【RPAツールの比較に役立つ】ベンダーに確認したい5つのポイント(テンプレート付)

【RPAツールの比較に役立つ】ベンダーに確認したい5つのポイント(テンプレート付)

世界でも特に日本で話題となっているRPAツールですが、皆様はRPAツールの導入検討は進んでおられますでしょうか。

RPAツールも国内メーカー、海外メーカーと出揃って参りましたが、ツールによって得意な部分、不得意な部分、全く対応していない部分などの特徴も明確に存在します。

RPAの導入を失敗させないためにも、RPAツールの選定・比較の際に確認しておきたいポイントをまとめてみましたので、ご参考になさってください。

【おさらい】RPAツールの仕組み

まずはじめに、簡単にRPAツールの仕組みをご説明させていただきます。

RPAツール機能構成とツール選択要点

RPAツールは一般的に「動作シナリオの作成」、「動作シナリオの実行」、「動作管理支援」などの機能で構成されています。

動作シナリオ作成機能にて作成したシナリオを、ソフトウェアロボットに実行させることにより、業務の自動化を図る仕組みになっています。

また、実際のRPAツールを検討される際には、以下のような点をベンダーへの問合せして確認されるとよろしいのではないかと思います。

RPAツールベンダーへの確認点1.「利用システムへの対応性」

RPAツールで利用する業務システムへの対応度を確認してください。

多くのツールはWindowsおよびWebアプリケーションに対応しているようですが、Citrixなどのリモートデスクトップ/VDIを利用されている場合に対応できないツールもあるようなので注意が必要です。

また、対象データとしてExcelやPDFなどのデータファイルだけでななく、RDBやメール、Webサービスなどを直接的または外部のGUI/コマンドを利用して間接的に利用できるものもあるようです。

尚、Excelに関しては、データ形式として利用できるだけのものと、マクロや式などまでも利用できるものとがあるようなので確認が必要です。

RPAツールベンダーへの確認点2.「シナリオ作成(保守)簡易性」

ソフトウェアロボットの動作を規定するための動作シナリオをいかに簡単に作成できるかを確認してください。

一般的には以下のように作成する仕組みが主流となっているようです。

  1. 具体的な画面への操作に関しては、手本となる操作員の操作方法を監視・自動記録する機能により作成。
  2. 動作の繰り返しや、データ内容に従った動作の切り分けなどの制御にかかわる部分に関しては、フローチャート形式や一覧表など、誰にでも分かりやすい形式で動作を補完する処理を追加記述。

なお、同内容を確認する際には、空の状態から作成するだけではなく、既にあるシナリオ(テンプレートなどを含む)を流用することが可能かどうかも合わせてご確認ください。

さらに、既存シナリオに対しての変更に関する操作性(特にフローチャート形式の場合は記述方式の特性上、既存の処理の間に新しい処理を追加する操作などに難がある場合が多い)も、十分に配慮する必要があります。

RPAツールベンダーへの確認点3.「動作の安全性・拡張性」

ソフトウェアロボットの動作を指示する権限の管理や、ソフトウェアロボット自身が利用する業務システムの認証情報、システム資源情報などをシナリオに組み込まず、外部に独立して管理することにより、動作の安全性を担保する機能があるかを確認してください。

さらに、動作環境の柔軟性、同一のシナリオを元に簡単にソフトウェアロボットの台数を増やすなどの拡張性が、どれくらいあるのかも合わせて確認してください。

なお、ソフトウェアロボットの動作環境の柔軟性の面では、一般的なRPAツールでは、1台の物理PC(正確には1OS)上には1台のロボットしか稼働させられない事が多かったりします。

通常、1台の物理PC上で複数のロボットを稼働させるには、ロボット台数に合わせた複数VM環境(仮想環境)を構築する必要があります。

この場合、RPAツールの中にはWindowsユーザーセッションを利用し、1OS上でユーザーセッション毎にロボットを稼働させるといった、高密度な実行環境を構築できるもの(運用管理やソフトウェアライセンス価格の面で優位)もあるので、この部分も確認が必要です。

RPAツールベンダーへの確認点4.「管理の容易性・柔軟性」

動作シナリオの作成を支援する機能、動作シナリオを実行環境へ配布するための機能、ソフトウェアロボットの実行を支援する機能(スケジュール起動やリモートオンデマンド起動など)、ソフトウェアロボットの実行履歴を管理する機能などの操作容易性や、設定の柔軟性を確認してください。

この機能は、当初ロボット台数やシナリオが少ない場合にはそれほど大きく必要性を感じませんが、ロボット台数やシナリオが増えていくと必要性が増してきます。

これらの機能は、必ずしもRPAツール側で準備されていなくても、Windowsの機能や他の運用管理ツールと組み合わせることにより代替は可能であると思われます。

RPAツールベンダーへの確認点5.「価格・提供サービス・サポート体制」

価格に関しては、従来型の買取価格/年間保守料のものと、サブスクリプション(利用料)型のもの、両方を提供しているものなど様々ですが、海外のベンダー製品は、ほとんどサブスクリプション(利用料)型で提供されているようです。

また、提供形態についてはメーカーによる直販は少なく、代理店による教育/導入支援サービスやテンプレートなどを付加したVAR販売(*1)なども多くあるようです。

なお、同一製品であっても代理店により提供されるサービスやサポート体制が異なりますので注意が必要です。

*1:VAR=Value-added-resellerの略。既存のハードウェアやソフトウェアに機能を付加し、製品として再販する業者を指します