全社展開を成功に導くためのコツ

世界的に進むRPA導入率ですが、まだまだRPAによる業務自動化を全社展開を実現している企業は少ないと言われています。しかし、日本の人材不足は加速の一途をたどるばかりで、いずれは多くの企業が業務フローを改善していく必要が出てきます。自動化できる業務をRPAで対応し、貴重な人材は付加価値の高い任務に付く事が求められてきます。RPAの全社展開を行うには導入したものの、何らかの要因が障壁となっていることも少なくありません。スムーズな導入に向けて一つずつ課題をクリアしていくことが必要不可欠です。

RPAを導入する際にクリアするべき課題

RPAの導入は決してハードルが高いものではありません。しかし、現場とその先にある展開をよく見据えて計画的に進めていかなければ、スムーズな導入ができず断念することにもなりかねません。以下の課題をクリアして第1フェーズに挑みましょう。

1.自動化させる業務の選定

RPAには作業を高精度に安定して大量にこなす事ができるという特徴があります。その特性をよく理解し、最大限活かす事ができるポジションの選定が大切です。

2.導入にかかるコスト

RPAロボットやその開発費用、運用管理ツールの導入には初期投資が必要です。また、導入後においても最適な状態を保つためのメンテナンスやアップグレードは定期的に行わなければなりません。もちろん、導入にかかる基本的なコストやITチームを強化するための人件費などもコンスタントにかかります。

3.管理体制の構築

導入にはルールの策定が必要になります。RPAは知識を持たない現場担当者でも開発を行うことができるというメリットがある反面、誰でも開発できるからこそ、品質にばらつきがでてしまう可能性が考えられます。品質の低いロボットはかえって業務効率を下げることもあるのです。異動などで管理者が不在となったロボットについても同様です。引継ぎが十分でなく、管理を適切に行っていないと業務に支障をきたす可能性もあります。全社展開させると、そのリスクはさらに高まるためしっかりとした管理体制を整えましょう。

4.導入後の効果とその検証

導入後は長期に亘りその効果をデータ化し、細かく検証する必要があります。導入効果を把握し、システムやロボットの改善を図り、より高効率な運用を目指しましょう。

RPAの全社展開

スムーズに全社展開を成功に導くためのコツ

RPA導入時に立てたプランをもとに、まずは簡単なところからの実践を試み、もう1段階踏み込んだ作業をプラスしていくといった展開を加えて徐々に導入範囲を拡大していくのがおすすめです。一般的には定型業務と呼ばれる人事や総務、財務といった作業がパターン化されているところからの導入が取り組みやすいと言われています。まずはそこをテストケースとし、導入するにあたってどういったルールが必要か、無駄が発生していないか、どういう広がりが可能かといったことも見つけ、次段階への流れを構築していく事が成功への道となります。

また、スムーズにRPAを全社展開するためには、誰が主導となって動くのかによっても難易度が変わります。

業務部が主導する場合

業務部門はロボットが活躍する現場でもあるので、業務部門から出る意見や提案にはリアリティがあります。しかしロボットは社内ネットワークなどのシステムを通じて動作するため、IT部門のアドバイスを受ける必要があります。
また、業務部で全社展開を行う場合の課題点として、RPAロボットの作成方法や運用を他部門へ連携することが難しいという点、担当者の異動や退職などによって管理者不在の野良ロボットが発生しやすいという点が挙げられます。

IT部が主導する場合

運用システムから入るIT部門は、社内全体の業務フローを把握してロボットの構築にあたるため、部門を超えての連携もスムーズに行うことが可能です。また、チームで管理体制を整えるため野良ロボットが生まれにくいというメリットがあります。
ただし、実務を行っている担当者とは異なるため、実務における細かな要望が反映されづらいといった一面もあります。また、実務担当者の要望を細かに反映するためにはヒアリングにも時間を要することが多く、スピード感を持っての導入には難しい一面があるでしょう。

テストケースの段階でルールや流れをしっかり定めてワークフローを構築することで、各部門が全体把握と共通認識を持つ事ができ、それが全社展開成功へのカギとなります。

専門チームによる万全の管理体制

運用管理は専門チームを作って万全の体制で導入へ

テストケースで定めるワークフローは全社展開の基盤となるため、しっかりとビジョンを定めなければいけません。テストケースを経て全社展開を行う際には、テストケースの段階からどのようにロボットの管理・保守を行うか明確にしておく必要があります。
全社展開ともなれば、ロボットの台数も増える分、運用に関する負荷も増加します。例えば、テストケースでは業務部門主導で行い、全社展開のフェーズでIT部門主導に変更とした場合、業務部門間での共通ルールを定めて作成されていなければ個々のロボットの仕様が異なるケースが考えられるため、業務負担の増加につながるでしょう。また、異なる部門間での連携も困難となってしまうことが予想されます。こうした事態を防ぐためにも、導入検討段階から運用ルールをきちんと定めておくことが大切です。ルールが一本化されていれば、全社展開後も管理しやすく、ロボットの品質が良い状態で保たれやすくなります。

また、新たに運用管理の専門チームを作ることもおすすめの方法です。専門チームで対応することによって、セキュリティの強化やアップデートといった保守管理が容易に行えるようになります。トラブル発生時もスムーズな対応が可能となり、障害発生時にも業務への影響を最小限に抑えることができます。

最後に

RPA導入をいきなり全社展開することは簡単なことではありませんが、段階を踏んで慎重に進めていく事ができれば、成功へと導く事が可能でしょう。大幅なコストカット、確実で高効率な生産性といった成果が得られるとともに、従業員の負担軽減など大きなメリットも併せ持つ、極めて近い未来形の企業スタイルはそこにあります。

【無料プレゼント】RPAを検討中の方はぜひ入手してください

【無料】UiPathについての資料請求・見積請求・お問い合わせ

製品比較の際にUiPathの詳細資料も一緒にいかがでしょうか