屋外広告やイベント会場などで活用が進んでいるLEDビジョンは、設置後のメンテナンスを怠ると表示不良や故障、思わぬ事故につながるリスクも抱えています。

本記事では、LEDビジョンの安定運用に欠かせないメンテナンスの重要性をはじめ、点検内容やメンテナンス頻度の目安、費用相場、よくあるトラブルとその対処法までを網羅的に解説します。これからLEDビジョンの導入を検討している方はもちろん、すでに運用中の方にも役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。

LEDビジョンにメンテナンスが必要な理由

はじめに、LEDビジョンにメンテナンスが必要な具体的な理由を解説します。

LEDビジョンは精密機器であるためメンテナンスが不可欠

LEDビジョンは単なる大型ディスプレイではなく、多数のLEDモジュールや制御機器、電源ユニットなどで構成された精密機器です。

特に屋外に設置されているLEDビジョンは風雨や紫外線の影響を常に受けるため、部品の劣化が進みやすくなります。また長時間稼働による発熱や負荷は、電源や配線、LEDモジュールの消耗を早める要因となり、安定稼働を維持するためにも定期的なメンテナンスが欠かせません。

メンテナンスを怠るとさまざまな不具合が生じる

LEDビジョンのメンテナンスを怠ると、画面の色ムラやドット抜け、表示のチラつきなどの不具合が発生しやすくなります。軽微な症状でも放置すると悪化し、最悪の場合はシステムダウンにつながるおそれも。結果として修理範囲が拡大し、修理費の高額化や復旧までの時間増大を招くリスクが高まります。

加えて無視できないのが、大型LEDビジョンが落下する危険性です。壁面設置や吊り下げ型の大型LEDビジョンは複数の金具やボルトによって固定されていますが、湿気によって金具が錆びたり、地震などによってボルトが緩んでくることも。落下事故を防ぐためにも、こまめなメンテナンスは欠かせません。

LEDビジョンのメンテナンス内容とは?

LEDビジョンのメンテナンス作業の具体例をいくつかご紹介します。

基本点検項目

LEDビジョンの点検項目は多岐にわたりますが、代表的な項目は主に以下の7点です。

  • 画面表示のチェック(色ムラ・ドット抜け・チラつきの有無)
  • 輝度・色味のバランス測定
  • 電圧チェック・漏電の有無
  • ケーブル・配線の緩み・劣化確認
  • 設置金具の劣化・ボルトの緩みの確認
  • 吊り下げワイヤー・キャビネットの劣化確認
  • 防水パッキンの劣化確認

色ムラやドット抜け、輝度などのようにスイッチ一つで確認できる簡単な項目もあれば、金具やボルトの劣化確認のように高所での点検作業が求められることもあります。
屋外設置の場合は防水性能を保つために防水パッキンの状態確認も重要な点検項目となります。

清掃

清掃はLEDビジョンの性能維持に欠かせない最も基本的なメンテナンス作業です。

パネル表面に付着した汚れやホコリを除去することで視認性を保てるほか、内部のファンや通気口に溜まったホコリの除去によって放熱効率が改善され、機器の寿命延長にもつながります。

部品交換・修理

長期間使用しているLEDビジョンでは消耗部品の交換が必要になることがあります。

たとえば、ドット抜けなどの表示不良が発生した場合にはLEDモジュールの交換を行い、電源トラブルが見られる際は電源モジュールや端子・ケーブルなどを交換します。

さらに、屋外用の高輝度LEDビジョンでは冷却性能を維持するために冷却ファンの交換を行うなど、状態に応じた交換・修理対応が安定運用のポイントです。

ソフトウェア関連のメンテナンス

LEDビジョンはハード面だけでなく、ソフトウェアの管理も重要です。

機能改善や不具合修正はファームウェアの更新で解決できるケースが多く、つねに最新の状態に保っておくことが求められます。

さらに、日々の運用ログのデータを取得・分析することで異常の兆候を早期に発見し、トラブル予防につなげられる可能性も高まるでしょう。

LEDビジョンのメンテナンス頻度の目安

LEDビジョンの最適なメンテナンス周期は設置環境や稼働状況によって異なります。LEDビジョンのメンテナンス頻度の目安について状況別に分かりやすく解説します。

設置環境別の推奨頻度

屋外設置の場合は風雨や紫外線の影響を受けやすいため、3~6か月に1回の点検が推奨されます。半屋外では汚れや湿気の影響が比較的少ないため6か月に1回が目安です。屋内設置であれば劣化が緩やかなため、年1回程度の定期点検でも安定した運用が期待できるでしょう。

