システム開発を行う上でテストは欠かせません。設計通りの動きができるかどうかを確認しないままシステムを稼働させることはできませんし、多くのテストを行うことで、システムの不具合やトラブルを未然に防ぐことができます。
しかし、このようなテストを実行するためには、多くの工数が必要です。また、作業者自身がテストを行う場合、漏れやエラーの見落としは避けられず、それがのちのトラブルにつながってしまうというリスクが伴います。UiPath Test Suiteなら、テストを自動で行うことが可能になります。以下では、その特徴とメリットについて説明しています。
Test Suiteとは?
Test Suiteは、UiPath社からリリースされてる、あらゆるシステムのテストを行うプラットフォームです。UiPath社では、主にRPA開発ソフトを提供していますが、Test SuiteではRPAはもちろん、モバイルアプリやウェブアプリなど、さまざまな媒体のシステムについてテストを実施できます。
Test Suiteは、「Test Manager」「Studio Pro」「Test Orchestrator」「Test Robots」の4つから構成されています。それぞれの特徴を見てみましょう。
UiPath Test Manager
テストケースを設計、管理するソフトウェアです。テストの進捗状況をダッシュボードで常時チェックすることができます。
UiPath Studio Pro
RPA開発ツールであるUiPath Studioに、テスト機能を追加したソフトウェアです。追加された検証アクティビティを既存のものと組み合わせることで、さまざまなケースのテストや検証を行います。
UiPath Test Orchestrator
RPAロボットの管理を行うUiPath Orchestratorに、テスト機能を追加したソフトウェアです。
UiPath Test Robots
実際にテストを行うロボットです。これまで人力で行っていたテストを、ロボットが自動的に実行してくれます。
Test Suiteの利用シーン
システム開発に際して、テストを自動的に行えるUiPath Test Suiteですが、具体的にはどのようなケースで役立ってくれるのでしょうか。
基幹システム
企業の基幹となる会計システムや販売管理システム、購買管理システムを構築する際のテストに活用できます。このようなシステムでエラーが起こると、大きなトラブルにつながる可能性が高いため、ロボットによる綿密なテストを行うことで、安定した稼働を目指すことが可能です。
ウェブサイト
ウェブサイトでエラーが発生しないようにコードやリンクなどのチェックを行います。
メインフレーム
メーカーの独自OSを積んだメインフレームのアプリテストも可能です。人材不足であるといわれるメインフレーム開発において、テストの自動化はコスト削減に効果的です。
API
APIの開発・テストに便利なサービス「Postman」との統合で、APIを利用したシステムについてもテストの自動化が可能です。
モバイルアプリ
AndroidやiOS端末で使えるアプリのテストにも活用できます。
Test Suite導入のメリット
Test Suiteの特徴を活かすことで、どのようなメリットが得られるのかについて考えてみましょう。
より多くの稼働を開発に回すことができる
テストにかかる工数を減らし、より多くの人材を開発に回すことができるようになります。システム開発の効率アップに役立つでしょう。
不備のあるロボットを検知し、簡単に修正
テスト結果は一覧で表示されるため、エラーを迅速に検知し、修正対応を取ることができます。
スピーディーなシステムリリースを実現
テストを自動化してロボットに任せることで、テストスピードを上げる効果が期待できます。これによって、よりスピー感のあるシステムリリースが可能になるでしょう。
サービス価値を向上させる
テスト機能の品質が上がれば、それだけエラーの少ない高品質なシステムを構築しやすくなります。
RPAメンテナンス費用の削減
RPA導入後は、継続してシステムの監視を行い、問題点や改善点を把握・改善していく必要があります。Test Suiteで継続的なテストを行うことで、メンテナンスの工数を軽減することができるでしょう。
RPA開発期間の短縮
テスト用に開発したシステムをそのままRPAに再利用することもできます。これによって、開発コストの削減が期待できます。
最後に
システムのテスト品質が低かったり、十分でなかったりすると、サービスの質が低下するリスクが高まります。高品質なサービスを提供し、トラブルを起こさないためには、スピード感をもって十分なテストを行うことが大切です。テストの効率と品質を上げるために、UiPath Test Suiteの導入を検討してみてはいかがでしょうか?