業務改善を検討しているものの、何から始めるべきかわからず悩んでいる方は多いのではないでしょうか。業務改善を効率的に行いたい場合は、フレームワークの活用がおすすめです。今回は、業務改善に使えるフレームワークを6つ紹介すると共に、フレームワークを活用する目的や活用方法を解説します。

業務改善とは、業務内容における課題を発見・解決し、業務効率化や生産性向上などを実現することです。業務効率が悪い、生産性が低い場合、コストに対して利益が少なくなり、企業の存続に多大な影響を及ぼす恐れがあります。それでは、業務改善の目的について詳しく見ていきましょう。

業務効率化

業務改善の目的の1つに「業務効率化」が挙げられます。業務効率が良い状態とは、業務にかかる一般的な認識における所要時間よりも短時間で、より多くの業務を遂行できている状態です。反対に、業務効率が悪い状態とは、業務内容からしてそこまで時間をかけなくて済むのに、多大な時間をかけている状態を指します。例えば、複数人による承認が必要な場合に、各部署を歩いて回って押印してもらう作業は、効率が悪いと言えるでしょう。

この場合、承認が必要な人を減らす、インターネットを介して瞬時に共有する、ワンタップで承認できるようにすることで、業務効率が向上します。

生産性の向上

生産性とは、業務遂行にかかった時間・コストに対して生み出した利益のことです。時間・コストに対して利益が少ない状況が続くと、企業の存続にも関わる恐れがあります。反対に、時間・コストに対して生み出す利益が大きい場合、少人数の従業員でも経営が成り立ちます。

労働環境の改善

労働環境の改善とは、働きやすさ、モチベーションアップ・維持のしやすさなどに着目し、従業員の能力を引き出したり心身の健康を維持したりできる環境へ改善することです。例えば、従業員1人あたりの業務量が多すぎると、1つの業務の質の低下や心身の不調などに繋がる恐れがあります。

業務改善によって、従業員に大きな負担がかかっている箇所を発見・解決できれば、従業員のパフォーマンスの発揮やモチベーションアップ・維持に繋がります。

コスト削減

業務改善におけるコスト削減は、単に商品の原材料や開発費を抑えるものではありません。無駄なコストを削減しつつ、「工夫」によって少ないコストでより良い製品・サービスを開発することです。低コストでより多くの優れた製品・サービスを提供できるようになれば、企業の安定性が向上します。

業務改善にフレームワークを活用する目的

業務改善にフレームワークを活用する目的

フレームワークとは、日本語で「枠組み」のことを指します。また、ビジネスにおいては「課題解決に活用できる思考の型(テンプレート)」という意味で使われています。つまり、業務改善におけるフレームワークとは、「業務改善を効率的に推進するために使用する型」のことです。

フレームワークを使用しなくても業務改善は推進できますが、次のような問題が起きるリスクが高いでしょう。

  • 業務改善の進め方に統一性がない

  • 業務改善の先にある目的を意識できない

  • 業務改善を進める方法を理解できない

業務改善のフレームワークを従業員に共有することで、共通認識を持って業務改善を推進できるようになります。

業務改善に利用できるフレームワークの種類

業務改善に利用できるフレームワークの種類

業務改善に利用できるフレームワークには、次のような種類があります。

BPMN

BPMN(Business Process Model and Notationの略称)は、日本語で「ビジネスプロセスモデリング表記法」といいます。業務プロセスをモデル化するフローチャート手法です。自分の業務遂行の流れを可視化することで、改善点が見えてきます。例えば、コールセンターの問い合わせ窓口業務の場合、問い合わせ→分岐1:回答、分岐2:関連部署へ確認→再度の問い合わせ→さらに別の部署への確認→解決といったフローチャートを作成します。

このとき、関連部署へ確認する際に何らかの作業が発生する場合、業務効率が低下し、顧客へのレスポンスも悪くなるでしょう。その作業を効率化すべきことがわかれば、業務改善の方針が固まります。

ECRS(イクルス)

ECRS(イクルス)とは、「排除(Eliminate)」「結合(Combine)」「再配置(Rearrange)」「単純化(Simplify)」の視点に基づいて業務改善するためのフレームワークです。

「排除(Eliminate)」は、現状の作業を省略・中止ができるかどうかを考えます。例えば、複数人の承認が必要な業務において、承認を得る人を減らしたり、そもそも承認不要としたりする方法があります。

