![Data analytics, dashboard EDR運用の重要性と課題を徹底解説](https://dxnavi.com/wp-content/uploads/2025/02/pixta_88469568_L-875x512.jpg)
ネットワークの運用とはどのような業務を指すのか、保守との違いは何かなど、ネットワーク運用についていまいちよく分かっていないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ネットワーク運用とはどのような業務か、保守とはどう違うのか、なぜネットワーク運用の業務が必要なのかを解説します。また、内製化するか外注化するかを検討する際のポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ネットワーク運用とは
ネットワーク運用は、ネットワークを日常的に監視して正常に稼働させる業務を行うことです。本項目では、以下に分けてネットワーク運用について解説します。
- ネットワーク保守との違い
- ネットワーク運用の主な業務内容
- ネットワーク運用が必要な理由
ネットワーク保守との違い
ネットワークの運用と保守の違いは、主に以下の表の通りです。
ネットワーク運用 | ネットワーク保守 | |
---|---|---|
目的 | ネットワークを正常稼働させるための日常業務 | トラブルへの対応や防止策の実施をする業務 |
主な業務内容 |
|
|
ネットワーク運用は、日々の安定稼働を目的とした継続的な業務が中心です。一方、ネットワーク保守は、定期的メンテナンスや突発的なトラブル対応など、安定稼働を維持するための予防・対応策が中心となります。
ネットワーク運用の主な業務内容
ネットワーク運用の主な業務は、以下の通りです。
- ネットワークの監視・管理
- セキュリティ対策
- ユーザーサポート
- トラフィックの監視・管理
次項から、各項目の詳細を解説します。
ネットワークの監視・管理
NGAV(Next-Generation Antivirus)は、従来型のアンチウイルスを進化させたものです。AIや機械学習を活用して未知の脅威を検知する点ではEDRと類似していますが、NGAVの主な目的はエンドポイントを攻撃から防御することに集中しています。
これに対し、EDRは攻撃発生後の記録・分析や迅速な対応も可能です。攻撃ライフサイクル全体を管理するという点では、NGAVよりも包括的と言えます。
セキュリティ対策
従来のセキュリティ対策でも一定の成果が期待できる中、新たにEDRを導入し、運用しなければならないと言われるのには、どのような理由があるのでしょうか。
ユーザーサポート
ネットワークを利用しているユーザーに対するサポートもネットワーク運用の業務です。
利用方法に関する問い合わせに対応するためのヘルプデスクを設置したり、トラブル発生時に原因を特定して解決策を提示するトラブルシューティングをしたりします。状況によっては、遠隔操作を用いてサポートをすることもあります。
トラフィックの監視・管理
ネットワークトラフィック(一定時間の通信量)を監視して、最適化することもネットワーク運用業務の1つです。
ネットワークトラフィックのログを基にしてどこがボトルネックになっているのかを特定し、必要があれば解消して快適に利用できるネットワークにします。
また、トラフィックを監視することでネットワークの異常を早期発見することも業務内容に含まれます。
ネットワーク運用が必要な理由
ネットワーク運用が適切に行われていないと、ネットワーク障害が発生したときに対応が遅れてしまい、業務に支障が出てしまいます。また、ネットワーク障害を防ぐための施策もおろそかになることから、ネットワーク障害の発生率が高まってしまうかもしれません。
そのほか、不正アクセスやサイバー攻撃などへのセキュリティ対策もネットワーク運用の大切な業務です。セキュリティ対策が十分でないと情報漏えいのリスクが高まってしまうため特に注意しなければいけません。
これらのリスクを抑えるためには、ネットワークの監視や管理、セキュリティ対策の実施などのネットワーク運用業務が必要です。
ネットワーク運用を外注するメリット
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ネットワーク運用を外注すると、以下のようなメリットがあります。
- 専門家のノウハウを活用できる
- 自社の人件費や育成コストを抑えられる
- ネットワーク運用業務の属人化を防げる
次項から、各項目の詳細を解説します。
専門家のノウハウを活用できる
ネットワークの運用を外注すると、専門家の持つノウハウを活用して運用してもらえることがメリットの1つです。ネットワークの運用業務を多く手掛けている会社であれば、業務経験も多くなるため、ネットワークの運用に関するノウハウも多く持っています。
また、ネットワークの運用では、最新の情報を取り入れることも重要です。ネットワークの運用に関する知識を学び続けている専門家に任せることで、最新の技術やツールを駆使して運用してもらえるので、安定したネットワークの運用にも期待ができるでしょう。
自社の人件費や育成コストを抑えられる
