デジタルサイネージは、効果的なプロモーション方法として知られている媒体です。専用のデジタルサイネージソフトの活用は、より効果的な運用管理につながります。しかし、デジタルサイネージソフトにも複数の種類があるため、どれを選べば良いかわからないと悩む方もいるでしょう。

この記事では、デジタルサイネージソフトにはどのような違いがあるのか、導入に際して期待すべきメリットや主な機能、そして比較ポイントに触れながら、人気のデジタルサイネージソフトを紹介します。

デジタルサイネージソフトの種類・タイプ

デジタルサイネージソフトには、大きく分けて

  • クラウド型
  • スタンドアロン型

の2つが挙げられます。クラウド型は、クラウド経由でサービスを提供するタイプの製品で、簡単なライセンス取得手続きのみですぐに利用を開始できるのが特徴です。インストールの手間がかからない点もメリットと言えます。

スタンドアロン型は、ディスプレイに直接ソフトをインストールして使用するタイプの製品です。インターネットが使えない環境でも運用でき、買い切り型で利用できることから長期運用に適しています。

また、これらとは別にタッチパネル型と呼ばれるデジタルサイネージソフトもあります。これはタッチパネル対応の製品を指す言葉です。クラウド型・スタンドアロン型でもタッチパネルに対応しているものはこれに分類されます。

デジタルサイネージソフトの比較ポイント

デジタルサイネージソフトの導入に際しては、以下の比較ポイントを踏まえた上で運用を進めると良いでしょう。

自社の課題解決に必要な機能の充実度

デジタルサイネージソフト選びは、自社の課題に合わせた機能の有無が大きな意味を持ちます。どれだけ優れたサイネージソフトでも、課題解決につながる機能が十分でないと、期待しているような成果が得られません。

まずは自社で対策が必要な課題をリストアップし、その上で解決につながる機能の要件定義を行い、それに照会するような形で導入候補のデジタルサイネージソフトを導くことが大切です。

自社ハードウェアとの互換性

デジタルサイネージソフトは、自社のハードウェアとの相性も踏まえて選ばなければなりません。既存のシステムとの互換性が確保できていないと、ディスプレイへ思うようにコンテンツを表示することができなかったり、製品を入れ替える負担が発生したりしてしまいます。

あらかじめ自社環境との相性について、ベンダーに相談の上導入を進めるよう意識しましょう。

コンテンツ制作機能・配信サービスの充実度

デジタルサイネージソフトには、コンテンツ制作機能が備わっている製品もあります。制作機能が備わっているものを導入すると、制作負担の軽減などに役立つため、非常に便利です。また、ベンダーによってはコンテンツ制作を外部委託できるサービスを提供している場合もあります。コンテンツ制作体制が自社で十分整備されていない場合、こういったサービスを優先して利用するのも良いでしょう。

費用対効果

デジタルサイネージソフトはものによって料金プランが異なるため、コストパフォーマンスにも配慮しましょう。特に高額なソフトをダウンロードする場合、期待しているような費用対効果が得られないことがある場合にも注意が必要です。

おすすめのデジタルサイネージソフト:クラウド型

それでは実際に、人気の高いデジタルサイネージソフトを見ていきます。ここでは、クラウド型のデジタルサイネージソフトを紹介します。

Signex(サイネックス)

Signexは、あらゆるロケーションで適用可能なクラウド型のデジタルサイネージソフトです。ブラウザからサービスにアクセスができ、特別なソフトのインストールを行わずとも、コンテンツ管理を実現できます。クラウド型ならではのスケーラビリティを備え、小規模運用からスタートしても最小限の負担でスケールを拡大させていくこともできます。

セールスパフォーマー

セールスパフォーマーは、コストパフォーマンス重視でデジタルサイネージ運用を実現したい方におすすめの製品です。1,400社を越える導入実績に加え、月額1万2,500円から利用できる安価なプランを有しており、気軽に導入を検討することができます。

拠点ごとにシナリオを自在に設計し、配信形式を適宜変更しながら各サイネージを運用可能です。特殊な機材も導入不要で、既存環境を生かす形でデジタルサイネージ導入を進めたい方にとって最適なサービスです。

DAiS Signage

クラウド型で大規模・長期運用に特化したサービスが、DAiS Signageです。日本全国で3万台の導入実績があるこの製品は、導入先における運用コストを最小限に抑えることをコンセプトに設計されています。

極めて細かく配信設定を実施できたり、ネットワーク環境が整備されていない現場でも導入を進められるよう、運用支援を行えたりするのが強みです。また、コンテンツの設計や作成についてもサポートを受けられ、社内でコンテンツ制作のリソース確保が難しいという組織でも活躍が期待できます。

