DX(デジタル・トランスフォーメーション)という単語が、いまとても話題になっています。話題になっている理由は、政府主導で民間も協力して、DXの推進が行われているからです。

では、そんなDXですが製造業ではどのように使われているのでしょうか。製造業と言えば日本の根幹を支えるものづくりといわれて長いです。とはいえ、ブルーカラーの現場職になるがゆえに、あまり人気がないのも事実です。よって、DXを導入し、より生産性を高める努力がなされています。

製造業のDXは、まず産業用ロボットから

DXは、5G、クラウド、ビッグデータ(AI)、IoT、ソーシャルメデイアの5つからなるハイテクによって支えられる業務改善だということができます。

同じように、クラウドやビッグデータを使って製造業の現場を支えているのが、まず産業用ロボットです。

産業用ロボットは、導入によって著しく生産性を向上させてくれます。人間では物作りにムラがあったり、熟練工にしかわからない部分があったりと、生産力に再現性がなく、科学的な経営とは言いがたい部分がありました。しかし、産業用ロボットを導入すれば、データも取れますし24時間フル稼働も可能です。科学的かつスピーディに、市場の変化に対応できるのです。

産業用ロボットはDXが具現化したものといってもよく、また規制緩和も行われており、協働ロボットなども開発されています。製造業は事故が起ると大惨事になりますので、安全性がもっとも重視されます。そのため、安全性を確保するために柵やしかるべき距離などが決められています。

産業用ロボットのティーチング

ちなみに、産業用ロボットは半完成製品とも呼ばれており、メーカーに依頼して作ってもらっただけでは動きません。ロボットに息を吹き込むプログラミングが必要で、そのプログラミングをティーチングと呼びます。ロボットSIerと呼ばれるメーカーとは別の専門ソフトウェア会社にティーチングを依頼し、ロボットに息を吹き込んでもらう必要があります。

更には、ロボットSIerはプログラミングだけでなく、オペレーターや修理の工員の手配など、たくさんのことを総合的にカバーしてくれる頼もしい味方です。

ロボットSIerもまた、クラウド、ビッグデータを使用して、ティーチングをより効率よく生産できるように努めています。たとえばシミュレータ。実際にロボットが動作するまで動きがわからないというのでは困りますので、コンピュータ上でシミュレーションして、挙動を確認もできます。これらもある種のDXであり、産業用ロボットは大いに生産性を向上してくれます。問題はコストがかかるということなのですが、基本的に産業用ロボットの場合は製造業のため、原価積み上げ式で計算します。

さらに、一般に給与に対して人件費は、1.5倍かかるといわれていますので、給与300万円社員ひとりを雇用すると、450万円の人件費がかかります。産業用ロボットが社員3人分の働きをすると仮定すると、1350万円程度が産業用ロボットに投じられる予算となります。また、1年で回収すると想定するなら1350万円ですが、3年かけて回収するなら4,050万まで投資できるという試算が見積もれます。

個別最適から全体最適へ

産業用ロボットの話を読んでて、「昔からロボットの導入はあったのでは?」と思われるかもしれません。確かに製造業と産業用ロボットの歴史は古いので、以前からロボットを導入している製造業の現場は多いです。

では、それまでの製造業の産業用ロボットと、DXによるロボット導入では、何が違うのでしょうか?それは、これまでの産業用ロボットが、部門内での生産性を高めたり、製造ラインの中での最適化だったり、スピードの向上だったりと、ごく限られた範囲で、いわば部分最適だったのに対して、DXによる製造業の最適化は、会社全体や経営をも左右する全体最適なのです。部分最適だったものが、全体最適へ。工場の枠を超えて、経営全体まで変えてしまうのがDXによる産業用ロボットの導入です。

トヨタによるDXの例

製造業と言えば、日本を代表する企業であるトヨタ自動車が挙げられます。最近では、ビットコインに代表されるブロックチェーン技術と連携し、スマートコントラクトを実装して、プラグアンドプレイで電気自動車を走らせる仕組みを九州電力とともに実証実験がスタートする予定です。

具体的に言うと、電気自動車は電気で動きます。そして電気自動車には、街のいたるところに電気のコンセントが必要です。さらに、コンセントから充電するのであれば、電気代も発生します。そこをスマートコントラクトで、差し込んで充電すれば課金を行う、とすれば、まさにスマートに課金ができてしまうわけです。

トヨタ自動車と九州電力は実際にこのプロジェクトを進め、日本を代表するDX事例として、2025年には実証実験を終えるとされています。

製造業と相性のいいDX

製造業はDXと相性が良いと考えられます。理由として、DXで使われるデジタル技術は、データを取得し、分析して改善していくものですが、その改善と現場のカイゼンは、似ているものだからです。工場の生産性の仕組みは、20世紀初頭より研究に研究が重ねられ、徹底的に改善が行われています。

DXがトップダウンの改善だとしたら、カイゼンはボトムアップだといえるでしょう。

このように、製造業とDXは極めて似ていて相性がよく、製造業はDX化にもっとも向いている業種だといっても過言ではありません。DXと聞くと、IT業界が合っているような気もしますが、製造業がかなり合っているのです。

DXのなかでもIoTを使ったダイキン工業

もっとも相性の良いDX技術は、IoTではないでしょうか。モノのインターネットと呼ばれるIoTは、近づいたら音が鳴ったり、持ち上げたと同時にアクションをしたりと、製造現場で体を動かすブルーカラー現場にぴったりです。うまく取り入れているのが、ダイキン工業で、需要変動や生産ラインの工夫といった、かなりクリティカルな部分に、IoTが使われています。

IoTは世に登場して数年経ちますし、かなり人気のある技術です。しかし、一般消費者の市場にはあまり出回っておらず、人気だけが先行しているというイメージがあるのではないでしょうか。

そうでありながらも、実は工場ではIoT技術というのはとても多く使われています。インターネットはパソコンとスマホだけのものではなく、モノそのものにも使われるのです。そして、製造業の現場には、そのモノをたくさん置く余地があり、工場はIoT技術とも非常に相性が良いといえるでしょう。

最後に

今回は製造業とDXの関係についてみてきました。DX技術を利用して、もっとも躍進しているのが製造業なのです。物作りを進めていく上で、DXによる技術革新は欠かせません。

繰り返しになりますが、既存技術と異なる点は、DXによる技術革新が全体最適を目指すものだという点です。

個別最適・部門最適から、経営視点をいれた全体最適へ。DXが製造業にもたらす影響は非常に大きく、DXによって、これからも進化を続けることでしょう。製造業というと、もう完成しきった業界のように感じるかもしれませんが、実はこれほどDXに向いていて、技術革新が進んでいる業界もないのです。

日本の将来を左右するといっても過言ではない製造業のDX。製造業の未来に注目です。

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