不動産業界のイメージを覆すシャープなIT脳をもつB社は、製販一体型ビジネスのシステム構築を目指しRPA活用に向けてアプリケーションを独自開発してきました。さらなる効率化にUiPathを導入することにより、成長戦略を加速させていきます。最先端へのチャレンジを続けるB社の導入事例をご紹介します。
自社開発力という基礎体力が素早い成功を生み出す
不動産業界での競争はますます激しく、どういった切り口で攻めて行くかが勝敗を分ける時代に入ってきました。B社が注目した点は「お客様ニーズ」というところでした。これをメインテーマに戸建て住宅のリーズナブルな価格提供に的を絞ると、土地の仕入れ、設計・施工管理・販売まで全てを一貫して自社グループ内で手がけることで可能になると結論づけました。B社の思い描く製販一体型ビジネスは、これまでの不動産業界の常識に変革をもたらす独自のビジネスモデルとなっていくのです。
顧客のニーズが、広くても遠い家より、やや狭くても都心の一戸建てが欲しいという要望を素早く突き止めた後もその解決策への取り組みも驚くほど迅速に決断し、行動するといったスピード感が功を奏しました。
クラウドネイティブからの自社開発アプリケーションによるシステムが基盤となって、製販一体型ビジネスに向けての動きは、新しい試みでありながら随分ハードルが下がっていました。徹底した自社開発にこだわってきたことがさらにプラスに働き、着実に社内のITレベル水準は高くなっていきました。
UiPathとタッグを組んでRPA自動化へコマを進める
8千棟もの戸建て住宅をあつかうB社では、その膨大な件数の物件情報を管理、格納しています。しかし、その膨大なデータは手作業入力によって作られたものでした。それを独自開発のRPAを組み合わせて自力で入力業務を自動化へと導きました。これは業務の合理性、効率性、そして時短といった問題をまとめて解決するシステムの実力を実感した瞬間となり、社内では大きく注目を浴びました。その他の業務でも抱えていた問題が改めて浮上するきっかけにもなり要望の声が多く上がりました。多くの要求に応えるには、よりスピーディーに、より効率良くPRAの自動化を開発、そして運用へと導く必要がありました。今後の需要とその先の未来を見据えて、プラットフォームとしてのUiPathの導入を決めることとしました。
B社がUiPathの導入に踏み切ったポイントは、「開発性の高さ」「優れた統合管理性」「クラウドサービス連携」の3つだと言います。開発チーム以外のスタッフにも開発ができること、全体的な運用状況をIT部門が一括で管理しRPAの中枢となることができること、パブリッククラウドとのAPI連携がスムーズであることなど、できるだけ容易なRPA自動化へスライドできることも考慮していました。
UiPathのクラウドサービスがパブリッククラウドと連携するメリット
パブリッククラウドであるG Suiteとは自社開発していた頃からすでに連携は進めていました。新しい物件情報がチャットを通じて関係者にタイムリーに案内されるというシステムです。これまでは物件情報の配信だけでなく、収集や登録も手作業でしていたため時間を要していましたが、UiPathの連携により自動化が可能になったことでよりスピーディーなワークフローシステムが構築されました。これはUiPath社提供のクラウドサービスがあったからこその実現となりました。また、このクラウドサービスはパブリッククラウドとの連携性がとても高く、UiPath Robotsやワークフローを統じて管理、自動実行・無人運用もスケジューリングすることで確実に行われます。G Suiteとの連携はチャットやメール、その他様々なサービスからUiPathへのアクセスが可能となっていること、UiPath Robotsからのアウトプットには様々なアクティビティの活用、G Suiteを利用しているワークフロー全てに適用できるといった広がりの大きさを見据えたB社は自社開発から取り組んできた先見の明の先にある導入事例となっています。
最後に
自社開発からUiPath導入も含めて34,000時間以上の工数の削減に成功したB社の導入事例でしたが、PythonによるRPA化は他にない、よりきめ細やかな対応が可能で複雑な業務要件に対しても大きな期待が寄せられます。現在は現場で起こっている問題をRPAを用いて解決へと導いていく段階です。それが落ち着いたら人、システム、RPAの役割を見直し整理、全体を見て最適化を図るフェーズへと移行していきます。そして最終目標としてはRPAが不可欠状態に存在する未知の価値創造を目指すというビジョンをRPAロードマップを作成することで明確にしています。
購入候補の土地情報を収集、将来的な地価や収益見込みなどの結果を検討、予測しながら意思決定するまでのプロセスを自動計算できるハイパーオートメーションの域にまで到達することも可能だと考えています。
また、それぞれの段階を踏んで進めていく計画も、スピーディーに、ここ数年で最終目標に到達する自信を見せ、導入事例を新たに塗り替えるのに時間はかからないのかもしれません。
不動産業でありながら積極的にIT技術の最先端に踏み込んで、最終的にはハイパーオートメーションを操る姿勢が崩れないのは、不屈のチャレンジ精神とそれに伴う実行力という最大の武器を持っているからでしょう。