おすすめのデジタルサイネージソフト:スタンドアロン型

続いて、スタンドアロン型として運用実績が豊富な、おすすめのデジタルサイネージソフトを解説します。

びじゅ衛門

びじゅ衛門は顧客の利用用途に応じて柔軟に設定を行える、利便性に優れるスタンドアロン型のデジタルサイネージソフトです。自社開発で培ったノウハウに基づき、ユーザビリティの改善が進められています。一度に最大7つまでの情報を配信できる機能に加え、番組切り替えはスイッチ一つで簡単にできます。もちろん、各種設定変更は遠隔地からでも実行可能です。

KI Sign

KI Signは、使いやすさに徹底配慮した設計で構築されているスタンドアロン型のデジタルサイネージソフトです。用意しておいたPDFや動画をスライドショー形式で簡単に配信できる機能や、Web会議に対応したカメラ連携など、ビジネス用途での使い勝手に優れています。

画面サイズに応じた自動調整機能、マルチディスプレイや4Kディスプレイへの対応、さらにはタッチコンテンツへの対応など、多様なディスプレイでの運用が可能なため、あらゆるシチュエーションでの活躍が期待できるでしょう。

STB + 配信ソフト

STB + 配信ソフトはスタンドアロン型、クラウド型から任意のモデルを導入できるサービスです。LEDビジョンや液晶ディスプレイ、プロジェクターなど様々な環境でサイネージ運用が可能な汎用性の高い製品と言えます。東京都内のパブリックスペースや大手企業、有名飲食店における導入実績が豊富で、信頼性重視での導入に適したサービスです。

おすすめのデジタルサイネージソフト:タッチパネル型

タッチパネル型で運用可能なデジタルサイネージソフトとしては、以下の製品が揃います。

StellerSign

StellerSignは初期費用無料で導入ができる、タッチパネル対応のデジタルサイネージソフトです。機材コストがかかりやすいタッチスクリーン導入も、StellerSignならその負担を小さく抑えつつ運用を進められます。タッチコンテンツの作成だけでなく、多言語表示やテロップ表示など、リッチな情報を伝えられる配信設定ができる点が魅力です。

SCALA

SCALAは多様なビジネスシーンでの活用に対応する、柔軟性の高いタッチパネル対応のデジタルサイネージソフトです。30年以上の運用実績に基づいて設計されたソフトを導入するだけで、サイネージ運用のベストプラクティスをすぐに実感することができます。

全世界310万件以上の導入件数から、自社のニーズと相性の良いケーススタディを探し、ロールモデルとしながら運用を進められるでしょう。

ABookSmartLink

ABookSmartLinkは、タッチパネル対応でインタラクティブなデジタルサイネージ運用に適しているサービスです。見て触れて、持ち帰ることのできるコンテンツ制作によって、顧客と施設の橋渡しを実現します。各サイネージごとに個別のスケジュールを設計し、自社独自の運用プロセスに適した配信が可能です。編集ツール内蔵のため、簡単なコンテンツであれば簡単にその場で作成・配信ができるのも魅力と言えます。

無料で使えるデジタルサイネージソフト

デジタルサイネージソフトには、無料で利用可能な製品も存在します。以下は代表的なソフトの例です。

Nomoad (ノモアド)

Nomoadは無料で利用可能なサイネージ管理のためのソフトです。小規模事業者や個人事業者を想定して設計されているので、複雑なセットアップを行うことなく利用できます。

よりスケールの大きな運用がしたい、高度なコンテンツの表示が行いたい場合、シームレスに有料版へ移行することもでき、便利です。

SmartSignage

SmartSignageはWindowsとMac OSに対応していながら、無料で利用ができるデジタルサイネージソフトです。マルチディスプレイ環境で画像や動画、PDFを自在に配信でき、表示の自動化設定にも対応しているなどの機能を備えます。万が一不具合でサイネージが停止した場合も、自動で再起動し復旧することが可能です。

時間割看板

時間割看板は、曜日や時間を指定した上でコンテンツの配信が行える、無料のデジタルサイネージソフトです。コンテンツの表示だけでなく、ディスプレイのシャットダウンまでコントロールができるので、ハードウェア管理の効率化にも貢献します。運用開始に際してはマニュアルも付属するため、不明点を適宜確認しながら作業を進められるのも魅力です。

まとめ

この記事ではデジタルサイネージソフトの比較ポイントについて解説しつつ、人気の高いサイネージソフトについて解説しました。

デジタルサイネージ運用を効果的なものとする上では、自社の課題解決につながるデジタルサイネージソフトの導入が必要です。デジタルサイネージ運用体制の構築に際しては、上述のポイントを踏まえた製品選びを実現しましょう。

【デジタルサイネージガイド #01】デジタルサイネージ3つの導入メリット