短期間で導入でき、かつ低コストで経営資源の管理ができるとして、中小企業から大企業まで幅広く注目を集めているのが「クラウドERP」です。しかし、クラウドERPを検討するにあたり、導入メリットや製品の選び方など、具体的なイメージが湧かない担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、クラウドERPの概要やメリット、選び方などを解説。最後に、企業規模別にサービス比較もしているので、ぜひ参考にしてみてください。
クラウドERPとは?
クラウドERPとは、クラウド型で利用するERPのことで、販売管理、財務会計、給与計算といった基幹業務をインターネット上で一元管理できるのが特徴です。
そもそもERPとは、「Enterprise Resource Planning」の略で、統合業務基幹システムを指します。会計・人事・生産・販売・在庫といった主要な業務を統合し、一元管理ができるシステムです。
一方でクラウドは、ユーザーがサーバーやソフトウェアなどを持たなくても、インターネット経由で必要な分だけを調達して利用できる仕組みのこと。OSやアプリケーションなど、どの範囲までを調達するかによって、「SaaS」「PaaS」「IaaS」の3種類に分けられます。
まとめると、クラウドERPは、インターネットで提供されるリソースを使い、会計や生産、販売といった基幹業務を一元管理できるシステムのことです。
クラウドERPが注目される理由
クラウドERPが注目されるようになった背景には、従来のオンプレミス型ERPへの課題意識が挙げられます。
オンプレミス型ERPは、1990年代から、全体最適やコスト削減などを期待して、大企業を中心に多くで導入されました。当時は、海外製のERPを日本の商習慣へ合わせるため、個別にカスタマイズしたり独自のアドオンを追加したりして、自社の業務に合わせていたのです。
しかし現在では、ビジネスのグローバル化や国内での競争激化に伴い、システム間の連携やアップデートが頻繁に行われるようになっています。既存のオンプレミス型ERPでは、過去に大量のアドオン開発やカスタマイズをしてしまっているため、柔軟に対応できなくなっているのが現状です。
そこで、外部のリソースを活用して柔軟に構築できる、クラウドERPが注目を集めています。グローバルな取引をする日本企業や、独自の商慣習をもつ業界、予算を割けない中小企業など、さまざまなニーズに応えたサービスが多数提供されているので、自社の環境に合わせて導入しやすくなったのです。
クラウドERPの市場規模
クラウドERPの市場規模は年々拡大しており、今後も成長し続けていくであろうと予想されています。
ITRが発表した『ITR Market View:ERP市場2021』によると、2019年のERP市場の売上高は1,128億円となり、内338億円がSaaS、291億円がIaaSと、クラウドERPの割合が半分以上を占めています。同レポートによれば、今後もSaaSやIaaSの伸びが加速していくと予想され、2024年には、全体の90%以上がクラウドERPで占めると考えられています。
一方でオンプレミス市場においては、年々マイナス成長を続けており、今後は、システムの老朽化による再構築が進むことで、クラウドERPへ乗り換える企業がさらに増えると予想されています。
クラウドERPの種類
クラウドERPには、「プライベート型」「パブリック型」「ハイブリッド型」の3種類があるのが特徴です。以下では、それぞれの詳細を解説いたします。
オンプレミスERPをそのまま使える「プライベート型」
プライベート型のクラウドERPは、自社で利用しているオンプレミス型のERPを、クラウド環境として利用するタイプです。
プライベートクラウドを利用するには、自社専用のクラウド環境を構築し、その上に既存のオンプレミスERPを実装します。クラウドにおける「IaaS」や「PaaS」といった環境で構築するのが一般的です。
プライベート型はパブリック型よりも価格は高くなりますが、カスタマイズの自由度が高かったり、高いセキュリティで利用できたりするのがメリットです。
ベンダーのサービス導入する「パブリック型」
パブリック型のクラウドERPは、一つのサーバーを、複数のユーザーで共有しながら利用するタイプです。リソースは仮想的に分割されており、それぞれに割り当てられたスペースのみを利用できます。
パブリック型は、安い利用料金で済ませられるのが最大のメリットです。ベンダーが提供するサーバーを利用するため、運用や保守をすべて任せられるのが魅力です。
