【DX/プロセス改善】自社で内製化する場合のメリット・デメリット

【デメリット1】業務改善をかじっているだけでは推進役にはなれない

業務改善について興味が高く、書籍なども多々読まれている方、社内にも何名かはいるのではないでしょうか。一見それらしい意見をするので、どうしても「プロジェクトの主要メンバーに!」と期待が高まるところですね。

しかし、経験という意味では、学問的な知識を身に着けているだけで実戦経験がなかったり、自身の管轄するチームレベルの改善活動をやったことがあります、といったレベルですと、個別最適は行うことができるかもしれませんが、DX/プロセス改善のような「全体最適」の推進までは難しいでしょう。

会社全体や複数の部にかかるDX/プロセス改善プロジェクトでは、これまでの自分のチームのように全体を把握できていて、その都度的確な判断が一発できるようなものでは無いので、内製化の場合はこのような勘違いが起きやすいのがデメリットの1つです。

【デメリット2】プロジェクト上のぶつかり合いから人間関係にもヒビが

複数の部をまたがる改善施策の案出しは、各部からも要望や意見(反対も含む)が出てくるため、「全体最適」を考慮した説得を含む調整ごとや、意見が別れた時の正確な判断が極めて重要になります。

この調整ごとというのが内製化した場合とても厄介で、全体最適の観点から時にはある部署に折れてもらう必要がある場面でも、その部の関係者からは「うちの部のことも良く分かってないのに判断するな」という抵抗を受けることが多々あるのです。

コンサルタントなどの外注した場合は、様々な企業の経験やノウハウから「他社ではこのようにしています」「他社ではこれでうまくいきました!」と根拠を持って発言できるため説得も比較的容易です。

しかし内製化の場合、社内でもよく知る内部の人間であるがゆえに、「各部の業務を良く分かっていないことも、よく知られている」訳で、この点が内製化の難関の1つになります。

【デメリット3】プロジェクトメンバーの兼務と過重労働

DX/プロセス改善のような多くの部署が関係するテーマにおいては、通常の業務をこなしつつプロジェクトも進めなかればならない「兼務」となりがちです。プロジェクトメンバーの選定では、業務に詳しい人がアサインされるケースも多いでしょう。

このような現場のエース級のメンバーは、通常の業務においてもその人しかできない属人的な業務を抱えていることも多いのも良くある話です。

真剣にDX/プロセス改善プロジェクトに取り組もうとした際には、時に過重労働になってしまうデメリットも考慮して、対策を練りながら推進する必要があります。

【デメリット4】戦力にならないメンバーがアサインされた時に苦労する

上記の優秀なメンバーが参画するケースとは真逆で、あまり業務全体を知らない若手社員であったり、通常の業務でもあまり戦力にならない余剰メンバーがアサインされることがあります。

各部の責任者としては、特に利益を生むプロフィット部隊は顕著で、通常の業務を最優先させるためにエース級の方はアサインさせない/多忙のためすでにアサインできない状態であり、若手や余剰メンバーをアサインする判断を取られるケースも意外に多いものです。

この場合、自部門の業務全体を知らないため、DX/プロセス改善プロジェクトの会議に参加してもチンプンカンプン。「一旦、持ち帰って部のメンバーに確認します」という確認作業の繰り返しとなり、メッセンジャーボーイと化してしまうでしょう。

また逆に部の様々な意見をまとめることができず、何か部の意見をプロジェクトメンバーに伝える時に、部の創意という形ではなく、このような/多種多様な意見が出ていますと、意見や要望をまとめることが難しい発表になることもしばしば。

結果として、DX/プロセス改善プロジェクトが遅延する原因となるだけでなく、プロジェクトメンバーはこれらの取りまとめや情報の整理に振り回されることになります。

【デメリット5】やり直しが効かないプロジェクト

DX/プロセス改善プロジェクトでは、最終的にかなり広範囲に渡って活動することになり、予算的にも高額になりがちです。
「失敗してもまたやり直せるさ」という寛大な判断をされる経営者もいるかもしれませんが、一般的には数年、時には十数年に一度の特別予算を組んで行われるプロジェクトで、そう何度もチャレンジはできません。

そして、もっと重要な問題が1つあります。それはプロジェクトメンバーおよび現場関係者の心理的な問題です。

全社で一体となって取り組むプロジェクトであると聞き、通常の業務を差し置いて、現場ヒアリングに立ち会ったり、時には業務フローチャートや問題や課題の取りまとめに協力してくれる方も多いと思います。

日々忙しい中、せっかく時間を作って協力したのに「プロジェクトが失敗したのでやり直します」という話を聞いた日には、もう通常業務を圧迫してまで積極的にプロジェクトに協力してくれることはないでしょう。

また失敗するかも(というよりも、協力しても意味がないかも)というトラウマ的な心理は根深く残り、またその話は現場でも聞伝えで継承されていきます。「また協力依頼来たけど、あんまり効果ないから適当に対応しておいて」そんな指示が出てきたら、もう内製化でのプロジェクトの成功は難しいでしょう。

【デメリット6】失敗した時の責任が強くプロジェクト担当者にのしかかる

万一、DX/プロセス改善プロジェクトが失敗してしまったり、やり直しや大幅な手戻りが発生してしまった時、原因やその責任はどこにある?と鋭い目を向けられることもあります。プロジェクトの進め方やルール設定、調整不足など、プロジェクト推進に原因があったとしたら、プロジェクトリーダーに責任が向けられてしまうでしょう。

コンサルタントなどに外注していた場合、そのコンサルタントの責任であったとして契約を切るだけで済むことでも、内製化の場合にはどうしてもそのリーダー成果評価や能力評価に影響してしまいます。

【デメリット7】想定していたよりも残業代や管理コストが増える

通常の業務をこなしながら、兼務でDX/プロセス改善プロジェクトに参画、となるとどうしても絶対的に時間が不足します。

DX/プロセス改善プロジェクトでは、各部に対して部内の現状を把握したり、可視化したり、問題や要望を取りまとめるなど宿題が与えられます。当然期限内に提出しなければならず、時間の不足分はそのまま残業となって表れてきますが、複数の組織やプロジェクトメンバーで一斉に残業となると、トータルの残業代も膨れ上がります。

また、これに付随して、プロジェクト予算の見直しや、社員の健康管理などの管理コストも増大し、結果として想定していたよりもかなり高いコストとなるケースも散見されます。

【DX/プロセス改善】自社で内製化する場合のデメリットのまとめ

コスト面から安易に「内製化」を選んでしまった企業の事例をもとに7つのデメリットとして整理してお伝えして参りましたがいかがでしたでしょうか?

企業によってはこれらのデメリットも踏まえ、それぞれの対策を練った上で「内製化」という判断をされる場合もありますが、この場合はうまく行くかもしれません。

しかし、安易に/または無策で「とりあえずやってみよう」で進めてしまった企業は、このような事象が発生し取り返しがつかないことにも成りかねませんので、記事内でも触れましたが「やり直しが効かない」「一度失敗して現場がトラウマになった」の部分だけでも回避できるように十分な議論をされることをお勧めいたします。

良く分からない場合は、相談だけなら無料なコンサル会社も多数ありますので、専門家へ相談したり、プロジェクトの立ち上げやルール作りだけでも支援して貰うと良いでしょう。