自治体でも進むRPA導入

近年は、民間企業だけでなく、自治体でもRPAを導入する試みが始まっています。もともと役所の業務には事務作業や定型業務が多く、自動化が導入しやすいという側面もあり、満足できる成果が報告されています。
この記事では、Uipath社の自治体向けRPA配信サービスの内容と、実際の導入事例を紹介します。

自治体向けRPA配信サービスとは?

京都電子計算が運営するCloud PARKサービスのひとつに、「自治体向けRPA配信サービス」というものがあります。これはUiPathを活用するためのサービスで、管理ツールも同社のOrchestratorです。
クラウドサービスなので、サーバーを新たに構築する必要なく、自動化ロボットの開発・実行が可能となります。RPAを短期間に、しかも低コストで導入したいという自治体の要望に応えるサービスとして登場しました。

このサービスの最大の特徴は、地方公共団体専用のネットワークであるLGWANに登録しているサービスであることです。このサービスを使えば、自治体職員が普段から使っているLGWAN環境での業務にもロボットが使えるようになります。

サービス導入にあたって不安がある団体のために、導入支援サービスを提供しています。例えば業務フローに沿ったロボットの作成代行サービスを利用すれば、効果を確認しながら導入可否の判断ができます。

自治体へのRPA導入で実現できること

自治体へのRPA導入で実現できること

自治体向けRPA配信サービスを利用することで、どのようなことが実現できるのでしょうか。例を挙げて説明します。

大量にある手書きの帳票からシステムへの登録をスピードアップ

Cloud PARKの「AI手書き文字認識サービス」を利用すると、手書きで作成された帳票を読み取り、テキストに変換することができます。今まではテキストに変換することまではできても、その後の登録作業は手動で行うしかありませんでした。ここで自動化の力を借りると、テキスト化された文字列をシステムに入力するところまでを、1つのまとまった作業にすることができるようになります。

データ連携の自動化

複数のシステムを使って事務手続きを行っている場合には、同じデータを複数のシステムに登録したり、システム間でデータをコピーして同じデータを保持したりする作業が必要となる場合があります。このようなシステム間のデータを連携させようとすると、システムの改修や追加機能の作成に膨大な費用が掛かるのが常でした。これらの複数システムへのデータ入力や、システム間のデータコピーを自動化することで、作業の効率化が図れます。

管理ツールの利用による集中管理

複数のロボットのログを記録し、適切に管理するためには、管理ツールが必要になります。
RPA配信サービスは、管理ツールに「Orchestrator」を採用するサービスです。標準化された管理ツールを利用することで効率的にロボットを管理します。一般的に普及しているツールで管理しておけば、担当者にしか稼働状況がわからないブラックボックス化を防ぐことにもなり、管理業務の引き継ぎも容易になるでしょう。

自治体におけるRPA導入事例の紹介

自治体におけるRPA導入事例の紹介

実際にRPAを導入して、業務の改善効果を得られた自治体の取り組みを2つの自治体より紹介します。

石川県加賀市

少子高齢化のため人口が減少する見込みになったことと、業務量が増えて必要な人材の確保が難しくなったことから、石川県加賀市はロボットに業務の一部を代行させることを決めました。システムの改修による業務改善も選択肢にありましたが、導入コストとコスト削減見込みを概算して比較検討を行い、ロボット導入が最も適当であると判断しました。初期導入では、市の業務のうち4事業を選定し、集中してロボットによる自動化に取り組んだところ、全体で73%という高い業務削減効果を得られたと公表しています。

東京都多摩市

多摩ニュータウンを抱える東京都多摩市は、住民の高齢化と生産年齢人口の減少による職員の採用難を見越し、作業量の平準化と適切な人員配置を目的にRPAを導入しました。多摩市では約120という膨大な数のシステムが稼働しており、それらのシステムに対応できるシステムが望まれました。そこで選ばれたのが、マルチベンダーに対応しており、実績も豊富なUiPath社のツールです。最も汎用性が高く、既存システムの改修を最低限に抑えられる仕組みと見なされての採用でした。
実証実験で特定の3業務にロボットを導入したところ、全体で50%の業務時間削減効果が得られたとして、そのまま本格導入することになりました。

最後に

自治体向け配信のサービスを導入すれば、LGWAN上の業務も自動化できるようになり、定型業務の効率アップが望めます。煩雑な業務を自動化することで、一定の作業の質を保つことにもなるでしょう。作成されたロボットは一元管理でき、ロボットの共有も簡単になります。

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