サーバーの切り替えのタイミングは、これからさきどうするか考えることでいろいろとサービスを見直しをするきっかけになります。どこのサービスを利用するべきか、クラウドサーバーの導入を検討すべきか、と見直しを考えた時に、クラウドサービスの大手「AWS」のクラウドサーバーは検討すべきサービスの一つでしょう。
しかし、AWSのサービスと一言で言っても幅広く、海外企業の提供しているサービスということもあって、調べてみたけれど良くわからなかったという方も多いでしょう。
そこで今回は、AWSサービスに興味はあるけれどよくわからないといかたにもわかるように、AWSのサービスにある「マネージドサービス」と「アンマネージドサービス」について、その違いやサービス内容などを詳しく解説します。
一般的な「マネージドサービス」とは
まずはじめに、マネージドサービスとは一般的にどのようなサービスなのか、AWSのサービスについて解説する前にチェックしておきましょう。
マネージドサービスとは通信サービスやITサービスなど幅広いサービスにおいて使われている言葉であってクラウドサーバーだけで利用されている言葉ではありません。簡単に説明すると「サービス提供側が運用などの業務を請け負う」ものです。
システム運用やアプリの運用、通信ネットワークなどの環境構築に欠かせないインフラを提供している会社(クラウドサーバーやホスティングサービス、VPNサービスなど)が、サーバーやネットワークの提供するだけではなく、その付帯業務である運用管理についてもサービス提供会社が請け負うサービスです。サービス利用者はインフラ環境だけではなく運用管理も任せられるのがポイントです。
マネージドサービスの中には、マネージドサービスよりもさらに請け負う業務内容の範囲を広げたフルマネージドサービスというものもあります。
一般的な「アンマネージドサービス」とは
アンマネージドサービスとはどのようなサービスを指すのかというと、その名の通り、マネージドサービスを受けないサービス提供を表す言葉で、マネージドサービスはサービス提供会社側が運用保守を行うものですが、アンマネージドサービスはユーザー側が運用保守を行って自分たちで管理します。
提供会社よりサービスを受けるマネージドサービスの方がアンマネージドサービスよりも良いものと考えられがちですが、マネージドサービスで運用管理してもらうよりも、対象の利用者によってはアンマネージドサービスの方が都合が良いパターンもあるため、利用する状況や環境に応じてマネージドサービスを利用するか、アンマネージドサービスを利用するかを検討すると良いでしょう。
マネージドサービスを受けるメリット・デメリット
それでは、マネージドサービスとアンマネージドサービスのメリットやデメリットの違いいついてみていきましょう。まずは、マネージドサービスを受けるメリットとデメリットについてから解説します。
マネージドサービスで得られるメリット
マネージドサービスを受けるメリットの一般的な例として、下記で紹介する3点があります。
- コストの削減
- リスクを軽減
- コア業務に集中
①マネージドサービスはシステムやサーバーの運用保守をアウトソーシングできるので、社内の人員で対応していた保守業務がなくなります。そのため、そこに掛かっていた人件費などを削減することができます。
②社内で管理しているときに生じていたセキュリティのリスクは、サーバ委提供している大手会社などの高いセキュリティシステムによって守られるのでリスクが軽減できます。
③運用保守に関する業務が軽減されることで、本来やるべきであるコア業務に集中することができます。運用保守の仕事を兼務で行っていた場合では、専任でコア業務にあたることができるので効率的に仕事をこなすことができます。
マネージドサービスで考えられるデメリット
マネージドサービスを受けことでデメリットも考えられます。どのようなデメリットがあるか確認しましょう。
- 社内にノウハウが残らない可能性が生じる
- 任せきりになるリスクが考えられる
①マネージドサービスには、提供会社が運用管理をしてくれるというメリットがありますが、そのため作業する社内スタッフがいなくなるため、知識や技術や経験を得る機会がなくなりノウハウが蓄積されなかったり、運用管理などのスキルが上がる経験を得られなくなるというデメリットが考えられます。
②また、運用管理を提供会社に任せきりしてしまうことで、やってはいけないアップデートをそのまま受け入れてしまうことになったり、システムやサービスなどにもその影響を受けてしまうといったリスクも考えられます。
アンマネージドサービスを受けるメリット・デメリット
マネージドサービスのメリット・デメリットは確認できたので、次は、アンマネージドサービスを受けるうえでのメリットやデメリットをみていきましょう。
アンマネージドサービスを受けるメリット
アンマネージドサービスを受けるメリットとして、2つのことが考えられます。
- 柔軟な設定ができる
- 社内スタッフのスキル向上
①アンマネージドサービスの一番のメリットとして、設定が柔軟にできるという点があります。自分たちで設定を行うので意見が反映しやすいため、自分たちのやりやすいように勧めたい場合にはアンマネージドサービスの方がやりやすいでしょう。
②アンマネージドサービスは、自分たちで設定や運用管理を行うので知識や技術が必要となります。自分たちで設定を行うことで、スタッフのスキルや経験値が上がり、会社にノウハウが蓄積されていきます。
