コスト削減にも効果的なデータセンターの利用いろいろな企業でデータ活用が用いられるようになり、データの保管方法に注目が集まっています。ここ最近、コスト削減など多くのメリットが期待できるとされているのが、オフィスに置いている自社サーバーの利用をやめて、データセンターのようにサーバーの管理に特化したサービスを活用することです。

これから、データセンターを活用することで、どれくらいのコスト削減が期待できるのかや、コスト削減以外にどのような導入メリットがあるのかなどを詳しく解説していきます。

データ保管の方法の見直しを検討する際など、参考になさってください。

データを管理するのにかかるコストは?

データ管理の際に発生するコストまず、自社でデータを管理すると、どのようなコストがかかっているのか確認しましょう。主な負担をまとめてみると、4つのコスト負担があることがわかります。

  1. 設備費
  2. 光熱費
  3. 人件費
  4. 施設利用費

①設備費はデータを保管するサーバー代です。設置するのに初期費用がかかることからデータ管理において最も負担の大きいものとなります。

②光熱費についてですが、電気代としてはサーバーを動かすためのもの以外にも、サーバーを冷却するためにも電気代がかかります。サーバーが大きくなればなるほどこれらの費用負担は増加しますし、使用している間は継続的にかかる維持コストなので、企業としては負担が大きいものでしょう。

③人件費とは、サーバーを管理したりメンテナンスを行うスタッフにかかるコストのことです。なにかトラブルが発生してサーバーがダウンしてしまうと深刻なダメージを受けるので、常に安全な状態が保てるように管理し、環境の整備を行う必要があります。

また、サーバーを保管するためのオフィススペースを借りる場合にも別途コストがかかります。

データセンターを借りるときには施設利用日にも注意が必要です。首都圏などの都市部では地価が上昇傾向にあるため、賃貸費用が高額になることもあるので、維持コストが無駄にかかることがないように気をつけましょう。

データセンターを活用することでコスト削減は期待できる?

データセンターの利用で期待できるコスト削減メリットデータセンターを活用することで、どのようにコスト面での負担を複数の側面から軽減することができるのでしょうか。どのような削減効果が期待できるのかを解説します。

①光熱費の削減

サーバーの管理に特化した施設がデータセンターです。データセンターを活用することによって、多数のサーバーを一つ建物内で管理できる仕組みが利用できるので、サーバーにとって負担が小さい環境構築できます。
効率的な空調設計とサーバー配置を行うことにより、継続的に維持をするための光熱費が削減できます。

また、他社データセンターのスペースを借りた場合でも、施設利用料金に光熱費が含まれていることが多く、自社の都合で光熱費が大きく増減する心配はありません。

②人件費の削減

サーバーの管理をデータセンターの運営会社に任せることによって、自社で保守運用のために必要なスタッフを確保しなくてもよくなります。このようなアウトソーシングのメリットをデータセンターを利用することによって受けられるため、人材コストの負担を感じている会社はとくにデータセンターを活用がおすすめです。

また、データセンターではサーバー管理体制が高度なレベルで構築されているため、自社で管理する場合と比べてはるかに優れたノウハウと対応力の面のサービスを受けることができます。知識や経験豊富な担当者がサーバーを管理してくれるので、24時間、いつでも安心してサーバーを活用することが可能です。

③設備費・施設利用費の削減

既存のデータセンターを利用すれば、サーバールームを0から構築しなくても良いので、大幅な設備投資が不要となるのでコストを抑えることができます。最近ではサーバー本体ごとスペースを提供しているデータセンターも増加しており、このようなサービスを利用することで、本体導入費用が軽減します。

最新の設備をもつデータセンターでは、耐震や防火対策に力をいれているだけではなく、セキュリティの向上も図っており、指紋認証などの高度なID認証によってサーバールームを管理するなどセキュリティ面でも高い費用対効果も期待することができます。

データセンター利用におけるコスト以外でのメリットは?