設置場所 点検頻度の目安 理由
屋外設置 3~6か月に1回程度 風雨や紫外線の影響を受けやすく、劣化が進みやすいため
半屋外 6か月に1回程度 屋外ほど過酷ではないが、汚れや湿気の影響を受けるため
屋内 年1回程度 環境が安定しており、比較的劣化が緩やかなため

稼働時間による違い

商業施設などで24時間稼働しているLEDビジョンは、本体内部に熱がこもり部品への負荷が大きいため、通常より短いスパンでの点検が必要です。たとえば屋内設置の場合でも、半年に1回程度の頻度で点検をしておくと安心です。

一方、イベント用途など一時的な利用の場合は、常時点検よりも使用前後の状態確認を重点的に行うことでトラブルの防止につながるでしょう。

LEDビジョンのメンテナンスにかかる費用相場

LEDビジョンのメンテナンスにかかる費用の目安と、金額が変動するポイントを解説します。

一般的な費用の目安

LEDビジョンのメンテナンスはスポットで清掃や点検を依頼することも可能ですが、多くの場合月単位や年単位で保守契約を結ぶケースが一般的です。

たとえば、1年間保守契約を結んだ場合は10〜30万円程度の費用を要し、LEDモジュールや電源モジュールなどの部品交換が必要になると別途部品代を支払います。LEDモジュールの交換にかかる費用は1枚あたり2〜10万円程度が相場となっています。

  • 保守契約費:10〜30万円程度/年
  • LEDモジュール交換費:2〜10万円程度/枚

メンテナンス費用が変わる主な要因

メンテナンス費用はさまざまな条件によって変動します。

最も影響が大きいのは画面サイズで、大型のビジョンほど物理的に多くの作業時間を要するほか、使用する部品点数も多いため修理コストが増加します。

また、高所にLEDビジョンが設置されている場合は、メンテナンス作業のための足場設置が必要となるため、その分の費用が上乗せされます。

修理や交換が必要となった場合、機種やメーカーによっても部品価格が異なるほか、保証の有無・内容によっても最終的な負担額は大きく変わります。

LEDビジョンのよくあるトラブルと対処法

LEDビジョンは使用環境や経年によってさまざまなトラブルが発生することがあります。特に発生しやすいトラブルと、その代表的な対処法について解説します。

画面の一部が映らない

画面の一部が映らない場合、LEDモジュールの故障や接続不良が原因であることが多く見られます。まずはケーブルやコネクターの緩み、断線がないかを確認した後、機器を再起動し正常に動作するかを確認しましょう。

それでも改善しない場合はLEDモジュールの故障が考えられるため、該当するモジュールの交換作業が必要となります。

色がおかしい・暗くなった

LEDビジョンに表示される色味が不自然になったり、全体的に暗く感じる場合は輝度設定の不具合やLEDの経年劣化が考えられます。

まずは本体の輝度や色バランスの設定が正常であるかを確認後、本体を再起動したうえで動作が改善するかを見てみましょう。

設定に異常が見られなければLEDモジュールの故障が考えられるため、こちらも同様に該当するモジュールの交換作業が必要です。

電源が入らない

LEDビジョンおよびコントローラーなどの電源が入らない場合は、電源ユニットの故障やブレーカー・配線などのトラブルが考えられます。

まずはブレーカーが落ちていないか、電力を供給する配線が正常に繋がっているかを確認しましょう。

ブレーカーや配線の接続に問題がないにもかかわらず、正常に動作しない場合には専門業者による点検や電源ユニットの交換が必要になります。

ノイズやチラつき

映像にノイズが入ったり、チラつきが発生する場合はLEDビジョンコントローラーの不具合や信号ケーブルの劣化が原因として考えられます。特にケーブルは物理的な負荷によって接触不良や劣化が起こりやすく、表示の安定性に大きく影響するため早めの交換が推奨されます。

