「withコロナ」での新しいオフィス勤務の形を実現する、「ホテリングサービス」について解説

ニューノーマル(新しい生活様式)の時代がやってきました。

withコロナでは、オフィスの形も変わっていきます。ソーシャルディスタンスと清潔を保ち、感染症やその他の病気に警戒しながらも、ストレスなく働く形が求められ、それに応じて働き方もオフィスのありかたも、また会社の存在意義すら変わっていくのです。

そして、そんなニューノーマルの時代に「ホテリング」というサービスが注目を集めようとしています。今回は、ホテリングについてお伝えすると同時に、新しいオフィスのあり方について考察していきます。

ホテリングとは?

ホテリングとは?

ホテリングは、英語でHotellingと書きます。今から30年以上前にアメリカで誕生した、「使いたいときに個室を予約し、複数人が同時に同じ個室を使わないようにする仕組み」です。このホテリングの仕組みは古くから部屋や座席の予約をする際に使われていた仕組みだったわけですが、コロナ禍でオフィス削減の流れに乗って、再び注目を集めています。

withコロナ時代には、人と人は距離を保ちながら健康的に働くことが求められますので、必然的にオフィスに求められる空間は大きくなってしまいます。ただ、もはやリモートワークなしには知的生産は成り立ちませんので、週に4日、在宅で働いて、1日だけ会社にやってくるというスタイルの人も増えました。そうなると、オフィスの大きさは広くとっても従来の1/3~1/5程度で良いことになります。

さらに、オフィスに出勤するメンバーの顔ぶれも、毎回同じとはいかなくなります。なぜなら、少しでも体調不良が起きたメンバーは出勤させられず、代替のメンバーでヘルプしなければならないからです。よって、毎回人が変わるというのもwithコロナ時代には条件となります。

  • 人と人が距離を保つ
  • 不定期でオフィスに出勤
  • オフィスに出勤するメンバーは固定ではない

という条件でオフィス勤務の新しい形を考えるとき、「ホテリング」が最適だと考えられます。ホテリングとは限定された座席数の中、社員が自由に座席を確保できる仕組みであり、まさにこの新しいオフィス勤務にぴったりです。

ホテリングとフリーアドレスの違い

ホテリングは30年前にアメリカで生まれたとお伝えしましたが、「座席を自由にする」という点ではフリーアドレス制度と似ています。

フリーアドレス制度とは

フリーアドレス制度とは、ノートパソコンを持った社員が、無線LANや有線LANのジャックのあるデスクに座り、出社した順番や、外から帰社してきた順番など、とくに固定の座席に左右されず座り、仕事をする仕組みです。

フリーアドレス制度も、2000年代のインターネット専用線がオフィスに敷設された頃には、よくみられました。特に営業職や、顧客対応のあるシステムエンジニアといった、移動やオフィスの出入りが多い職種が集中する部署やオフィスに最適な形といえます。

フリーアドレス最大のメリットは、部門横断的なコミュニケーション機会の創出と創造性の発揮です。

毎日、違うメンバーの顔を見ながら働くことになるので、「いつものメンバー」という意識が薄れ、多種多様な仕事仲間とコミュニケーションを取ることが可能です。また、固定座席だとなかなか喋る機会がない、他部署の方とも話す機会が増えます。その中で、創造性が刺激されて、クリエイティブな仕事につながるのでは、という期待も込められています。

ホテリングとフリーアドレスの違いとは?

そして、ホテリングもフリーアドレスも、座席が自由で、違う人とコミュニケーションを取りながら、創造性を刺激していくものです。

一見すると、フリーアドレスとホテリングには共通点ばかりで、同じことを指しているのではないかと考える方もいらっしゃるかと思います。実は、フリーアドレスとホテリングには一点だけ大きな違いがあります。

それが、

フリーアドレス → 座席数 > 社員数

ホテリング   → 社員数 > 座席数

という不等式が成り立つということです。

フリーアドレスは 座席数が社員数より多い

フリーアドレスは座席数が社員数より多く、社員はやろうと思えばソーシャルディスタンスを保ちながらいろいろな座席に座れ、またチーム毎にグループを作って、会議未満の雑談を行い、仕事を進めていくことも可能です。

ホテリングは 座席数が社員数より少ない

一方、ホテリングは座席数が社員数より少なくなります。つまり、限られたスペースを最大限有効活用する工夫が求められます。また、ニューノーマル時代の、出社率100%を満たさないオフィス作りに最適な取り組みです。

ホテリングなら、オフィス勤務そのものが消極的な時代に、(偶然にも)最適化されており、オフィスの床面積も少なくて済むため、経営にはメリットがたくさんあります。コロナ禍で都心のオフィスビルは撤退が相次ぐものの、家賃が下がっているわけではありません。

コロナで利益を圧迫される状況の中、少しでもコスト削減のために家賃を削るという大胆な選択は、多くの企業にとってメリットがかなり多くあります。そこでフリーアドレスでは制限のあるオフィス環境での最適な座席の割り振りができなかったものが、ホテリングではもともと限られた座席数を社員同士で分かち合うノウハウが確立されているため、オフィス賃料の削減を強く後押ししてくれます。

ホテリングの特徴/機能とは?