反面、システム障害が発生した際は、ベンダーの対応能力にすべてを依存する形になってしまいます。加えて、他社とサーバーを共有するため、比較的カスタマイズしにくいのがデメリットです。
複数の形態を組み合わせる「ハイブリッド型」
ハイブリッド型のクラウドERPは、プライベートクラウドやパブリッククラウド、オンプレミスなど、複数を組み合わせて利用するタイプです。一つのタイプがもつ長所を活かしたり、短所を補ったりすることで、自社に適したシステム構成を実現します。
ハイブリッド型のクラウドERPの運用例として、自社で扱う重要な機密情報はオンプレミス環境で管理し、公開してもよい情報はパブリッククラウドで管理する、といったものが挙げられます。運用の仕方次第によっては、一つの形態だけを採用するよりも、高いコストパフォーマンスで利用することも可能です。
一方で、システム構成が複雑になりやすいため、導入や運用に大きな負担がかかってしまいやすいのが懸念点です。管理する項目が通常よりも多くなってしまったり、より専門的な知識をもつ人材を確保しなければならなかったりするなど、超えるべき課題が多くあります。
クラウドERPを導入する5つのメリット
ここでは、オンプレミス型ERPと比べた、クラウドERPの導入メリットを5つご紹介いたします。
1.運用開始までの時間を短縮できる
クラウドERPを導入することで、導入決定から運用開始までの期間を大幅に短縮可能です。とくにSaaS型の製品であれば、ネットワークやOS、アプリケーションなどがすべて準備された状態で始めることができるため、自社でシステムを構築する必要がありません。
通常のオンプレミス型ERPだと、中小・中堅企業で3~9か月、大企業で12~19か月が運用開始までの目安だと言われています。ビジネス環境の変化が激しい昨今においては、オンプレミス型ERPの構築中に、計画変更が頻繁に生じてしまうこともあるでしょう。
その点クラウドERPでは、短期間かつスモールスタートで始めることが可能。PDCAを高速に回したいと考える、スタートアップ企業やベンチャー企業にもおすすめです。
2.導入費用を削減できる
クラウドERPは、もともとベンダーが用意するものを利用することから、導入にかかる費用を大きく削減することが可能です。
オンプレミス型のERPを導入するには、機器一式を自前でそろえる必要があります。内訳として、ハードウェア費用・導入サポート費用・カスタマイズ費用などがかかり、総額で1,000万円は優に超えるでしょう。
一方でクラウドERPの導入には、初期導入費用・ライセンス費用などがかかり、20~30万円程度で収められることもあります。そのため、予算をあまり割けない中小企業などでも、気軽に導入できるのがメリットです。
また、ベンダーによっては、無料トライアルの期間を設けていることもあります。コストをかけずに使用感を試せるので、用意されている場合は積極的に活用してみましょう。
3.リアルタイムで情報共有できる
クラウドERPを活用することで、部門ごとに散在している業務システムを連携させて、リアルタイムに情報共有することが可能になります。別途で表計算システムへ出力する必要がなくなったり、手作業で二重入力をする手間を省いたりできるのがメリットです。
クラウドERPでは、一つのサービスで用意する複数のモジュールを組み合わせ、シームレスに連携させられるものがほとんどです。また、異なるソフトウェア同士のやり取りが可能になる「API」を公開することによって、他社サービスとの連携を容易にしているサービスも存在します。
システム間のリアルタイム連携が実現することで、自社の現況をいち早く知ることができ、迅速な意思決定につなげられます。クラウドERPの導入によって、経営スピードの向上も期待できるのが魅力です。
4.場所を問わずに利用できる
SaaSなどのクラウドERPでは、Webブラウザと通信環境さえあれば、PCを使ってどこからでもアクセスできるのがメリットです。
なかには、スマホやタブレットなどのモバイルデバイスから接続できるサービスも存在します。専用のアプリをダウンロードすることで、伝票決裁や経費申請、勤怠管理などを外出先からでも行えるようになります。
とくに近年は、働き方改革やコロナ禍の影響で、在宅勤務へシフトする企業が増えています。クラウドERPにすることで、国内外の拠点、取引先、自宅など、場所にとらわれない働き方を実現できるのです。
5.セキュリティを向上できる
クラウドERPは、オンプレミスERPと比べてセキュリティに劣るとも言われていますが、近年では、ベンダーによって強固な対策が実施されています。
