DXとは、いわゆる5G、IoT、クラウド、SNS、ビッグデータといったハイテク技術を用いて、業務をより効率的に、生産性高く、ストレスなしにスマートに進めるものです。

よって、DX化された現場は嫌でも働き方改革と直面することになります。生産性の向上は、日本全体の課題です。今回はDXと働き方改革の関係をみていきます。

生産性を向上する社内文書検索エンジン

DXによる改革は社内にも至ります。

たとえば、エンタープライズサーチと呼ばれる社内文書検索エンジン。社内文書の検索ツールです。検索と言えば、GoogleやYahoo!を思い浮かべるかもしれません。もちろん、Googleも検索エンジンではありますが、インターネット上の検索エンジンです。

基本的に、Googleはハイパーリンクと呼ばれる仕組みをうまく使っています。ハイパーリンクとは、ホームページとホームページの橋渡しをする機能で、ハイパーリンクによって、様々なホームページを行ったり来たりする事ができます。さらに、このハイパーリンクは、インターネット史上最大の「発明」といわれており、このハイパーリンクを使って、検索エンジンはサイトのできを判断しています。つまり、良いサイトが参照するサイトは良いサイトだ、という判断です。

一方、エンタープライズサーチは、社内文書の語句で判断します。検索エンジンという名前はGoogleと同じですが、社内文書の間にハイパーリンクがあるわけではないので、文書の中で使われている単語を重視して、解析します。さらには、単語の意味を理解しており、関連性の強いワードで検索結果に表示することができます。つまり、何か過去に社内であった展示会の情報を調べるとして「●● 展示会」というワードの関連文書だけでなく、「●● フェア」「●● 結果」「●● 顧客の反響」というワードでも、自動的に検索候補として表示され、何度も検索する手間が省けるのです。これがAIの凄さです。

機械学習によって、どんどんAIは賢くなり、関連のワードを覚えてしまいます。よって、エンタープライズサーチは社内文書を探す時間を大幅にカットしてくれるのです。調査によると、社員は月に数十時間を社内文書の検索に使っているため、それが一瞬で解決すると言うことは、劇的な業務の効率化となります。

チャットツールも効率化の友

DXといえば、働き方改革で欠かせないのがチャットツールではないでしょうか。従来からテキストチャットは存在しましたが、より便利になっています。国産ビジネスチャットツールの雄チャットワークは上場も果たしましたし、より安全になりながら進化を遂げています。

意外と有用なのがスタンプです。このスタンプは、既読を伝えるためにも使えますし、ちょっとしたビジネス上の感情表現を通じて、コミュニケーションを円滑にしてくれます。ビジネスにおいて感情はとても大切ですので、このようなツールを使いオンラインでは見えづらい感情を可視化することができます。また、ちょっとした社員の息抜きとしても使えます。そのツールとしてスタンプはとても有用なのです。

また、添付ファイル機能もついており、ファイルのバックアップとしても使えます。ただ、クラウドが登場したからこそのチャットツールですので、本格的にバックアップとして使うのことはできません。大抵の場合、ユーザーごとに容量制限がありますので、本当にファイルをバックアップしたいのであれば、クラウドサーバーを別に用意すべきでしょう。

クラウドという話がでましたが、このチャットツールもクラウドの進化のたまものです。10年ほど前まではまだまだインターネット回線が脆弱だったため、チャットツールはサーバーを用意せねばならず、運営者に大きな負担がかりました。それが利用料に転嫁されたり、無料であっても広告がペタペタ過剰に貼られていたりと、あまりよい方向には進んでいなかったのは事実です。しかし、クラウドの時代になって、サーバーの準備は不用になりました。こうした技術的な進歩も、DXの特徴で、DXそのものが進化し続けているのです。

資生堂はWeb会議に自動メイクアップ機能を

資生堂は、DX化の一環として、Web会議アプリに自動メイクアップ機能のアドオンを付与しました。これは在宅ワークが増えるに従って、オンライン会議のためだけに化粧をするのが手間だと感じている方が数多くいること・パソコンだと肌が綺麗に映りづらいなどの問題点から編み出されたものです。

在宅ワークをできる限り快適に対応して欲しいという願いから、自動メイクアップ機能を利用し、ノーメイクでWeb会議にアクセスしても、すっぴんの顔をさらすことなく、綺麗にメイク補正してくれます。

もちろん、今やメイクをすることは必須ではない時代ですが、資生堂という美容に関する商品を取り扱う職場では、特に重宝される機能ではないでしょうか。Web会議という働き方改革を促進してくれるツールに対して、上手に利便性を組み込んだ事例です。

RPAはまずエクセルから

そして、欠かせない働き方改革のテーマとして、RPAがあります。これはRobotics Process Automationの略で、自動化ツールです。業務を自動化し、さまざまな日々の細々した作業をすべてコンピュータに任せて、人間はもっともっと生産性の高い仕事に従事する形です。

RPAの一環として、エクセルがあります。厳密にはRPAとエクセルは似て非なるものですが、エクセルはマスターすると業務の効率化が著しく、スピードも上がりますし。エクセルは計算式を入力するので少し頭を使いますが、色んな場面で使うことが多々ありますので、多少難しくとも学ぶべき価値があります。

RPAやエクセルの活用によって、日頃行っていた複雑な繰り返し入力や、反復作業、人が本来やるべきではないデータ入力などから、一気に解放されます。その開放感こそ働き方改革の醍醐味ですし、時間に余裕ができますので、より生産性が高まります。

最後に

DXと働き方改革は切っても切り離せないものです。そもそも、DXはデジタルによる変革なので、組織的な働き方の改革と相性がいいのです。さらに、デジタルツールが進化し、予算も低廉になりつつあります。以前であれば専用サーバーを導入して高額の費用を払い続けたサービスが、今はクラウド化され、SaaSサービスとして安価に利用でき、また気軽に申し込み・解約もできるようになりました。

よって、DX化はますます進みます。ただ単に残業をカットするとか、会社を休んでもらって有給にするとか、そういった目に見える施策だけでなく、リモートワークが当たり前になって、残業代という概念が消え、すべてが成果給になるなど、抜本的な改革が必要です。

そうした日本社会の大きな停滞要因だった職務給や職能給の問題、そして長時間労働と残業代稼ぎのための無駄な仕事がDXによって改革され、高い生産性の元、新しいイノベーションが生まれ社会が進化していくのが、DXと働き方改革の本当の目的だといえます。

単にITによる効率化というだけではなく、根本から働き方を変えてくれるものなのです。