複雑なSAPのオペレーションも改善！RPAとの連携効果について解説

SAPとRPAの連携効果

SAPは、業務基幹システムのシェアでは世界のトップを争うアプリケーションです。
基幹システムとして広範な領域をカバーする一方で、SAPは扱うことが難しく専門家による調整が必要なことも少なくありません。RPAとの連携は調整を円滑にし、より良いシステムとなる可能性を秘めています。この記事では、UiPath社のRPAツールと連携状況について解説します。

SAPとは何か

RPAとSAPの連携の前に、SAPとは何かについて改めて確認しましょう。SAP(エスエーピー)とは、ドイツに本社があるソフトウェア会社のSAP社が提供しているERP製品のことです。
ERPは「企業資源計画」という意味を持つ、Enterprise Resource Planningという言葉を略した言葉です。企業の経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」などを、一元的に管理するソフトウェア製品のことをERP製品と呼びます。

ERPは基幹業務の効率化を達成するために欠かせないツール

部署や事業部をまたいだ情報の連携を容易にすることを目的としたツールで、たとえば仕入れ部門と流通部門、販売部門などで、それぞれ集計していた商品のロットや売上といったデータを一元管理することができます。これにより、個別のデータをそれぞれ参照しなければわからないような情報や状況を、人の手を使わずにいつでも誰でも確認することが可能になります。
業務規模の大きい組織であればあるほど、人件費削減や伝達ロスに依る損失を大幅に削減することができるツールとなります。なかでもSAPはERPの中でも対応している領域が広く、数多くの企業に対応したパッケージとして開発されているのが特徴です。

ERPのモジュール

ERPは、領域ごとのツールのかたまりを「モジュール」としてまとめられています。これは、システムの特定機能の集まりのことを表します。例えば、人事管理の機能をまとめたHR(Human Resources)モジュールのように、機能毎にわかりやすい名前が付けられています。代表的なものは以下です。
・財務管理(FI)
・管理会計(CO)
・販売管理(SD)
・在庫管理(MM)
・人事管理(HR)
・プロジェクト管理(PS)
・品質管理(QM)
なお、SAPを導入する際、これらのモジュール単位で使うか使わないかを決めることができるようになっています。

RPAとSAPの連携を行うことのメリット

SAPと連携を行うメリット

SAPの利用者となる企業の管理部門は、財務や経理など、データの集計や加工などの手続きが多く、人手による作業が多い分野と言われています。SAPを導入することで、業務改善されたとしても、膨大な入力作業や操作が複雑なことが課題とされてきました。そのため、業務の自動化や効率化が課題となっており、RPAは有効な解決策の1つとして考えられています。
今までは、IT知識の少ない管理部門では、情報システム部門に依頼し、自動化や効率化の方法を検討してきました。しかし、RPAの場合は状況が異なっています。簡単な操作でロボットを作ることが出来る利点を生かし、各部門の担当者がロボットを作成して業務の効率化を図ろうとしています。一見すると、各部門が主体となって改善策を講じ、前向きに取り組めているように見受けられます。しかし、複数の部門で同じようにRPAの学習コストをねん出する必要あり、結果として同じようなロボットを作成する可能性があるなど、企業全体から見ると非効率な部分も出てきます。

SAPを活用すると、データの入力処理などの定型業務の一部は共通の仕組みで出来るようになります。最初に共通部分のRPA化を進め、部門ごとに異なる部分のみ個別で作成することで、必要最低限の工数でロボットの作成が可能になります。さらに、ロボットにより作業が自動化されると、人による作業工数を削減するだけでなく、ヒューマンエラーが入り込む余地がなくなります。そのため作業品質の向上にも繋がっていくでしょう。

RPA（UiPath）とSAPの相性とは

RPA（UiPath）とSAPの相性

ERPは、単純な省力化や情報の共有を円滑にしただけでなく、それらをもとに企業活動を行うための基幹システムとなった背景を持ちます。このため、導入にはメリットが大きく、特に多くの部署を抱える企業にとっては活用によって企業活動を向上させることが可能です。
また、大規模な基幹システムを自社開発するためには、莫大なコストがかかることもあります、専門会社が作成したシステムを自社向けに調整したうえで導入することが一般的となっており、SAPはそのなかでも実績が豊富なため世界の企業から信頼を集める企業となりました。しかし課題として、ERPそのものを扱うのに専門的な知識が必要となります。その課題を解決するために注目が集まっているのがRPAです。

UipathはSAPの認定ソリューション企業のひとつ

RPAでERPの最適化が可能といっても、いずれも数多くのツール・システムが展開されていま。自社に合ったツールが見つけられないと感じることもあるでしょう。そこで、注目したいのがERP会社からの認定制度です。RPA導入シェアで国内一位のUiPath社は、2019年9月にSAP社から正式に認定ソリューションとして認定された企業の一つです。
また同時に「SAP事業推進グループ」を立ち上げ、ユーザー企業に対する支援を開始しています。さらに、2020年7月にはSAP Solution Managerとの統合認定を取得し、SAP UI・SAP APIの自動化とSolution Managerとの統合に関する認定を両方取得した、初のRPA企業となりました。

最後に

RPAとSAPの連携を行うことで、各部門だけでなく全体から見た作業効率が上がると考えられます。Uipath社のツールはほぼ全てのSAPに対応で可能なRPAです。ユーザー企業の事業内容・環境を問わず活用が可能で、専門的なバックアップ・サポート体制が完備されていることからシステムの連携もスムーズで、将来性を踏まえても有力な選択肢だといえるでしょう。