また、ケーブルそのものに問題はなくても、LEDビジョンを制御するLEDコントローラーの本体や端子部分が劣化していると不具合の原因になるケースも。

ノイズやチラつきが見られた際には、どの部分に原因があるかを特定したうえで修理や部品交換を行う必要があります。

自社対応できるメンテナンスと業者依頼の線引き

LEDビジョンのメンテナンスには自社で対応できる簡単な作業もあれば、安全性を考慮し専門業者に任せるべき作業もあります。どういった基準で切り分けるべきなのでしょうか。

自社でできること

自社で対応できるメンテナンスは、比較的リスクが低く日常的に行える作業が中心です。

  • パネル表面の簡易清掃
  • 外観の目視点検(固定金具やボルトの緩み・サビがないか)
  • 映像の目視点検(色のバランスが正常か、ノイズ・チラつきがないか)

小型のLEDビジョンであれば日々のメンテナンスも容易です。パネルの表面に付着したホコリや汚れをこまめに取り除き、きれいな状態を保っておきましょう。

また、映像の色のバランスなど軽微な不具合であれば、設定の変更や再起動によって改善するケースもあるため、基本的な操作方法を把握しておくと安心です。

専門業者に任せるべきこと

専門的な知識や危険な作業がともなうメンテナンスは専門業者に依頼するのが安全です。

  • 高所作業
  • 大型LEDビジョンの清掃・点検
  • 部品交換
  • 電気系の修理

高所作業は危険をともなうため、事故防止の観点からも専門業者に任せるべきです。

また、専門知識がないまま部品交換や電気系の修理を行うと、誤った対応によって故障を拡大させる恐れもあり危険です。

LEDビジョンのメンテナンスで失敗しない保守業者の選び方

LEDビジョンのトラブルを最小限に抑えるためには、保守業者選びが非常に重要です。価格の安さだけで判断すると必要な対応が含まれていなかったり、緊急時に十分なサポートを受けられないことも。契約前に確認すべきポイントを押さえておきましょう。

信頼できる業者選びでチェックすべき項目

保守業者を選ぶ際に確認しておきたいポイントは、主に以下の5点が挙げられます。

  1. 対応可能な作業範囲(高所作業の可否など)
  2. 出張対応が可能なエリア・範囲
  3. 緊急時の対応スピード
  4. サポート体制(窓口・対応時間)
  5. 実績・口コミ など

LEDビジョンのメンテナンス作業は専門性が高いため、まずは信頼できる業者かどうかを見極めることが重要です。

高所作業なども含めたメンテナンスに対応できるかはもちろん、トラブル発生時の出張対応エリアやスピード感は運用の安定性に直結します。

これまでの実績や口コミも参考にしながら、総合的に信頼性の高い業者を選定することが大切です。

契約プランの比較ポイント

保守契約プランを比較する際に確認しておきたいポイントは、主に以下の5点です。

  1. 保守契約の条件(製品購入時に加入など)
  2. 保証期間・無償対応の範囲
  3. 点検の頻度・回数
  4. 出張費・追加費用の有無
  5. 24時間対応・リモートサポートの可否 など

多くの場合、LEDビジョンの保守契約は製品購入時に併せて加入するのが一般的です。

さらに契約プランは業者によっても内容が大きく異なるため、契約条件と対応範囲を細かく確認しておきましょう。

昨今では24時間対応やリモートサポートなどのサービスも充実しており、トラブル発生時の安心感は大きく変わります。自社の運用体制や稼働状況なども考慮しながら最適なプランを選びましょう。

LEDビジョンの安定運用のカギを握るメンテナンス

LEDビジョンは設置して終わりではなく、その後のメンテナンスを怠ると表示不良や故障のリスクが高まるばかりでなく、運用コストの増大にもつながります。

屋外・屋内、常時稼働・イベント用途など、それぞれの設置環境や稼働状況に応じて適切なメンテナンス頻度を設定しトラブルを未然に防ぎましょう。

わずかな異常や不具合の予兆が見られた段階で対応できれば、修理が安価で済みトータルコストの削減にもつながります。

ただし、LEDビジョンのメンテナンス作業は専門性が高いため、信頼できる保守業者を選ぶことが極めて重要。万が一不具合が発生した際の対応力や契約内容を十分に比較し、自社の運用環境に合ったパートナーを選定しましょう。

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