たとえば、暗号化やアクセス権限、IPアドレス制限などがデータセンター側でなされていることが多く、それらのセキュリティ情報を公開している会社も存在します。また、第三者機関によるセキュリティ認証を得ることで安全性を証明している会社もあるので、気になる方はチェックしましょう。
とくにクラウドを活用することで、社外にデータセンターを置くことになるので、災害発生時のリスク分散につながるのがメリットです。さらに、セキュリティホールへの対策などはすべてベンダーが行ってくれるため、自社で負担をかけずに最新のセキュリティを保てます。
クラウドERPを導入する3つのデメリット
クラウドERPには多くのメリットがありますが、一方でデメリットにも注意を向ける必要があります。以下では、クラウドERPを導入するデメリットを3つご紹介いたします。
1.ネットワーク環境を構築する必要がある
クラウドERPは、インターネットベースで通信を行うため、LANやデバイスの環境が整っていないと利用することはできません。ネットワーク環境が構築されていない拠点がある場合は、別途で導入する必要があります。
会社の状況によっては、オンプレミスERPの方が最適な選択肢になりうることもあるので、慎重に検討してから決定しましょう。
2.個別のカスタマイズが難しい
クラウドERPは、すでにサービスとして提供されているものをそのまま使うため、個別にカスタマイズするのが困難な場合があります。商慣習が独特な場合や、一般に見られないような業務フローを採用している場合に、カスタマイズの壁にぶつかることがあるでしょう。
自社の業務に合わせて個別にカスタマイズしたい場合は、オンプレミス型ERPを選択するか、拡張性やカスタマイズ性に優れたクラウドERPを選択するのがベターです。
3.運用がベンダー任せになってしまう
クラウドERPを利用すると、運用保守や障害発生時の対応をすべてベンダーへ任せることになるため、何かトラブルが発生した際に、大きな損失を被ってしまうリスクがあります。現在、オンプレミス型で運用している企業にとっては、「クラウドは本当に信用できるのか」と不安になることもあるでしょう。
解決策として、ベンダーに長年の実績があるかどうかを確認することが一つの手です。なかには、「SLA(サービスレベル契約)」を結び、クラウドERPの稼働保証をしているベンダーもあります。所定の稼働率を下回った場合に、返金を実施するなどの条項を設けていることもあるので、よく確認してみましょう。
クラウドERPの選び方
以下では、クラウドERPを選ぶ際に押さえておくべきポイントを3つ解説いたします。
業種や事業規模にマッチしているか
クラウドERPを選ぶ際はまず、自社が属する業種や、事業規模にマッチしているかどうかを確認しましょう。多種多様な機能を利用できるものから、最低限に絞ったものまでさまざまです。
業種に関しては、業界特化型ERPとして、製造業や卸売業に特化したものが存在します。また、IT業や広告業によくある、プロジェクト単位での管理が多い企業向けに作られた製品もあるので、チェックしてみましょう。
クラウドERPは、機能を必要最低限に絞った中小企業向けの製品と、豊富なカスタマイズやアドオンを利用できる中堅~大企業向けの製品が存在します。検討するサービスの導入事例や実績を確かめたり、実際に問い合わせしたりしてみて、自社の規模感と合致するかを確認しましょう。
どの業務に対応しているか
検討しているクラウドERPが、どの業務に対応しているのかを確認することも重要です。例を挙げると、以下のようなものがあります。
- 会計:経費精算・財務管理・管理会計・税務申告など
- 人事労務:勤怠管理・給与管理・マイナンバー管理・労務管理など
- 生産:生産管理・開発管理・原価管理など
- 販売:販売管理・購買管理・在庫管理など
- 営業:顧客関係管理・案件管理・商談管理など
クラウドERPの製品によって、会計系の業務に強いものや、生産管理や販売管理の業務に強いものなどがあります。自社の業務形態や、強化したい業務に合わせて検討しましょう。
もし、どこから手を付けていいのかが分からないような場合は、幅広い業務に対応する汎用型のクラウドERPから導入を始めるのがおすすめです。
自社に合ったカスタマイズやアドオンは行えるか
自社の業務に合わせてオリジナルの機能を実装したい場合や、会社が今後も成長することを見据えて、機能の拡張も視野に入れている場合は、カスタマイズやアドオンを行えるかどうかも着目しましょう。
クラウドERPのカスタマイズでは、自社の業務に合わせて、標準で搭載する機能に変更を加えます。カスタマイズにかかる費用は、導入費用の数倍~数十倍と言われることも多く、簡単に行えるものではありません。
