RPAを全社導入するメリットと成功に導くためのポイント

働き方改革などにより企業全体での働き方が変わり、業務の見直しによる効率化が促進されています。労働人口の減少が今後も続くと予想される中、人手不足解消の切り札として注目を集めているのがRPAと呼ばれる、ロボットによるオフィス業務の自動化技術です。すでにバックオフィス業務で導入済みの企業が全社導入する動きも見られます。

RPAを全社導入するメリット

RPAは人事や総務、経理など定期的な業務から導入されるケースが多いです。こういった業務はコンピューターによる処理であっても、入力などを手作業で行っている場合はミスが起こりうるため、チェック工程が不可欠です。処理速度やミスの発生率に個人差があるだけでなく、気分や体調によるムラや疲労による作業効率の低下もあるでしょう。場合によっては、通常の人件費に加え、時間外手当が発生してしまいます。
しかし、これらの業務を自動化すれば、ロボットが手作業よりも早く一定のスピードで処理してくれるため、処理にかかる時間を大幅に短縮できます。人手を介さないので作業の正確性が確保されますし、チェックも不要になります。また、業務担当者の負担が減り、人件費の削減効果も見込めるでしょう。

より大きな効果が期待できる

複数の部署がかかわっている業務も効率化することができます。一部の部門だけで導入するのではなく全社的に展開することで、業務の効率化や人件費の削減の効果も大きくなります。

管理がしやすくなる

全社導入の際には、RPAにどのように業務を登録するのかや運用に関する会社全体で共通のルールを決める必要があります。同じルールに則って全社で運用されるため、管理担当者の負担を減らすことにもつながります。

導入の進め方

導入の進め方

導入の進め方はメインとなる部門により、現場メイン型、情報システム部門メイン型、トップダウン型の大きく3つにわけられます。情報システム部門メイン型は全社展開が比較的容易で、トップダウン型は業務フローの大胆な見直しが必要となります。

導入を要する業務の洗い出し

まず、行われている業務のフローを図にしたり文書化したりして、自動化が必要な業務の洗い出しを行います。
RPAで自動化できるのは、一定のルールに従って反復的に行う業務です。工程が変化する、もしくは人間の判断が必要な業務は自動化に適さないため注意が必要です。

ツールの選定

洗い出した業務を自動化するRPAツールを選定します。必要な機能が備わっているか、業務担当者が使いこなせるか、導入・運用コストなどが選ぶ際のポイントです。中堅企業などで複数人が利用する場合は、サーバー型やクラウド型がおすすめです。

テスト運用を行う

全社導入する場合も、まず自動化に適した業務の多い部門において、導入範囲を限定してテスト運用を行う方がうまく行きます。一定期間経過後は効果の検証を行い、導入範囲を広げながらフローの見直しやノウハウを蓄積することがポイントです。成功事例を作りながら、徐々に導入する部門を増やして行きましょう。

全社展開

全社展開する段階になると、部門同士の連携や役割分担など新たな課題が出てきます。これらについて検討すると同時に、RPAロボットの運用について共通ルールの策定や管理体制の整備を行います。

効果の検証

労働時間やコストの短縮など、どれほど効果があったのか数値で検証します。数値にすることで目標が達成できたかどうかや、前回の効果検証時との差が分かりやすくなります。
また、エラー件数など、ロボットが安定稼働しているかどうかの指標も重要なチェックポイントです。数値によっては、自動化させる業務の変更やRPAツールの再選定が必要となります。

全社導入をスムーズに進めるためのポイント

全社導入をスムーズに進めるためのポイント

全社導入を進める際に最も重要なのは、運用管理です。次の3つのポイントを押さえておきましょう。

野良ロボットの発生を防ぐ

野良ロボットとは異動や退社などにより管理者がいないロボットのことです。野良ロボットは必要なメンテナンスが行われないため、トラブルの原因になる可能性もあります。作成したロボットは共有を義務付け、管理を徹底することが大事です。

RPAをしっかりと活用する

RPAの特性を知り、それに見合った業務に活用することが重要です。情報システム部門や外注先が作成する場合は、業務の内容について十分な摺り合わせを行いましょう。業務担当者に操作を覚えてもらうことも必要です。

不正な動作をするロボットの出現を防ぐ

自動化が適切でない業務にRPAを適用したり、作成したロボットが業務の現状に合わなくなったりした場合は、処理が正常に終了しなかったり、そのことに気づかなかったりする可能性もあります。ロボットの動作については、常にチェックしておくことが大事です。

とはいえ会社全体で運用ルールを定めたとしても、運用管理をするのは難しい現状もあります。運用管理の機能をもったRPAを導入すると便利です。

最後に

RPAは事務作業がメインの部署でだけ導入するものと捉えられることが多いですが、会社全体でみると自動化に適した業務は意外と多いものです。しっかりと管理・運用を行い全社導入することで生産性の向上を狙いましょう。

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