食品・飲料品ビジネスにおける業務改善

食品を取り扱う業者では、企業間競争が激化の一途を辿っています。ユーザーのニーズに寄り添うコストカットの実現には、労働生産性の向上が欠かせません。A社ではそうしたビジネスの見直しを図る際にRPAツールを導入しました。時間を取られる定型業務を削減することでコスト削減に成功した導入事例を見ていきましょう。

ノン・コア業務の複雑な管理と意思決定時間が課題に

“飲食料メーカーのA社での導入事例は、多くの部門、業務におけるRPAの活用です。A社では数多い商品を抱えつつ常に新しい商品の開発や製造、販売を行っています。一つの商品には、納期管理、出荷管理など多くのデータが関係しています。食料品のジャンルも幅広く、それらに対する大量のデータを入力し管理していく業務が必要です。

集計業務にかかる稼働

社内には開発や工場など様々な部署部門がありますが、それらを総括して製造などクリエイティブな仕事である「コア業務」と、毎日定期的に発生する事務処理である「ノン・コア業務」が存在しています。会社として運営を続けていくためにノン・コア業務も必要不可欠ですが、大量のデータの主役・集計などは大きな稼働時間となっており、それがA社の経営課題となっていました。

開発フローの構築

通常新商品の開発では、集計したデータを解析が必要です。コスト面はもちろん、ユーザーニーズや商品の売れ筋、季節性の売上といった情報も必要です。これらの情報を整えるのにかかる時間は膨大で、経営戦略としての商品開発まで影響を及ぼすことがあったのです。集計にかかる稼働時間がかかることにより、新商品の開発に時間がかかる、経営戦略の構築が遅延するという点も課題の一つに挙げられました。”

全社的な運用も見据えた、複数部門で利用できるツールの導入

管理のしやすさが魅力

経営課題を解決するためのツールとして着目されたのがRPAツールです。ノン・コア業務の中でより単純で時間がかかる作業をRPAを活用することで自動化し、業務の効率化を検討したためです。
A社ではまず、いくつかのRPAの製品を比較検討していきました。A社のノン・コア業務は多数の部門が関係していたため、一つの部門で最適であっても、他の部門では適していないこともあるためです。複数の部門で問題無く導入していくためにも、様々な業務に合わせることができるUiPath社の製品が候補に挙がりました。
UiPath社の製品には、あらかじめ様々な業務に対応できるよう多くの機能が備わっています。ユーザーが使いやすいように設計されており、業務を自動化するためのRPA開発にそれほど多くの時間がかからないようになっているのも魅力です。既存の機能を使用することで業務への利用が容易であるという判断から、最終的にUiPathを導入することに決定しました。

せっかくの自動化も、ロボットの監視や管理にまた多くの時間が取られては意味がありません。大量のデータを集めて集計する作業は、サーバー型の特性を生かして夜間作業に設定し、朝出社したらすぐにデータを取り出せるように利用することで、より効率的な活用を行っています。

必要となるロボットは部門によって異なるため、ロボット数の増加も大きな課題となります。ロボット数が増えることにより運用管理自体に時間がとられないよう、ロボットの管理は一元化して運用しているのもA社にとってなくてはならない機能です。

大幅なコストカットと、繁忙期の業務改善に

A社の自動化導入による年間削減時間は2万6千時間以上にもなり、大きなコスト削減を実現することができました。一つひとつの部門では少しの削減だったとしても、企業全体で見ると大変大きなコストとなります。例えば管理部門では、月初に定例的に行う仕事や月末の集計などの業務が大幅に削減されることは大きな業務改善となります。業務負担の多い月末月初に集中する業務の効率化が、導入のメリットとなりました。

稼働削減の方法を検討

導入が成功した一因には、導入前にどういった業務にRPAを導入するかを明確にルール決めしたことが挙げられます。既存のシステムを改修することで効率化を目指すのか、RPAを導入することで効率化させるのかは導入決定の意思決定に大きく関わった要素です。各部門において自動化が可能な業務を選定し、その中で本当にRPA化が必要であるのかを検討し、不要と考えられたものは対象外とすることでより効果的にRPAを導入することに成功したのです。

業務改善が行われたことにより、A社では創意工夫が求められる仕事や、商品開発といったより高度な仕事への比率を移行していくフェーズへ突入しています。

最後に

導入においては社内で優先順位を決定し、より低コストで効果が出やすいと考えられたものから導入を推し進めました。結果として効果を実感しやすい環境を構築できたことが、さらなる自動化を進めていくための動力源になっています。
部門ごとに人員に余力を残し、付加価値のある業務の担当とすることで、競争化された市場を生き残っていく戦略もRPAの導入があったから立てられたものと言えるでしょう。A社の導入事例を参考とすることで、新しい業務へのチャレンジにつながるかもしれません。

【お知らせ】UiPathの実践トレーニングがついにオープンしました

UiPathの概要とUiPath Studio / UiPath Robotに関する基本操作を学ぶことができる実践型のトレーニングがついにオープン。RPAの導入検討にあたりPoCを自社で進めたいとお考えのご担当者様や、UiPathの導入にあたり製品の理解や基本操作を習得したいご担当者様におすすめです。

【無料】UiPathについての資料請求・見積請求・お問い合わせ

製品比較の際にUiPathの詳細資料も一緒にいかがでしょうか