一方でクラウドERPのアドオンは、既存のシステムに対し、新しい機能を追加するのが特徴です。機能拡張とも言われ、自社で追加機能を開発したり、外部からソフトウェアを調達したりして、必要となる分だけを継ぎ足しします。
自社で実現したいカスタマイズやアドオンに、検討先のクラウドERPベンダーが対応しているかどうかをチェックしましょう。もし予算を極力抑えたいのであれば、標準の機能に合わせて業務を再設計するという考えも重要になります。
中小企業におすすめのクラウドERP7選を比較
ここでは、中小企業におすすめのクラウドERPを7製品ご紹介いたします。
Microsoft Dynamics 365 Business Central
Microsoft Dynamics 365 Business Centralは、Microsoftが提供する中小企業向けのERPです。全世界で230,000社以上の導入実績を誇り、3,300,000ユーザー以上が利用しています。
管理画面は、Microsoft共通のデザインで利用できるのがメリット。「Microsoft 365」との連携に対応し、ExcelやWordへ直接出力したりすることが可能です。
搭載する機能は、営業・マーケティング、倉庫管理、在庫管理、財務管理など、幅広い分野に対応しています。「Premium」プランへアップグレードすれば、製造業向けに特化した機能を使えるのが特徴です。
さらに、事業規模の拡大に合わせて柔軟にカスタマイズしたり、2,000以上のアドオンソリューションを活用して、スムーズにデータ連携したりできるのがポイント。海外のコンプライアンスや会計ルールにも対応しているため、グローバルに拠点を構える企業にもおすすめです。
【プラン・料金】
- Dynamic 365 Business Central Essentials
- Dynamic 365 Business Central Premium:サービス管理・製造業向けの機能あり
URL:https://dynamics.microsoft.com/ja-jp/business-central/overview/
クラウドERP freee
クラウドERP freeeは、freee株式会社が提供する成長企業向けのERPです。ベンチャーやスタートアップを中心に、幅広い業種での導入実績をもっています。
同社は、クラウド会計ソフトも提供していることから、会計系の機能に強みを持っているのが特徴です。SFAと連携して請求書を自動で作成したり、経費精算のワークフローを電子化したりすることを可能にします。
また、IPOの準備や内部統制の強化に対応。マザーズや東証1・2部の企業で、多数の利用実績を誇っています。
自社のバックオフィス業務の負担を軽減し、次なる成長に向けて本業へ集中したい企業におすすめのクラウドERPです。
【プラン・料金】
- freeeプロフェッショナル
- 会計 + 人事労務 エンタープライズ
- 会計エンタープライズプラン
- 人事労務エンタープライズプラン
- 人事労務プロフェッショナルプラン
マネーフォワード クラウドERP
マネーフォワード クラウドERPは、株式会社マネーフォワードが提供する中小・中堅企業向けのクラウドERPです。主に、会計や人事労務などのバックオフィス系の業務に対応しており、定型業務の自動化を実現できます。
たとえば、勤怠データをもとに給与を自動計算したり、社会保険関係のデータ作成や申請を自動で行ったりできるのがメリットです。KintoneやSalesforceなどの主要なアプリケーションとの連携に対応しているので、柔軟に業務を展開できます。
また、クラウドERPの導入をスモールスタートで始められるよう、会計や勤怠、人事管理など、特定のシステムのみに絞って導入することが可能。リモートワークへの移行や内部統制の強化など、目的に合わせてサービスを組み合わせられます。導入期間は、契約から最短で1か月間と非常に短いのがうれしい点です。
【プラン・料金】
- 要問合せ
GRANDIT miraimil
GRANDIT miraimilは、GRANDIT株式会社が提供する中小企業向けの統合型ERPです。販売から人事、給与、資産管理まで幅広い業務に対応しており、共通マスタを用いてデータの一元管理を実現します。
「テレワークへ移行したい」「バックオフィス業務を効率化したい」「低価格で導入したい」など、多様なニーズに応えることができ、個々の事情に合わせた導入が可能です。
とくに海外取引や個別在庫管理に対応しているため、商社や卸売業にとって使いやすいのが特筆すべき点です。また、継続取引管理や台帳管理ができるなど、サービス業向けの機能も充実しています。
