経理処理の集約化

RPAは事務職の単純作業の効率化に適しています。紙媒体のデータを電子化するAI-OCRと組み合わせることで、更に作業の効率化が望めます。実際に2つを組み合わせたA社の導入事例から、RPAの活用方法を紹介します。

経理処理の集約化とそれに伴う業務の簡略化

今回導入事例として紹介するA社は、海外150カ国以上のマーケットにおいて様々な製品を開発、販売しているグループの一角を担っています。グループ内におけるファイナンス業務を担当しており、グループ内の資金の統括が主要な業務です。具体的にはグループの別会社に資金を回したり、銀行などのグループ外の会社や株主から資金を募ったりしています。
A社は同時にグループ全体の業務改革にも携わってきました。グループ全体としては既に部門を跨いで運用可能な共通のシステムを導入していましたが、その運用もA社の業務の一環です。それに伴いグループ全体の経理業務もA社に集約される形となっています。世界各地に子会社や関連会社を持つグループでは、経費や勤怠の処理をそれぞれの会社で行うよりも1箇所に集約した方が全体の経費の節約になるためです。

経理作業ではデータの処理に多くの手間と時間が割かれます。世界各地に広がるグループ全体の勤怠や経費の伝票などを処理しなければいけませんので、共通システムの処理に掛ける前段階で、確認のために多くのマンパワーを必要とするのです。その膨大な作業は将来的に業務の圧迫、人材の不足を招く恐れがありました。

RPAとAI-OCRの併用による効率的なデータ処理の確立

効率的なデータ処理の確立

A社がRPAを導入を検討し始めたのが2019年、最初にグループ全体の勤怠管理と伝票まとめる業務をロボット化することを考えました。決まったフォーマットのデータに対して決まった処理を行うという行動はRPAの得意とするところで、マンパワーの削減に繋がります。1つ目の勤怠管理については、元々表計算ソフトによって勤怠処理が行われていましたためスムーズに移行することができました。
2つ目の伝票管理はRPA単体では難しい作業でした。世界中から送られてくる伝票は紙媒体で様々な形式があります。単一の形式にしか対応できないRPAでは処理しきれなくなります。そこでAIによって様々な紙媒体のデータを正確に電子化するAI-OCRと組み合わせることによって処理を可能にしたのです。

RPAとAI-OCRの組み合わせを導入するのは比較的早く決めることができました。同グループの別の部門では2016年からRPAを導入していたため、その導入事例を参考としてどのようなシステムを構築していけばよいか考えられたのです。
様々なRPAツールの中でもUiPathを使用することについても、その導入事例があったためスピーディーに決定しました。日本のマーケットに力を入れている点や同社の対応の速さが決め手でした。AI-OCRについても同様に前例を踏まえ、読み取り制度が高く、CSV形式で出力できるUiPath社のAI insideが選ばれました。

すべての処理をロボット化することに不安もあり、作業の一部に人によるチェックを導入している会社もあります。しかしA社ではRPAの導入に関してはやや遅れているという点を逆に活かし、先発会社の導入事例を踏まえて最初から人によるチェックを入れなくても確実に稼働するシステムを作りました。様式の異なる請求書の一定位置に管理会計コードを記入するなど工夫もしていますが、新たにUiPath社が発表したRPAとAI-OCRを連携するキットなども活用し、安定的な稼働を行っています。

作業時間の削減と単純作業による負担の軽減

RPA導入による効果

A社がRPAを導入してからまだ日が浅いにも関わらず、一部の業務においては目に見える効果が現れています。まずはっきりと数字に現れているのが勤怠管理に関わる作業時間の削減です。これまで勤怠表のデータ入力は、手作業で1日あたり1時間かかっていました。それがRPCによってロボット化することでゼロとなり、他の作業を行うことができるようになりました。
また、同時に得られた効果のひとつに単純作業からの開放が挙げられます。手作業で数字の入力をしていく行為は単純な作業の繰り返しとなります。難易度は低いもののケアレスミスは起こりやすく、ミスを犯さないように担当者の神経は張り詰めたものとなり、ストレスの要因となっていました。それがRPAの導入によって心理的負担が少なくなったという声が聞かれるようになったのです。

A社では今後、グループ全体の業務をこれまで以上に自社に集約していきたいと考えています。同時にA社の導入事例をもとに、グループ全体にRPAの活用を広げることで、単純作業の削減、ひいては生産性の拡大を目標にしています。

定型化した業務をRPAによって自動化したり外部に委託することで、それぞれの会社は本来の業務に集中することが可能となり、グループ全体の向上が期待できるでしょう。

【無料プレゼント】RPAを検討中の方はぜひ入手してください

【無料】UiPathについての資料請求・見積請求・お問い合わせ

製品比較の際にUiPathの詳細資料も一緒にいかがでしょうか