「結合(Combine)」は、複数の作業を1つにまとめられないかを検討することです。1人で行えるはずの作業を複数人で分担すると、コミュニケーションコストや管理コストが増加します。それだけミスのリスクも高まるため、可能な限り作業を1つにまとめた方がよいでしょう。

「再配置(Rearrange)」は、業務の工程の入れ替え、担当者変更などのことです。例えば、Aの作業の後に、Bの作業よりも先にCの作業を行う方が諸手続や確認の回数を減らせる場合があります。また、適材適所に人員を配置することで、業務効率や生産性が向上します。また、精神的な負担も減り、労働環境の改善にも繋がるでしょう。

「単純化(Simplify)」は、業務を単純化するために進め方を工夫できないか、ツールの使用で効率化できないかなどを考えることです。近年では、多様なジャンルにおいて業務効率化ツールが登場しています。導入コストや使い方の浸透などの問題をクリアできれば、業務改善が大きく進むでしょう。

バリューチェーン分析

バリューチューン分析とは、事業活動ごとに分析し、高い付加価値を生み出している事業や問題点を確認するためのフレームワークです。高い付加価値を生み出している事業の強化や、付加価値をあまり生み出していない事業内容の見直しなどを行います。付加価値をあまり生み出していない事業に投入する資金を抑え、高い付加価値を生み出している事業により多くの資金を投入することで、効率的に利益を増やせるでしょう。

PDCAサイクル

PDCAサイクルとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」、「Check(評価)」、「Action(改善)」を繰り返す業務改善のフレームワークです。

「Plan(計画)」では、業務遂行の計画を立案します。このとき、計画を立てる必要性、なぜその計画を立てれば良い結果になると思ったのかなどを考えることが重要です。そして、「Do(実行)」で計画を実行に移します。計画通りに遂行するには、計画の内容を理解し、目標達成に必要な行動を取る必要があります。

実行の後は、結果を評価しなければなりません。「Check(評価)」では、計画通りに実行できたか、実行できなかったのであればなぜ実行できなかったのか、何かトラブルはなかったかなどを確認します。

「Action(改善)」では、「Check(評価)」の結果に基づいた改善策を立案・実行します。要因分析が不十分だと、PDCAサイクルのメリットを感じることができません。この4つの方法を繰り返すことで、より良い業務改善を実現できるでしょう。

象限マトリクス

象限マトリクスとは、軸を設定して事象をマッピングし、業務遂行の重要度や製品・サービスの評価などを行うためのフレームワークです。縦軸と横軸を設定し、左上・右上・左下・右下に事象を記入します。上下左右には、正反対の要素を入れ、事象がどの位置にあるのかを整理します。例えば、縦軸は売上が「多い・少ない」、横軸は業務コストが「高い・低い」と入れ、業務を記入していきます。

業務改善に必要な分析において、現状を把握する際に役立つフレームワークです。

ロジックツリー

ロジックツリーは、木の形の図の上で論理を展開し、問題の原因と解決方法を整理するフレームワークです。例えば、製品の売上が前年度の売上を下回った場合、その要因を複数個挙げます。そして、それぞれの要因を引き起こした要因を記入し、根本的な問題を整理するのです。

例えば、製品の売上が低下した要因が「知名度で負けている」の場合、「宣伝不足」「宣伝方法を間違えている」などが挙げられます。また、「料金が高い」が要因の場合は、「競合他社が低価格製品を開発した」「原材料の仕入れ先が値上げした」などが挙げられるでしょう。このように、細分化して要因を分析することで、業務改善のために行うべきことが見えてきます。

フレームワークを社内に浸透させることが重要

経営層や管理職だけがフレームワークを知っていても、効率的に業務改善は行えません。全従業員にフレームワークを浸透させ、各々が目的意識を持って業務改善に臨むことが大切です。フレームワークのテンプレートを用いて、誰でも簡単に業務改善の計画を立てることができるツールも数多く登場しています。導入コストや使いやすさなどをチェックして、自社に合ったツールを導入してみてください。

まとめ

業務改善のフレームワークに当てはめることで、業務改善の目標を達成するために行うべきことが見えてきます。業務改善の計画・実行・評価・改善のスピードを上げれば、短期間で大きな改善効果を得られるでしょう。今回、ご紹介したフレームワークを組み合わせて、効率的かつ効果的な業務改善を目指してみてください。

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