【プラン・料金】
- 要問合せ
キャムマックス
キャムマックスは、株式会社キャムが提供する中小企業向けのクラウドERPです。月額7万円の低価格から利用できるのが特徴で、シンプルな料金プランで導入・運用ができます。
搭載する機能は、販売管理、購買管理、在庫管理、財務会計の4つ。とくに、ECサイト、卸、実店舗などのオムニチャネルに対応した販売管理を実現できるのが強みです。
連携機能においては、Amazonや楽天などのECモール、メイクショップやShopifyなどのECサイトなどに対応しています。60日間の試用期間を設けているので、まずは試してみたい企業にもおすすめ。自社にフィットしそうだと判断できた段階で、本格的に導入を進められます。
【プラン・料金】
50,000円(基本料金)+ライセンス数×20,000円
NetSuite
NetSuiteは、Oracleが提供するクラウドERPシステムです。世界26,000社以上で導入されており、シンプルなビジネス構造の中小企業やスタートアップ企業に採用されることが多いです。
機能は、財務会計管理、受注管理、生産管理、サプライチェーン管理、倉庫管理、プロキュアメント、人事管理に対応。標準で組み込まれるBIを活用すれば、各システムで収集したデータを自動で分析し、示唆に富むヒントを得られます。
また、拡張性に優れているため、事業規模がこれから大きくなると予想される場合でも、柔軟な運用が可能です。場所を問わずにアクセスできるモバイルアプリケーションや、リアルタイムでカスタマイズができるダッシュボードを用意するなど、UXにこだわって設計しています。
【プラン・料金】
- 要問合せ
SAP Business One
SAP Business Oneは、SAPが提供する中小企業向けのERPです。システムを単独で運用できるだけでなく、SAPのHANAプラットフォームと統合させ、2層ERPを実現できるのがポイントです。
搭載する機能は、財務管理、販売・顧客管理、購買・在庫管理、ビジネスインテリジェンスの4つ。各システムで収集したデータは、リアルタイムでレポート上に反映されるため、即座に意思決定できます。
また、製造業、小売業、商社・卸など、幅広い業種に対応。消費財を扱う企業や、プロフェッショナルサービスを提供する企業にも好まれて使用されています。
【プラン・料金】
- 要問合せ
中堅~大企業におすすめのクラウドERP9選
を比較
以下では、中堅~大企業にとって導入しやすいクラウドERPを7製品ご紹介いたします。
ZAC
ZACは、株式会社 オロが提供するクラウドERPです。主に、システム業、広告業、コンサルティング業など、案件や契約、プロジェクト単位で業務を遂行する企業に向いています。
急速に事業規模を拡大しているベンチャー企業から、安定的な成長を目指す大企業まで、750社以上の導入実績を誇っています。プロジェクトごとに正確な損益管理をしたり、数か月先の売上を予測したりしたい企業に最適です。
対応業務は、プロジェクト管理、販売管理、在庫管理、工数管理、文書管理など、合計で14つと非常に幅広いのが特徴。モジュール単位ごとに購入できるので、自社の業務に合わせて柔軟に導入できます。
【プラン・料金】
- 要相談
奉行V ERP
奉行V ERPは、株式会社オービックが提供する、中堅・成長企業向けのクラウドERPです。従来の買取型から、サブスクリプション型へ変更することで、導入費用を大幅に抑制。システム間の連携機能を強化し、より柔軟な運用が可能になっています。
とくに、中堅企業や上場企業においてニーズの高い、DX推進やIPO準備、グローバル対応などの要件に対応しているのが特徴。月間稼働率99.9%を保証したり、SOC1,SOC2報告書を取得したりするなど、セキュリティ面で安心して利用できます。
導入方式は、Microsoft Azureを基盤にしたSaaSモデルと、パートナーのパブリッククラウドから選択するIaaSモデルの2種類から選択可能です。自社の要件や業務に合わせて柔軟に導入できます。
機能は、会計、人事労務、販売管理、ミドルウェア、データ活用DBの5つを用意。事業のあらゆるデータを収集し、経営力や組織力を向上させられます。
【プラン・料金】
- SaaSモデル
- IaaSモデル
SKit FLEXi
SKit FLEXiは、株式会社NTTデータセキスイシステムズが提供する、クラウド型統合基幹システムです。積水化学グループのノウハウを活用しているのが強み。年商30~500億円の製造業、卸売業、小売業、サービス業での導入実績が豊富です。