アンマネージドサービスを受けるデメリット
それでは逆に、アンマネージドサービスを受けるデメリットにはどのようなことが考えられるかみていきましょう。
- 管理するのが面倒
- 運用管理するスタッフが必要
①アンマネージドサービスはメリットとして、自分たちで設定出来たりスキルが上がったりしますが、すべて自分たちの管理と責任のもとで運用管理していくため、管理することを負担に感じたり面倒に思えることもあります。
②自分たちで設定するには運用管理ができるスタッフが必要になり、コストがかかるといったデメリットも考えられます。
AWSの「マネージドサービス」「アンマネージドサービス」
一般的なマネージドサービスとアンマネージドサービスのメリット・デメリットをみてきましたが、いかがでしたか?それぞれに良い点や検討しなければいけない点があることがわかったと思います。
それでは次にAWSにおけるマネージドサービスとアンマネージドサービスとはどのようなものかを確認しましょう。
AWSの「マネージドサービス」とは
世界の中でもトップクラスのサーバーなどのインフラ提供をしている会社がAWSです。そのAWSが提供しているマネージドサービスは、AWSへの移行に関しての導入サポートを含め、AWSの設計や構築、管理、監視、障害対応など、あらゆる運用管理の業務を代行して提供するサービスです。
マネージドサービスの中でもプランを選択することができるので、希望の範囲でマネージドサービスを利用することが可能なのも特徴の一つです。
例えば、AWSの構築ができるスタッフがいなかったり、AWSに詳しいスタッフがいなかいときに、AWSのマネージドサービスで解決することができます。
AWSの「アンマネージドサービス」とは
ネットワークやハードウェア、サーバーなどの提供は行うAWSのアンマネージドサービスは、そこから先のサービスを提供するために必要なソフトやOS、プログラムなどをユーザー側で用意します。
そのため、サーバーやネットワーク、OSなどの運用管理についての部分は自社で行うことになります。
AWSの「マネージドサービス」と「アンマネージドサービス」の違い
AWSでは、マネージドサービスとアンマネージドサービスの違いとして、サービスを例にした場合では次のようになります。
「マネージドサービス」
→Amazon Route53
McDonaldやNetflix、Slackなどが利用しているサービスであるAmazon Route53は、世界の名だたる大企業が利用しているということでも安心できるのではないでしょうか。
Amazon Route53の特徴は、簡単なステップに従って操作を進めていくだけで、数分でDNSエントリを設定してWebアプリケーションのクエリに応答させることができるというシンプルなWebサービスインターフェースですあることです。
あらかじめサービスの中にスケーリングや耐障害性などが組み込まれているため、AWSにて管理されているので運用管理が楽なのですが、設定できる内容が限定されてしまうデメリットがあります。
「アンマネージドサービス」
→Amazon EC2
Amazon EC2は、利用者のワークロードに合わせて最も適しているコンピューティングやメモリ、ストレージやネットワークバランスを提供するサービスです。幅広いインスタンスの選択ができることがポイントです。
利用者側で設定・管理を行う必要があるスケーリングや耐障害性などを、利用者側のニーズに合わせた設定ができるメリットがあります。しかしその一方で、運用管理を行うことによってコストや時間を消費してしまうというデメリットがあります。
マネージドサービスの利用が向いている会社
それでは、マネージドサービスが向いている会社とはどのような会社でしょうか。
- AWSに詳しい人がいない
- リソース不足
- コア業務に集中したい
特徴としてはこれらの会社の場合におすすめです。
運用管理をAWSに任せることによって、コア業務に集中することができますし、また、コストを抑えたいという場合でも、マネージドサービスを利用することにょって人件費などの運用コストを削減する効果が期待できます。
アンマネージドサービスの利用が向いている会社
では、アンマネージドサービスが向いている会社はどうか確認しておきましょう。
- AWSに詳しい人が社内に存在する
- 会社独自の設定やサービス提供やシステム提供などを行っている
- システム運用に関してできるだけ社内の運用方法に合わせて、柔軟に設定したい
などといった会社には、アンマネージドサービスの利用が向いているでしょう。
運用に関してのリソースが必要ですが、社内で希望するように柔軟なシステム運用が可能となります。
まとめ:AWSマネージドサービス・アンマネージドサービスとの違い
今回はマネージドサービスとアンマネージドの概要、また、AWSのマネージドサービスやアンマネージドサービスについて、その違いやサービス内容などをご紹介してきましたが、いかがでしたか。
AWSだけに限らず、マネージドサービスやアンマネージドサービスは、インフラ提供やネットワーク提供している様々な会社が行っているサービスであり、マネージドサービスだから良いということではなく、利用する会社の運用の方法やリソースの問題など、置かれている環境や状況によって最適なサービスが異なります。
AWSに詳しい人材がいない、リソースが不足している、人件費の部分で運用コストを削減をしたいと考えている会社などは、AWSのマネージドサービスを検討されることをおすすめします。