教育機関のRPA導入事例

従業員の働き方改革は現在、企業に求められる社会的責任の1つともなっています。大学生が就職する際に重視するポイントをみても、長時間労働の是正など、働き方改革は給与などの待遇面と並び重要視されています。これはなにも企業に限ったことではなく、大学などの教育機関でも同じことが言えます。

幅広いジャンルの学部や教育施設を抱えているA大学では、大学自体の社会的価値を高めるという観点から中長期的な大学経営の戦略を構築しています。大学としての体制を整えることで、既存の研究領域での研究力を向上させるだけではなく、新しい領域への挑戦も可能となります。
A大学がRPAよってどのように組織改革を進めていったのか、実際の導入事例見ていきましょう。

巨大組織の弊害。各部署が独立して業務を行っていることによる非効率さ

A大学ではこれまで学内の様々な部署、例えば学部や学科など100以上の事務所がそれぞれ独立して業務を進めていました。伝票処理などの事務作業もそれぞれで運用していたことから、中長期計画の立案に伴い、一元化させることで業務効率及び処理の正確さを向上させる動きを推し進めました。A大学が抱える課題として、分散していた事務処理をいかに正確かつ迅速に行うかなど、業務の効率を高めるかということがあったためです。

ただ、ここで1つ懸念としてあげられたのが、事務所ごとの処理をまとめたことにより、新たな組織を作る必要性が生じ、そのことによってかえって非効率になりはしないかというものでした。つまり、伝票処理業務の統一、一元化を図りつつも、業務処理の知見を積み重ねて正確、迅速に行うということです。そこで浮上したのが、RPAの導入でした。

既存のシステムとの親和性からUiPathを採用

既存システムとの親和

RPAを導入することを決めた後、次に課題となるのはどのツールを選定するかということでした。ひとくちにRPAといっても、さまざまな業者がツールを提供しています。導入事例においてはまずいくつかの判断基準を設け、それぞれを点数化し、その合計点が最も高いツールを採用するということにしました。

判断基準は、A大学が使っている既存のシステムをそのまま使えるかということや、開発がなるべく平易であること、メンテナンスの手間はどのくらいかかるかなど、計50項目にもおよびました。A大学の担当者など様々な人に対してヒアリングを重ね、検討を行った結果、最高得点を獲得したのがUiPathだったというわけです。また、ロボットが直接データベースに接続してデータを得られるなど、A大学が持つシステム環境とUiPathの親和性が高かったことが大きな決め手になったともいいます。

ロボットの得意分野における作業の効率化。それに伴う経費削減

伝票処理の業務効率化

導入事例のA大学では、実際の運用に際しては課題もありました。大学内にある100近い複数の事務所から伝票処理が求められるなど、処理件数が多かったことや、それぞれの伝票ごとに締め切りが違うなど、ロボットの性能をどう担保するかといった課題もあったといいます。当初は使い手による間違い、またロボットのエラーのどちらもみられたといいますが、日々のメンテナンスや使い手がマニュアルに習熟したことなどもあり、エラーは大きく減ることになります。

一方、すべての作業をロボットに請け負わせればいいかといえば、必ずしもそうとはいえません。人間がやるべき業務とロボットに任せた方が効率が良い業務の案配を模索している状況の中、実際にはこれまで人間が操作するスピードを想定してつくられていたウェブシステムを介してのデータ参照について、ロボットがウェブシステムを介すことなく、ダイレクトにデータベースにアクセスして参照することにより、処理速度が飛躍的に高まったことも業務の効率性を高めることにつながりました。また、そのことによって大幅な経費削減も図ることが出来たといいます。

最後に

まずはA大学における全学的な伝票処理においてRPAが導入され、その優位性は広く認知されることになりました。次にA大学が目指すのは、RPAを学内の他のどの業務に広げていくかということであり、どの業務にRPAを利用することが適しているかを検討している状況です。現時点で全学的に導入を進めていくという方針自体は決定しています。

当然、これまで人間が行っていた業務の一部をロボットが担うことにより、その分、人間がその時間をより専門性の高い業務などに振り向けることが出来、組織全体としての生産性は大きく向上します。また、どの分野に導入することが適しているかを検討することは、すなわち業務改革の必要性や業務そのものの重要性を再認識したり、見直したりすることにつながります。それこそが、実はむだな業務を削減したり、真に業務の効率性を向上させたり、ひとりひとりの生産性を向上させたりすることにもなります。それがA大学のさらなる発展、ひいてはこれからの時代を担う学生たちの学びの環境をよりよいものにすることにもつながっていくのです。

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