SKit FLEXiを利用することで、販売業務、仕入業務、経理業務、経営業務などを一元的に管理することができます。自宅や外出先からのアクセスにも対応しており、場所を限定しない働き方の実現が可能です。
また、要件に合わせてモジュールごとのカスタマイズができるため、柔軟な価格設定で利用できます。社内にIT専門家が不足している場合や、後継者不足の問題を抱えている場合におすすめのクラウドERPです。
【プラン・料金】
- 要問合せ
OBIC7
OBIC7は、株式会社 オービックが提供する統合業務ソフトウェアです。とくに「会計」の分野に強みをもっており、人事、給与、販売、生産などのシステムを組み合わせることで、統合管理ができる仕組みを提供しています。
OBIC7では、特定の業種に特化したソリューションを別に提供しているのが特筆すべき点。設計、商社、運輸、物流、小売、金融など、多彩な業種から選択し、自社に合わせた導入ができます。
導入形式は、すべてプライベートクラウドで提供しているのが特徴。自社専用の環境を構築し、強固なセキュリティで運用することが可能です。決算を早期化したい企業や、グループ全体での最適化を目指したい企業に適しています。
【プラン・料金】
- 要問合せ
ProActive
ProActiveは、SCSK株式会社が提供するクラウドERP。国産のERPベンダーとして28年間、6,200社以上の実績をもつのが最大の強みです。年商が50~100億、500~1,000億円の企業で導入される傾向にあります。
同社では、パブリッククラウド、プライベートクラウド、オンプレミスの3種類から利用形態を選択可能。2種類を組み合わせる「ハイブリッドクラウド」での運用にも対応しています。
また、自社の事業に合わせてカスタマイズやアドオンを実施できるがうれしい点です。アドオン開発を選択すれば、バージョンアップ後でも少ない作業量とコストで対応できます。
ProActiveでは、財務・経理部門向け、人事・労務部門向け、経営企画部門向けの機能を利用できるのがメリットです。グループ導入や働き方改革、勤怠管理の効率化など、さまざまな目的に合わせた提案をしています。
【料金・プラン】
- 要問合せ
Oracle Cloud ERP
Oracle Cloud ERPは、Oracleが提供する多機能型クラウドERPです。財務、プロジェクト管理、調達、EPMなど、使える機能が多いため、複雑なビジネスプロセスをもつ企業に適しています。
Oracle Cloud ERPの導入企業は、Dropbox、FedEX、MAZDA、Western Digitalなど、グローバルリーダーばかりです。同製品を導入することで、世界規模での統合的な経営資源管理を実現できます。
主要な機能である財務管理においては、買掛金と資産の管理、収益管理、経費管理といった業務を一つのプラットフォームで完結させることが可能。財務状況をリアルタイムでレポート表示したり、経理のタスク状況を確認したりできます。
【プラン・料金】
- 要問合せ
SAP S/4HANA Cloud
SAP S/4HANA Cloudは、SAP社が提供する大企業向けのクラウドERPです。人工知能を搭載しているのが特徴で、各システムから集めたデータをもとに、高度な分析や予測を行えます。
対応する業務は、設備資産管理、ファイナンス、製造、研究開発、セールス、調達・購買など。業界のベストプラクティスを利用することにより、従業員レベルでの高度な意思決定が可能になります。
さらに、組み込み型の業種別機能を活用し、自社に合わせた目標設定や生産性向上へ取り組めるのがメリット。二酸化炭素排出量や、社内で発生する資材の流れなど、サステナビリティに関するインサイトも得られます。
【プラン・料金】
- 評価版:14日間無料
- SAP S/4HANA Cloud:カスタム価格
クラウドERPを比較して、自社に適した製品を
導入しよう
この記事では、クラウドERPの概要や導入メリット、サービスなどをご紹介いたしました。クラウドERPの市場規模は年々拡大しており、今後も導入する企業が増えるであろうと予測されています。
サービスを比較検討する際は、対応する規模や業種、業務などを確認しましょう。なかには、業種特化型の製品や、業務に合わせてカスタマイズできる製品もあるので、積極的に活用するのも一つの手です。
クラウドERPは、サービスがさまざまにラインナップされています。なかでも「Microsoft Dynamics 365 Business Central」は、中小企業にとって導入しやすいクラウドERPなのでおすすめです。ぜひこの記事を参考に、自社に適した製品を見つけてみてください。