コスト以外にも注目したいデータセンター利用のメリットデータセンターを活用することで、コストパフォーマンスの面での成果が期待できることのほかにもさまざまなメリットがあるのでご紹介します。

①電力供給が安定して行われている

データセンターの運営会社の中には電力系の会社も多く、安定した電力供給が得られることを売りとしたサービスも増えています。

いくら強靭なサーバーであっても、電源が落ちてしまうと機能が停止してしまうため、インフラ面での安定性はとても重要です。サーバー運営に特化しているデータセンターでは、常に安定した電力供給を意識しているので、天災や停電などのトラブルにもすぐに対応できるように準備されています。

②BCP対策を最適化

データセンターの利用において、災害時でも事業を継続するための取り組みとして、とくにBCP対策が高く評価されています。自社にサーバーを設置している場合では、オフィスが地震や津波、台風などの天災によって被災したときに、事業を継続していくことが極めて困難となります。

データセンターの場合では、事業所とは離れた場所に設置された地域のサービスを利用することによって、災害発生の影響を極めて小さく抑えることができると期待されています。万が一、天災によってオフィスの機能が一時的に停止したとしても、サーバーさえ生きていれば迅速な復旧が可能なのです。

③高度なセキュリティ対策

これまでにも少しご紹介してきましたが、データセンターはサーバーの管理に特化しているため、直接的な攻撃に対しても強力なセキュリティ機能を働かせて対応することができます。高度な認証システムを用いて不審者の侵入を防いだり、自社サーバーの具体的な所在地を公開しないことによって、データセンターの位置を特定して自社機能に攻撃をすることが極めて難しくなっています。

また、街中ではなく人里離れた場所にデータセンターを設置することによって、容易に侵入することができないようになっており、24時間体制で常時監視を行うことで、外部からの侵入を防ぎます。

サイバー攻撃体制にも優れており、専任のセキュリティ担当者によって、高度な攻撃予防を行い、万が一攻撃を受けた場合でも迅速な対処と復旧を実現します。

④業務効率化が期待

データセンターを活用することで、サーバー業務を外部に移転できるというメリットもあります。自社でサーバー業務を請け負わなくても済むので、人件費や施設費用などのコストを削減し、コア業務に人材を配置できるような余裕を確保できます。

会社のスリム化を進めたい企業にとって、データセンターの活用は有益な選択肢となることでしょう。

データセンターをもっと効果的に活用するためには?

データセンターを効果的に活用するためのポイントデータセンターのメリットを活かして、もっと効果的に運用するにはどうすればいいでしょうか。押さえておきたい重要なポイントを2つご紹介するので、確認しておきましょう。

①事前に費用対効果を見積りしておくこと

コスト削減に有効なメリットを有しているデータセンターですが、導入すれば必ずコスト削減できるというわけではありません。データセンターの利用するには、サーバーを導入する費用や、レンタル費用が継続的にかかってくるため、運用規模によってはコスト面の負担が増える場合も考えられます。

自社でデータセンターを導入した場合、いったいどれくらいのコストパフォーマンスとなるのか、またもっとコストパフォーマンスを高めるにはどのような運用方法が適切なのかを導入する前に事前に考えておき、その結果から導入するか検討するようにしましょう。

②クラウドサービスとも比較してみる

データセンターだけがコスト面でサーバー運用に適しているというわけではありません。最近ではオンラインを経由して利用できるクラウドサービスも人気が高まってきていて、仮想的に自社サーバーや開発環境を整えられるサービスなどいろいろなパターンが提供されています。

クラウドサービスはライセンス料金を支払うだけで、簡単に必要な機能を使えるようになるので、データセンターよりも便利に利用できます。しかし、すでに自社サーバーを所有している場合では、データ移管の負担なども考えると、データセンターにサーバーを移して使い続ける方がコスト面では優秀な場合もあります。

利用する企業に規模や環境によって、ケースバイケースで可能性を検証して、最適な方法を検討しましょう。

まとめ

サーバー特化の施設でデータ管理を行うデータセンターを活用することで、コスト面での大きな改善が期待できます。セキュリティ面においても優れているデータセンターは、今後のデータ活用におけるスタンダードな施設として利用が増えていくと考えられます。

しかし、コストパフォーマンスは企業の運用環境で差があるので、事前に見積もりを立てて、最適な運用プランかどうか検討したうえで導入するか決めることが重要です。

データセンター活用ガイド