働き方改革や人手不足による労働力低下を解決する手段として、RPAの導入が注目されています。RPAとは、オフィスのルール化された単純な業務を、ロボットが代わりに行ってくれる仕組みのことです。毎日繰り返される作業をRPAによって自動化することで、オフィスワークの効率化が図れます。また、単純業務をミスなくこなし、1人あたりの生産性を高めるメリットもあります。 UiPath Studio Xは、初心者でも簡単に使用できるRPAツールです。ここではUiPath Studio Xの製品情報や、基本操作の方法などを解説します。

UiPath Studio Xについて

RPAに関連したツールをいくつも提供しているUiPath社が、UiPath Studioの新バージョンとして2020年4月にUiPath Studio Xをリリースしました。UiPath Studioはプログラマーではなくても使うことができるツールでしたが、エラーが起きた時や、安定的に稼働させるためにはプログラミングの知識が求められ、全くの初心者には難易度が高いものでした。 UiPath Studio Xは、RPAがどのようなものかよくわかっていない初心者であっても操作できることを目指し開発されました。ExcelやWord、Outlookメールが使えれば問題ありません。プログラミングの知識などの開発スキルや変数、引数の知識が必要なく、ドラッグアンドドロップなどの簡単な操作でRPAが作れる、シンプルで分かりやすい製品です。 よく使われる基本的な機能だけに厳選し、その機能を使うユーザーの考えをあらかじめ先読みしたプログラムが組み込まれているので、自動化させるための作業が簡単です。専門知識のない一般ユーザーがつまづきそうなところを想定し、スムーズに操作できるような工夫がいたるところに見られます。

UiPath Studio Xでできること

UiPath社が目指す姿は「すべての人にロボットを」です。単純で反復性のある作業を自動化させてロボットに任せることで、人間は思考力を必要とするクリエイティブな業務や、コミュニケーション力が求められる業務に集中することができます。

また、今までなら業務を自動化したいと思っても、基本的な知識と技術を自分自身が備えていなければ、RPA開発者を探し、相談して実現させなければなりませんでした。そして、単純な作業といっても、自動化させるためにはどのシートのどの範囲を確認するのか、クリックするのかコピーするのかなど、細かく動作を設定していく必要があります。これらの作業を全てRPA開発者に依頼するとなると、出来上がったものを確認し、ミスや作業の伝え漏れなどがあれば修正依頼を出すというように、完成するまでに時間と手間を要します。

しかし、UiPath Studio Xを導入することで、誰でもRPA開発者になれるのです。ごく一般のユーザーであっても自分で使い勝手のよい自動化のワークフローを構築し、その場で確認したり調整したりできるようになるのです。

UiPath Studio Xの基本操作

UiPath Studio Xの基本操作を紹介します。
Macユーザーの方は、仮想環境の作成とWindowsのインストールを先に行っておきましょう。 インストールが完了したらスタート画面になるので、画面右側にある新規プロジェクトの「タスク オートメーション」を選択し、プロセス名をつけましょう。そうすると基本画面が開きます。

まず、左上のカードからどのアプリケーションでの作業が対象となるのかを選択し、真ん中の白い画面上にドラッグアンドドロップします。Microsoft officeのアプリケーションとは連携しているので、ExcelやOutlookなどを新しくカードを用意する必要はなく、あらかじめカードが用意されています。カードで選んだアプリに対して、よくRPAで使用される動きがアクションにて表示されます。その中から、ファイルを保存や読み込みなどUiPath Studio Xにさせたい動作を選び、再び真ん中の画面上にドラッグアンドドロップします。

基本的には、この操作を繰り返し、色々なアクションを組み合わせていくだけで、ワークフローを作成できます。もし、アクションの中で細かな調整が必要になったときは、画面右側のプロパティから設定を入れられます。また、作成したワークフローの動きを確認したいときは、画面上部にある実行ボタンを押してください。動きをテストすることが可能です。 従来の UiPath Studioは、Excelデータを書き写すときに、変数を理解していないと難しい工程がありました。しかしUiPath Studio Xではそういったことはなく、ツール内部で自動で変数化して入力してくれます。

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