ホテリングサービスは、特徴として社員が自主的に座席を選択できるというところにあります。従来の固定アドレスでは、課長が窓側を背に座り、目の届く範囲に「島」を作って係長から上座下座と順番に座り、派遣スタッフやパートの方が一番端に座る、という序列関係になっていました。

こうした序列式の座席組みは、年功序列型で出世していくタイプの日本型雇用と非常に相性がよいものでしたので、現在もっとも多くオフィスで採用されている固定座席方式ではないでしょうか。

もちろん、固定座席にはメリットがたくさんあり、決して古いわけでもなく、合理性があるから採用され続けています。課長が係長に座ったまま声をかけたり、課長が社外へ出る際に順番に様子をみながら外出できたりと、合理性が高いのです。

一方、自由座席では固定座席そのものが存在しませんので、基本的に出社した順番に席を取っていくこととなります。部長・課長・係長・係員・派遣スタッフを問わず、自由に座席へ座れるので、

「今日は会議があるから課長を中心に座る」

「今日は営業報告があるから、営業職を囲むように座る」

「新人の発表があるから、課長に一番近い席に新人とメンターが座る」

など、かなり柔軟に、その日の業務に応じた形で座席組みが可能となるのです。

ホテリングを導入するメリット

さらに、ホテリング導入にはいくつかのメリットが存在します。

コロナなどの感染症対策に効果的

コロナ禍においてオフィス勤務で一番懸念されるのは、社員間の感染が広がることではないでしょうか。

ホテリングによって、会社に出社する人数がかなり限定的になるため、密な環境を避けることができます。また、座席も指定できるため、他のスタッフ間隔をあけて作業するなど、オフィス内でソーシャルディスタンスを確保する事が可能です。

万が一、スタッフで感染者が出たとしても、誰が・どの時間帯に・どの席を利用していたのかが把握できるため、感染の蔓延を食い止めることができます。

新しいコミュニケーションの推進

さらに、先ほどもご紹介しましたが、座席が変わって近くの席にいろんな人が座るため、普段話す機会がなかった社員の人達とのコミュニケーションが推進されるようになります。常にフレッシュな気分で働けるので、創造性を高めることが可能になるでしょう。

オフィス床面積と家賃の削減

経営側の事情として、オフィス賃料も削減できます。ホテリングでは従業員よりも席の数のほうが少ないので、必然的にスペースも狭くなります。床面積が減少した結果、思い切ってホテリングを導入すれば、よりスペースを効率化したオフィスへの移設も不可能ではないのです。

現在、ホテリングを導入したいと考える企業としては、オフィス賃料を節約したいというものではないでしょうか。「オフィスの賃料を少しでも節約したい、しかしオフィスを狭くすることでデメリットがないか心配。デメリットが多ければ、働く環境が悪くなり、結果として生産性が下がる。」という心配があるものと考えられます。

このような課題に対してホテリングを利用すれば、予め社員が座席の予約ができますし、利用状況も可視化されますので、社員同士の利用時間と場所の重複を防ぐことができます。全員がオフィスに出社時と比べて限られたスペースの中で働いていく、オフィスのスリム化の実現が可能になります。

ホテリングはどんな企業におすすめできる?

コロナ禍でのホテリングが活躍する理由

では、ホテリングはどのような企業におすすめできるのでしょうか?企業によって、業種や抱えている職種のバランスなども異なりますので、参考にしてみてください。

ひとり1台のノートパソコンが普及している会社

まずノートパソコンの普及が、社員ひとりあたり1台を実現できている会社です。オフィスの席がコロコロ変わりますので、デスクトップ環境ではホテリングは実現しづらいのが現状です。

セキュリティ意識の高い会社

ノートパソコンは持ち運ぶと紛失盗難のリスクがありますが、セキュリティ意識が高く、教育が行き届いている組織であれば、万が一の際には、遠隔からノートパソコンの利用をロックするなどの方法で対処することができます。

昨今、データ漏洩が起きれば、自社のデータだけでなく顧客データも危機にさらされます。そうなると万が一の際のダメージは甚大で、お客様に多大なる迷惑をかけてしまうのです。それをセキュリティで予防しつつ、ホテリングを実現する必要があります。

クラウドサービスの導入が進んでいる会社

さらに、クラウドサービスの導入が進んでいる会社もホテリングに向いています。クラウドサービスは、在宅と出社を問わず、また場所もデバイスも問わずに大勢で仕事のアウトプットを共有できます。インストールするタイプのアプリだと、仕事はできても共有ができないので、クラウドで共有を同時に進めていく必要があります。

在宅勤務のスタッフが多い会社

また、スタッフも在宅の人が多い場合、出社する限られたメンバーの座席を配置するのにホテリングは有用です。在宅と出社と、スタッフが混在している場合に、ホテリングサービスは真価を発揮します。

在宅勤務の社員は、コロナ禍で非常に増えています。従来はなかなかコミュニケーションや生産性の問題、そして「ちゃんと在宅で仕事をしているのか、見えない」というマネジメントの問題でリモートワークが普及しませんでした。ですが、度重なる緊急事態宣言により、在宅で働ける人は働くように環境が変化してきましたので、ホテリングを導入するにはベストなタイミングではないでしょうか。

最後に

ホテリングとは、ホテリングとフリーアドレスとの違い、ホテリングの特徴、ホテリングのメリット、ホテリングが向いている会社といった情報を中心にお届けしました。ホテリングを導入することで、マイナス面はないだろうかと懸念されるかもしれませんが、実はメリットの方が上回っているのです。

座席を固定化しないだけで、多くのメリットが発生します。最初は慣れないかもしれませんが、慣れてくるとその生産性の高さや緊張感の高さに、驚かれることでしょう。ホテリングの導入を検討されているなら、デメリットも慎重に勘案しつつ、ぜひメリットの方に目を向けてみてください。withコロナ時代の新しい働き方のヒントが多く隠されています。

株式会社Where HPはこちら:  https://where123.jp/