クラウド型RPAツールは、どのような場合に選ぶべきか

近年、政府主導で進められている働き方改革に対する有効な対応策として、RPAが注目を集めています。しかし、種類が多いため、どのツールを選べばよいのかわからないという声があるのも事実です。
この記事では、クラウド型とインストール型(オンプレミス型)のRPAツールを紹介し、それぞれメリット、デメリットについて解説します。自社に最適なツールを選択し、有効に活用するための参考にしてください。

クラウド型RPAツールとは

クラウド型はRPAのツールをインターネット経由で利用する形態のことです。ツールをパソコンにインストールするのではなく、ユーザーがインターネット上でサービスにログインして利用します。

メリット

・導入コストが小さい
アプリケーションをインストールするためのデスクトップやサーバーが不要となるため、インストールが必要なタイプに比べて導入コストが抑えられます。

・利用開始までの期間が短い
新たにアプリケーションをインストールする必要がないだけでなく、利用登録後すぐに利用を開始できるツールも多く、利用開始までの期間が短くなります。

・新しい機能がすぐに利用できる
アップデートが自動的に適用されることが多いため、新しい機能が追加された場合にすぐに使うことが可能です。

・スケールアップが容易
データを保管するストレージや処理を行うCPUやメモリなど、リソースの追加が簡単にできます。

デメリット

・利用者の端末上のアプリケーションを操作できない
インターネットから操作をするため、セキュリティの関係でインターネットからアクセスすることの出来ない社内環境環境への接続や、端末に保存されているファイルの操作などはできません。

・障害発生時のダメージが大きい
サーバーがダウンすると、全ての自動化処理が実行不能に陥ります。原因調査等を含め、サーバーが復旧するまでの間は何もできなくなるというのは大きなデメリットです。

・セキュリティ面に課題がある
インターネット経由で接続できるため、不正アクセスにさらされる可能性などセキュリティ面に課題があります。

インストール(オンプレミス)型RPAツールとは

インストール(オンプレミス)型RPAツール

インストール(オンプレミス)型RPAツールとは、社内のサーバーや利用者自身のデスクトップ端末にインストールして利用するタイプのツールです。サーバーにインストールするタイプはサーバー型、パソコンにインストールするタイプはデスクトップ型と呼ばれることもあります。
クラウド型ツールとの大きな違いは、社内環境にツールが導入できカスタマイズが容易であるため、社内システムと連携をさせて活用ができるという点です。自社内の他のシステムに接続することも、デスクトップ端末上のアプリケーションと連携することもできます。自由度が高いツールといえるでしょう。

メリット

・社内の他のアプリケーションとの連携ができる
自社内のサーバーやパソコンに導入するため、社内で稼働中の他のシステムや、デスクトップ上にインストールされたアプリケーションと連携できます。

・セキュリティ面が強い
社内からのみアクセス可能にするなど、セキュリティ面のコントロールがしやすいというメリットがあります。クラウド型と比較すると管理も容易です。

デメリット

・管理が属人化しやすい
各個人のパソコンに導入するか、サーバーにインストールされるため、各環境の管理者に依存した使い方になりやすい傾向があります。
特にデスクトップ型の場合は作業範囲が比較的小規模になるため、組織として共有しつつ使用するのが難しくなります。

・コストが高い
サーバーやパソコンにインストールして導入するタイプのツールは、最初から高機能なツールを導入し維持していくため、費用が高額になる傾向があります。

クラウド型とインストール(オンプレミス)型のどちらを選ぶべきか?

クラウド型とインストール(オンプレミス)型のどちらを選ぶべきか?

ここまで、RPAツールの2つのタイプを比較して、それぞれの特徴とメリット・デメリットについて解説しました。では、企業で導入する場合、どちらのツールを選ぶのがよいのでしょうか。

1.デスクトップアプリケーションとの関連性

クラウド型はデスクトップ上のアプリケーション操作ができません。自動化対象業務がExcel等の業務アプリケーションを必要とする場合は、インストール型のツールが向いています。

2.RPAツールの運用を自社内で行えるか

インストール型ツールを選択する場合は、エンジニアによるサポート体制が作れるかどうかがポイントになります。障害やエラーなどの問題に直面した際、非IT職の担当者だけでは解決が困難な場合も出てくるでしょう。エンジニアによるサポート体制の構築が困難な場合は、自社で運用する必要のないクラウド型が向いています。

3.導入規模

特定の部署や少人数のチームで導入する場合、すぐに始められて手軽に利用できるクラウド型のツールの方が強みを生かせるケースが多くなります。
もし全社規模のプロジェクトなど、準備や導入に多少コストをかけてもたくさんのロボットを管理したいという場合には、サーバーにインストールするタイプのツールで全社的に展開する方が、その恩恵を受けやすいでしょう。

最後に

クラウド型RPAツールとインストール型(オンプレミス型)RPAツール、どちらにもメリット、デメリットがあります。導入目的を明確にしたうえで比較検討するのがおすすめです。

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