RPA実行ツールRobotsには、主に「Attendedロボット」と「UnAttendedロボット」の2種類のライセンスがあり、ロボットに任せたい仕事内容などによって選択する必要があります。この記事では、2つのロボットの違いについて詳しく説明します。
「Attendedロボット」と「Unattendedロボット」の違いとは
UiPath社のRobotsにおける「Attendedロボット」と「UnAttendedロボット」の違いは下記の通りです。
・Attendedロボット(半自動型ロボット)
使用する際にPCへインストールを行う必要がある。利用者の要求に応じて営業部門などの業務に適応する。
・UnAttendedロボット(全自動型ロボット)
事務的な作業に適応するもので、Orchestratorと連携して使用します。PCではなくサーバー上で使用できる状態にした上で、管理画面から実行の指示を出し、ロボットを操作します。
「Attendedロボット」は半自動ロボットであり、起動にはユーザーによるログインとロボット稼働のきっかけとなる操作が必要となるため、人間がいないと実行できません。
一方「UnAttendedロボット」は、人間が介入せずに実行できるのです。
「Attendedロボット」でできること
Robotsの「Attendedロボット」は、作業者のデスクトップ内にインストールされ、作業者の操作をトリガーとして動作します。アプリの使用や終了、ファイルの変更、ホットキーの操作など人間が関与することでロボットが稼働します。
下記に、UiPath社のAttendedロボットができる作業の例を示します。
・福利厚生の申請に関わる作業を自動化する
人事システムとの連携が行えます。社員から福利厚生に関する質問があれば情報を読み込み、データの入力を行います。
・見積書作成作業を自動化する
受け取った見積依頼書のデータを取り込み、データから見積書の作成に必要な情報を抽出します。情報を見積システムに入力して見積書を作成します。
・運用保守作業を自動化する
データベースのバックアップ取得や、不要なデータの削除などを行います。完了後は責任者に作業の結果を通達します。
このように、業務の一部を自動実行することで従業員をサポートしてくれます
Attendedロボットの最大のメリットは、人が作業する中で発生するヒューマンエラーを防止し、生産性と品質の両方を向上させることができることです。これにより、企業のブランド力アップにも繋がります。
問い合わせ対応を例に挙げると、ロボットを活用して定型文を送信することで返答にかかる平均時間を短縮することができます。空いた稼働をさらなるサポートが必要な問い合わせへの対応に充てることができ、結果的に顧客の信頼度や満足度を高めることができるのです。
「Unattendedロボット」でできること
Robotsの「UnAttendedロボット」は、Orchestratorと連携することでサーバー内で動作し、作業者による操作なく作業を行います。完全に独立して常時稼働が可能で、深夜や祝日などに人間がいなくても行える作業を自動化するのに適しています。
UnAttendedロボットができる作業の例は下記の通りです。
・勤務状況確認の自動化
労働時間データを基幹システムから出力し、労働時間を入力していない従業員の特定を行う。入力していない従業員が見つかれば、労働時間の入力依頼メールを定期的に配信する。
・請求関連の業務自動化
精算書をシステムから出力し、売上や支払額を照合する。データファイルを生成し、対象システムへのアップロードを自動的に実行する。
・給与計算業務の自動化
アルバイトの勤務時間を集計し、人事システムに記載する。
外部のシステムとの入出力を伴う作業を実行する、大量のデータを処理するなど、大規模なバックオフィス作業を自動化できるという特徴があります。
UnAttendedロボットの主なメリットは、大規模な反復的作業が従業員の手を離れることで、クリエイティブな業務に集中できるようになるという点です。
さらに、単純な作業をロボットに任せることでコストダウンも可能になります。また、Attendedロボットと同様に、正確性の高い作業によってエラーを減少できます。
最後に
Robotsにおけるソフトウェアロボットには2つの分類と、その違いについてご紹介しました。業務内容によって自動化に適したロボットは異なります。自社で自動化したい作業は何か、その作業は「Attendedロボット」と「UnAttendedロボット」のどちらのロボットが適しているかをよく検討して選定するようにしましょう。また、「UnAttendedロボット」を利用するにはOrchestratorが必要です。検討している方はよく確認して導入を進めましょう。