DXは在宅ワークの世界にも大きな変革をもたらそうとしています。
特に、新型コロナウィルス感染症が大きな問題となった2020年は、緊急事態宣言で全国的に外出が自粛となりました。しかし、その渦中でも経済を止めるわけにはいかず、よって在宅ワークが急速に普及する形となりました。今回は、急激に進んだ働き方のDX化により、どのような変化が応じたのかを説明いたします。
増える在宅ワーク
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在宅ワークに従事する人の数はいま、圧倒的に増えています。理由はいうまでもなくソーシャルディスタンスを取る“新しい生活様式(ニューノーマル)“が関係しており、ニューノーマルは人と人の距離を取らなければならないので、一気にWeb会議と在宅ワークやクラウド型のSaaSなど、オンライン化が半ば強制的に進んだ形となりました。
そして、オンライン化に呼応するように、フリーランスの数も増えています。
クラウドソーシングプラットフォーム「ランサーズ」の調査によると、2020年4月の時点で登録者数は前年比158%増。注目すべきは、企業からのお問い合わせも176%増加してる点です。
参考:
https://www.lancers.co.jp/news/pr/19208/
つまり、仕事を受ける側も、発注する側も、ともにオンライン化に舵を切っていることが読み取れます。
ビジネスチャットの使いやすさ
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では、DXと在宅ワークがどう関連しているのでしょうか。
たとえば、ビジネスチャット。
これまで、会議といえばオフラインで皆が集合して、新人が議事録を書いて…という形式がスタンダードでしたが、コロナ禍でビジネスチャットが当たり前になり、会議をしなくても社員と密なコミュニケーションが取れる仕組みが出来上がりました。
ただ、チャットだけではコミュニケーションが完璧にできるわけではないので、適宜Web会議を組み合わせるのが理想的ですが、簡単な進捗報告や定例会議であれば、ビジネスチャットで十分用をなします。
この代替性と変革が、DXの大きな特徴であり、ビジネスチャットの発展もDX化の一環として考えられます。スマートフォンが登場したことで、ビジネスチャットの進化が一層早まりました。
使いやすくなる在宅ワークプラットフォーム
さらに、在宅ワークプラットフォームも、進化しています。在宅ワークで多く使われているのは、「ランサーズ」「クラウドワークス」などですが、いずれも上場しています。そして設計陣に一流エンジニアを迎え、UXを工夫してかなり使いやすくなっています。
仕事のプロジェクトが複数に渡るときのために、一覧が横で見えるなど、グループウェアに似た動きをするようになり、ユーザビリティが向上しているのです。在宅ワークのプラットフォームは、生産性向上の最先端の現場ですから、その動きはDX的にも注目です。
Web会議も変化し続ける
さらに、DX化で発展したのがWeb会議システムです。Web会議は効率化の要といっても過言ではないでしょう。それまで会議にまつわる交通費の問題、移動にかかる時間の問題、準備にかかる人件費の問題が従来型の会議にはありました。しかし、Web会議が自然にビジネスシーンへと入り込むに従って、そうした諸問題が消失しつつあります。
とにかく非効率で、時間を取られ、無駄に思えた会議が、Web会議によって効率と時間短縮の塊になります。そのメリットは計り知れません。
Web会議の最大の特徴は、民主的な組織作りが可能になる点です。多くのWeb会議システムは、「上座」「下座」の概念がありません。海外製のツールがほとんどだからです。よって、基本的にWeb会議の流れを支配するのは、発言が積極的な人になります。つまり、従来の集合会議でよくあった、会議中に腕組みしてわかってるフリをするだけの人には、本当に居場所がなくなります。「やってる感じ」「わかってる感じ」が通用しなくなるのです。
若手・ベテラン関係なく、発言する人にフォーカスするする。それがWeb会議の大きな特徴です。この仕組みは、フラットな組織を作ってくれます。
よって、会社員にとっても、在宅ワークは組織と無縁と言うよりは、フラット型のコミュニケーションに移行するための大きなフックとなってくれます。
これからの在宅ワーク
DX化に伴って、在宅ワークの環境が著しく整備されつつあります。クラウドの容量は増えていくでしょうし、5Gの実現もありますから、SaaS系企業はますます発展するはずです。よって、さまざまなサービスが勃興し、これからの在宅ワークは、より快適に、効率化されていくことでしょう。
また、DX化する在宅ワークに呼応するかのように、決済系のサービスも増えていくと考えられます。個人間の資金の受け渡しをより安全に、確実に、受注者と発注者のどちらにもデメリットがないようにスムーズなシステムが求められます。現状、ランサーズやクラウドワークスといった上述のプラットフォームは、決済部分の手数料が代金の20%と、安くありません。よって、プラットフォームを抜きにする「直契約」が横行するわけですが、そうなると今度はトラブルが爆発的に増えるので、顔が見えない在宅ワーカーにとっては、かなりストレスがかかります。よって、安価で安心できる決済系・代金受け渡し系のサービスの登場も待たれるところです。