ネットワーク運用を外注することで人件費を外注費にできるため、人件費の削減効果があります。
また、人材が不足している会社の場合は、ネットワーク運用に人的リソースを回したことによって他の業務のリソースが不足してしまうというケースも防ぐ効果にも期待できるでしょう。
さらに、ネットワークの運用はミスをすると重大なネットワークトラブルに発展して社内の業務が停止してしまうリスクもあります。そのため、対応する人材には相応の知識とスキルが必要です。その育成コストを省けることもネットワーク運用を外注するメリットといえます。
ネットワーク運用業務の属人化を防げる
ネットワークの運用を外注することによって、ネットワーク運用業務の属人化を防げます。
自社の社員を育成してネットワーク運用を任せた場合、その社員が病気で長期療養に入ってしまったり、急に離職してしまったりした際に対応できる社員が不在になってしまうリスクがあります。
ネットワーク運用を外注をしていれば、運用業務が特定の社員に依存せずに済むため、担当者が不在になってしまって業務に支障が出てしまうケースを未然に防げます。
ネットワーク運用を内製化するメリット
ネットワーク運用を内製化すると、以下のようなメリットがあります。
- 運用のノウハウを社内に蓄積できる
- 情報漏えいのリスクを抑えられる
- トラブルへの対応スピードを速められる
次項から各項目の詳細を解説します。
運用のノウハウを社内に蓄積できる
ネットワーク運用を内製化すると、運用に関するノウハウを蓄積できることがメリットの1つです。内製化をして自社の社員で運用をしていくことで、業務を通じてノウハウを自社に蓄積しつつ、人材を育成できます。
仮に外注をしていた場合、外注先の企業が日常業務からトラブルまで対応してくれる代わりに自社にノウハウが蓄積できず、人材の育成もできません。ただし、ノウハウが全くない状態で内製化を始めてしまうと、知識や経験不足でトラブルに対応できないこともあるため注意が必要です。
情報漏えいのリスクを抑えられる
ネットワークの運用を内製化すると、情報漏えいのリスクを抑えることにもつながります。ネットワークの運用をする業者も情報漏えい対策はしていますが、情報を持ち出すことになることや情報を扱う人が増えることから、情報漏えいのリスクが発生してしまいます。
内製化をすると情報を扱う人を一部の自社社員だけに絞れるため、情報漏えいのリスクを減らせるでしょう。
ただし、自社の社員だけで正しい情報漏えい対策やセキュリティ対策を実施できない場合は、知識やスキル不足により情報漏えいリスクを高めてしまうこともあるので注意が必要です。十分なセキュリティ対策に自信が無い場合は、外注することも視野にいれましょう。
トラブルへの対応スピードを速められる
外注先に連絡をして対応してもらう手間を省けることから、トラブルへの対応スピードを速められます。また「外注している企業が他の案件で多忙なため対応が遅れてしまった」というようなケースも防げるでしょう。
ただし、トラブルの対処ができる人材が確保できていないと問題を解決できないため、自社社員の育成が必須になることに注意が必要です。
ネットワーク運用を外注するか内製化するかを選ぶポイント
ネットワークの運用を外注するか内製化するかを選ぶ際は、以下のポイントに注目しましょう。
- 専門知識を持った人材を確保できるか
- ネットワークの規模はどのくらいか
- 自社で十分なセキュリティ対策ができるか
ネットワークの運用は、専門知識が必要な業務です。そのため、ネットワーク運用に関する知識を持つ人材が既に自社に居る場合や、自社で人材を育成するリソースがある場合でなければ内製化は難しいといえるでしょう。
また、ネットワークの規模が大きい場合や複雑なネットワークの場合は、人員も多く必要になります。そのため、内製化をすると自社の人的リソースを多く割くことになり、他の業務に回すリソースが足りなくなる可能性があります。ネットワークの運用に必要な人員を自社で確保することが難しいと感じた場合は、外注を検討しましょう。
外注をすると他社に情報を渡すことになるため、情報漏えいのリスクも発生してしまいます。そのため、重要機密を多く扱う場合は、内製化が向いています。ただし、セキュリティ対策を正しく行える人材が自社に居ない場合は、不正アクセスなどのリスクが高まってしまうので注意が必要です。
情報漏えいリスクを抑えながら外注をしたい場合は、情報セキュリティに関する認証のISO/IEC 27001やISO/IEC 27017、プライバシーマークなどを取得している企業を選ぶと良いでしょう。
まとめ
ネットワーク運用は、ネットワークの監視やセキュリティ対策、ネットワーク利用者のサポートなどのネットワークを正常に稼働するための日常業務のことを指します。
ネットワーク保守は、定期的なメンテナンスや突発的なトラブルの対応などが中心ですが、ネットワーク運用は日常的な業務が中心になることが保守と運用の違いです。
内製化をする場合は、対応できる人材を自社で確保できるか、自社で対応できるネットワーク規模か、十分なセキュリティ対策を自社で実現できるかを考慮しましょう。実現できない項目がある場合は、外注をして専門家のサポートを受けると良いでしょう。