社内の問い合わせも意外なほど工数を食います。そこで、チャットボットは社内の工数を削減します。チャットボットは、問い合わせに自動で応答できるので、質問が定型であったり、一定のパターンがあったりする場合はなお効果を発揮します。
規模の大きな組織や連結子会社を抱える大企業の場合、社内問い合わせはある程度の予測が立ちます。もちろん予期せぬ例外も発生しますが、ほとんどは定型となりますので、チャットボットが大活躍します。
では、今回は社内の問い合わせにチャットボットが大活躍する部署や、メリット、おすすめの企業、チャットボットが向いている問い合わせの種類などをみていきます。
情報システム部門や社内システム部門で大活躍
多岐にわたる問い合わせへの対応
情報システム部門は、社内のネットワークを構築したり、外から買ってきたパッケージを適用させたりして社内システムの面倒をみています。そこでやってくる問い合わせは多岐にわたり、たとえば、
- 新しいシステムの操作を習ったが、忘れてしまった
- ウィルスを踏んでしまったかもしれない
- 何もしてないのに画面が真っ暗になった
- コピー機が何度トナーを変えてもすぐに印刷できなくなる
など、さまざまな問い合わせがやってきます。問い合わせがやってはくるものの、ほとんどが定型文であり、パターン化されています。操作の方法、ウィルス、PCの不調・・・多くが、情報システム部門とは直接関係のない問い合わせですが、それでもほかにコンピュータに詳しい人がいないため、情報システム部門にパソコンそのものの問い合わせが来るケースが多くなっています。
そして、PCが動かないことには、ほとんどの業務が成立しませんので、情報システム部門も仕方なく対応することとなるのです。これでは、本来の情報システム部門の仕事である、システム構築やベンダーとの調整などの業務を圧迫してしまうこととなります。
多くの問い合わせはチャットボットで完結する
そこで、社内問い合わせのパターンを覚え込ませたチャットボットを設置すれば、だいたいの問い合わせはチャットボットで完結するのです。コンピュータ周りはたいていの場合、Google検索すれば解決することがほとんどですが、何らかの事情で検索できない環境にあったり、検索で結果を得ることに慣れていなかったり、対応方法を読んでも必要とされる前提知識が多すぎて対処できなかったりなどした結果、「詳しい人に聞くしかない」という結論になることが多くあります。それらが、情報システム部門を多忙にします。
そこでチャットボットがあれば、そうした予測しうるパターンを網羅し、あらかじめ準備することで、社内からの問い合わせは劇的に減ります。情報システム部門の本来の働きを取り戻し、より組織のためになるシステムの開発やミーティング、要件の洗い出しといった本来の意味での仕事に専念できるのです。
問い合わせに忙殺されなくなれば、情報システム部門が活躍して、社内全体の効率や生産性は大いに上がります。チャットボットを導入しただけで、工数が減るのみならず、業務に専念できて仕事の成果が上がり出すのです。
社内問い合わせにチャットボットを導入するメリット
では、実際に社内問い合わせに対して、チャットボットを導入していくメリットをみていきます。
フルタイムで問い合わせをカバー
まず、チャットボットなら24時間体制で質問に応答できます。昨今、リモートワークとフレックスが掛け合わさった結果、人(スタッフ)によって仕事している時間がまちまちなことがあります。とくに育休推進やダイバーシティを広く掲げている企業ほど、ワーキングマザーやファーザーが子供を寝かしつけた夜間の仕事を認めているケースも多々あります。
さらに、朝型の社員はフレックスで早朝に働き、午後からエンジンがかかるタイプの社員は午後から・・・という働き方も、ダイバーシティの浸透や権利意識の向上とともに柔軟になりつつあります。とてもいいことである反面、リアルタイムの動的なコミュニケーションが取りづらくなります。
時間がすれ違っても、情報交換する必要がある場合、チャットボットは最適です。フルタイムで問い合わせをカバーし、AIがどんどん学習していきますから、人間の問い合わせ応答がなくとも、社内業務の運営がスムーズに回る体制を構築できてしまいます。
知識(ナレッジ)・知見の集約
そして、知識(ナレッジ)や知見の集約も可能です。今まで、人が質問に対応していたときは、担当者によって知識の習熟度が異なるケースがあり、それが応答品質のばらつきを招いていました。応答品質がばらついているということは、ナレッジが共有できていないことを意味します。
そこでチャットボットを導入すれば、ナレッジの集約になりますし、応答品質も一定になります。しかもチャットボットはAIを搭載していますので、単語の“ゆらぎ“やあいまいなフレーズ、そして多種多様な質問と応答そのものが、ナレッジとしてたまっていきます。これは社内の資産であり、貴重なデータにもなり得るでしょう。
また、特定の操作に対して質問が集中する場合は、その操作そのものに何らかのボトルネックがあるということがわかります。業務フローがよくないのか、システムが業務とマッチしていないのか、負荷がかかりすぎて処理が重たくなっているのか等、システム上の欠点ともいえる部分を洗い出せるのです。
