【業務効率化】成功の鍵を握る!事前準備の重要性

「業務の効率化の必要性を認識してはいるが、まず何から始めるべきなのかわからない」

「これから業務の効率化を始めていく予定だがまず何から手を付けていいのかわからない」そんなお悩みや課題を抱えておりませんでしょうか?

今回は現役のコンサルタントにヒアリングを行い、業務の効率化プロジェクトの成功を左右するといっても過言ではない、事前準備の部分に焦点を当てて、ご説明いたします。

業務効率化の前に行う、「事前準備」が極めて重要

業務効率化の前に行う、「事前準備」が極めて重要

まず、業務の効率化のプロジェクトを発足する前に大切なのが、プロジェクトの企画です。

何のために効率化をしたいのか、効率化の対象・範囲など改善のための「企画」を明確にすることが非常に大切となってきます。綿密な計画があってこそプロジェクトの運営がスムーズになり、失敗のリスクを回避する事ができます。

では、企画の際に検討すべき項目を4つ、ご紹介いたします。

プロジェクトの対象範囲 

プロジェクトは全社的な取り組みのものなのか、特定の部門で行うのか、あるいは単一の部門でやるのか、複数の部門が絡んでくるのか、範囲も明確にする必要性があります。特に多くの部門が絡んでくると、決裁権限を持つ方(キーマン)は誰なのか、をしっかりと把握しておくことが大切になります。

プロジェクトの体制

また、誰がそのプロジェクトを行うのかを決める必要性があります。その上で、プロジェクトメンバー主体で牽引していくのか(事務局主導型)、事務局はあくまで企画を立てたり重要事項を決めるのみで、現場の担当者が主導で動くのか(現場参加型)を決める必要性があります。

特に、部門横断型のプロジェクトの場合、現場の参画は必要だけど、あまりにも声が大きな部門の人がいると、その部門の要件ばかりが優先されそうになってしまうことがあり、結果として部分最適に陥る可能性もあります。その場合は、事業部責任者・役員クラスがプロジェクト体制に参画する必要があります。

このように、それぞれの部門の声が平等に拾えるような、プロジェクトの体制作りが必要不可欠です。関係する部署や部門が多ければ多いほど、全体最適を実現するには重要なポイントとなってきます。

プロジェクトの目標/目的を明確化

何のための効率化なのか?何のために、可視化、改善するのか?また、何をどこまでやるのか?ある程度の目標を設定することで、業務効率化の本来の目標からブレずに、プロジェクトを進めていく事ができますし、効率化がし易くなります。

更に、効率化を行う上で「これだけは気を付けないといけない」という点も把握しておくことが重要です。特に、コンプライアンスに関しては、違反すると作業のやり直しも出てきてしまいますので、後の手戻りを無くすためにも前もって気を付けるべき項目を洗い出し・決めておく必要性があります。

プロジェクトの期間

どれくらいの期間で効率化を進めていくのか、こちらに関しても事前にある程度決めておく必要性があります。もちろん、プロジェクト期間内でのイレギュラーな遅延も起こりうるので、それらを加味した上で、スケジュールを引くことが大切です。

事前準備をするうえでのポイント/注意点

事前準備をするうえでのポイント/注意点

次に、企画を練る上で必要となる観点や押さえておくべきポイントもご紹介いたします。

企業や業界独自のルールを把握する

その企業独自のルールや業務改善の対象となるビジネスに関わる法的ルールも数多く存在するため、それらを把握しておくことも大切です。

また、会社形態(ホールディングスなど)によってもルールが変わってきます。そうすることによって、ガバナンス上重要なタスクを効率化で削除してしまう、というような、本来省いてはいけない大事な業務をなくすリスクを防ぐ事ができるからです。業務の効率化の最中にルールの漏れが発覚し、プロジェクト自体がストップしたり、手戻りを発生させないためにも、その会社のルールを事前に調べておくことをお勧めします。 

効率化の対象の再確認

特に、RPAで起こりがちなのが、RPA導入自体が目的となっているケースです。RPA導入はあくまで手段にすぎません。それにも関わらず、承認業務自体を自動化してしまうという、危険な効率化に気づかないお客様も見受けられます。

また、RPA本来の強みは、大量の単純作業の自動化ですが、RPAに即した業務手順の変更や業務内容の見直しがきちんと行われていないと、RPA化可能な作業部分の分断(細切れ)が起こり易くなります。人間が行う業務作業とRPA化可能な作業部分業務が細切れに実行されてしまうので、効率的な自動化を実現できなくなってしまうのです。

確実にRPA導入の結果を出すためにも、本当にその作業は効率化するべきなのか、効率化の範囲や対象を改めて企画の段階で明確にすることが大切です。

実現性のある企画かどうかの検討 

プロジェクトの実現可能性も考慮すべき項目の一つです。

本当にこのプロジェクト計画で実行できるのか?それに対して予算がつくのか?社内でできるものなのか?このあたりの見積もりを誤ってしまうと、プロジェクト自体が失敗に終わってしまう可能性があります。

理想を語るだけではなく、それを確実に実行へと移すための見極めが重要となってきます。

プロジェクト推進者と現場とのネゴシエーションが重要

プロジェクトを推進していくにあたり、運営側と現場との交渉はとても大切です。

例えば、経営はそのシステムを導入したいと思っていても、実は現場はそれを使いたいと思っていない…などの意見の乖離もあります。本当にその効率化は必要で、皆が納得できるもののか?業務効率化の実行主体と効率化の対象範囲の方々との意見のすり合わせが必要となってきます。

ですので、プロジェクトを推進する際は、
「何がどれくらいが必要なので、現場のxxさんを参加させてください。」「現場の現状を聞かせてください。」「現状がxx変わるので、ToBeはxxに変えさせてください。」

 などの具体的な方向性の共有や指示出し、変更が応じる場合は、逐一連携をとることが必要不可欠です。

プロジェクトを推進する上で重要な意思決定者(キーマン)を把握する

また、プロジェクトの決裁権がある、社内のキーマンを把握しておくことも重要です。誰が意思決定者か決まっていない、プロジェクトの窓口担当だけど、その人には決定権がない…そのような状況ですと、後々プロジェクトの推進がひっくりかえってしまうこともあります。

特に、部門間を跨ぐ大きなプロジェクトでは、意思決定者の把握がより重要となってきます。複数部門がかかわってくることによって、「A部門はOKと言っていたのに、B部門ではNGが出てしまった」というような、意見の食い違いが応じてしまい、プロジェクトが進められない状況に陥ってしまうことも大いにありうるからです。

そのような状況を防ぐためにも、意思決定者の合意を得るために、事前に誰がキーマンとなるのか、把握して、その人に対して重点的に交渉することが大切です。  

【業務効率化】成功の鍵を握る!事前準備の重要性 まとめ

いかがでしたでしょうか?業務効率化を実施するに当たって、事前に検討する項目がかなり多かったのではないでしょうか?

具体的にどの業務をどのように効率化するのか、イメージがプロジェクトの推進者が描けていないと、プロジェクトの目標や目的を見失ってしまったり、思ったようなアウトプットがでないという状況に陥ってしまいます。 

業務効率化のプロジェクトを確実に成功に導くためにも、プロジェクトの企画フェーズが非常に重要となってきますので、これから業務効率化を社内で取り組み始めようとしている方は、いま一度、企画の検討から始めてみることをお勧めいたします。