プロジェクトの工程をできるだけ細分化する
- 情報を共有しやすい環境を構築する
- プロジェクト管理ツールを導入し活用する
プロジェクトの目的・目標を整理する
初めに、プロジェクトの目的や目標を整理しましょう。
目的が明確になっていないと、プロジェクトに合わないマネジメント手法を導入してしまったり、適切でない管理の仕方をしてしまったりするかもしれません。
目的が明確になっていると、その目的に合わせて適切なプロジェクトマネジメント手法を選び導入できます。結果として、効率良くマネジメントできるようになり、プロジェクトの成功へ近づくことになるでしょう。
プロジェクトの工程をできるだけ細分化する
プロジェクトマネジメントをする際は、それぞれの作業工程をできるだけ細分化することがポイントです。
細分化していない状態で管理をすると、それぞれのタスクがどの程度進んでいるのかわからないため、情報共有がしにくくなってしまいます。そのため、プロジェクトの進捗が把握しにくくなり、管理ミスが発生しやすくなってしまうかもしれません。
また、細分化できていないと1つのタスクの作業量が多くなってしまいます。結果として、作業中のタスクがいくつも積み上がっているように見えてしまうことから、プロジェクトが進んでいないかのような印象になってしまうこともあります。
情報を共有しやすい環境を構築する
プロジェクトマネジメントをする際は、情報を共有しやすい環境を構築することがポイントです。
それぞれの担当者から情報を共有してもらわなければ、正しく進捗を管理できません。ところが、作業で手がいっぱいになってくると、情報共有のための作業を後回しにするケースも少なくありません。
そのため、ツールを導入して手間を減らすなどの工夫をし、自発的に情報を共有してもらえる仕組みを作ることが大切です。
プロジェクト管理ツールを導入し活用する
プロジェクト管理ツールを導入すると、効率良くプロジェクトマネジメントができます。
Excelを使った管理シートのような簡易的なものから、特定の管理手法に合わせて作られた有料の高機能なプロジェクト管理ツールまでさまざまなものがあります。管理ツールを選ぶ際は、自社が採用するプロジェクトマネジメント手法に合うものを選ぶと、効率良くマネジメントを行えます。
まとめ
本記事では、プロジェクトマネジメント手法の中から、CCPM・PERT・PMBOK・PPM・P2M・QFD・WBS・カンバンの8つの手法を紹介しました。
プロジェクトマネジメントには様々な手法があり、それぞれメリットとデメリットがあります。そのため、自社に合うプロジェクトマネジメント手法を選ぶことが大切です。
プロジェクトマネジメントをする際は、ぜひ本記事で紹介した手法の選び方やポイントを参考にしてください。