ボトルネックを洗い出し、改善に着手できれば、本来的な意味での生産性は大いに向上します。社内問い合わせが発生している時点で、質問する側も応える側も本来業務が停滞していますから、チャットボットでナレッジを集約して改善すれば、問題が解消されてスムーズに仕事が流れるようになります。
応答コストの削減
そして見逃せないのがコストの削減です。応答は人が対応する限り、その人の人件費がかかりつづけます。人件費がかかるだけでなく、本来その人ができた仕事の機会損失も発生します。質疑応答が社内向けであればあるほど、かかるコストと損失は大きくなっていくのです。
今や人手不足の時代で、専門性を持った人は特に足りていません。貴重なリソースが社内に振り向けられると、会社としては損失です。社内の応答に“価値“がないとはいえませんが、もっと生産性の高い業務に振り向けるのが経営課題ではないでしょうか。
チャットボットは、応答コストを減らし、より時間を生産性の高い方向に振り向けます。その結果が会社全体に波及すれば、会社の利益率も改善しますし、リソースが最適化されることで売上の拡大にもつながるかもしれません。チャットボットは小さな改革のようでいて、大きなパワーを秘めているのです。
おすすめのチャットボット
CB3は、社内&社外にどちらも対応する汎用型
社内のナレッジの集約と、社外からの問い合わせをまとめて、総合的な知見として活用したい場合は、NDIソリューションズのCB3がおすすめです。
CB3は、汎用的なチャットボットソリューション。社内向けにも社外向けにも同じCB3で対応できるので、ナレッジがどんどんたまっていきます。さらに、事業を横断してナレッジ活用でき、(事業)横断検索も可能です。
https://www.ndisol.jp/solutions/advanced_technology/cb3/cb3_index.html
HiTTOは、コミュニケーションを刷新し創出
HiTTOは、HiTTO株式会社が運営する社内向けチャットボットソリューションです。
ユーザー画面には、「一問一答」「シナリオ」「サジェスト」「コメント送信」などがあり、シンプルなUIで使いやすさは抜群です。チャットワークやSlackなどのビジネスチャットとも連携し、直感的に理解できユーザーを惑わせない設計になっています。
また、管理画面のレポート機能も精度が高く、回答の遷移、質問件数などもグラフィカルに表示され、HiTTOがどのように社内で使われているかを可視化できます。
IBM製の歴史あるAI、Watson
2006年に登場したIBMのWatsonは、長い歴史を持つ有名なAIです。そのWatsonが搭載されたチャットボットUIが、Watson Assistant(ワトソン・アシスタント)で、LINEなどとも連携が可能になっています。
自然言語を理解し、人間が何を話しているか解析して的確な答えができるWatsonは、複雑な質問、少し抽象度が高い質問も分析してしまうのです。適切に回答するには、回答フローが必要ですが、そのフローの分岐に対して適切な誘導を行うのがWatsonの強さとなります。
向いている問い合わせの種類
問い合わせの数でも、向いているチャットボットは異なります。チャットボットにはAI搭載型と、AI非搭載型があり、さらにAI搭載型のFAQシステムも存在するのです。
- 問い合わせのパターンが~50件まで・・・AI非搭載型チャットボット
- 問い合わせのパターンが50~200件まで・・・AI搭載型チャットボット
- 問い合わせのパターンが200~・・・AI搭載型のFAQシステム
の導入がおすすめとなります。
AI非搭載型は、特にAIで考える必要のないシンプルな質問かつ、問い合わせの総パターンがそれほど多く存在しないケースに最適です。シンプルで理解しやすいプロダクトを扱っている場合は、問い合わせの内容も極めてシンプルなので、AI非搭載型のチャットボットなら費用対効果も高くなります。
AI搭載型は、ある程度質問と応答にバラエティがある場合に最適です。人はそれぞれ言葉の“癖”があり、理解の仕方も異なるので表現方法も変わります。よって、聞き方に多様性があるので、そこに対応できるのはAIが搭載されたタイプのチャットボットです。ナレッジを集約して活用するのにぴったりとなります。
AI搭載型のFAQシステムは、シンプルに回答するよりも、たくさんの回答パターンの中から適切な質問への回答をピックアップするのに優れています。単なるチャットボットでは、UIとしてあまり向いていないことがあるのです。よって、AI搭載型FAQシステムを社内に搭載すれば、複雑な質問と複雑な回答パターン、そして大量の質問もさばいていけます。
まとめ
社内の問い合わせは、生産性を下げる側面があるのは否めません。といっても、チャットボットがあれば、その課題を簡単に乗り越えられてしまいます。なぜなら、社内のナレッジ共有に振り向けられていたリソースが、外に、つまり顧客や市場の方向へ、価値の創出に向かって動き出すからです。そうなれば、会社としてはとても頼りになる戦力になります。
しかも、チャットボットはそれほど高額ではないシステムなので、導入によるコストパフォーマンスも上々です。よって、費用対効果は抜群で、導入しない方がデメリットがあるぐらいです。ただ、「人が対応しない」ということに抵抗を持つ方は多いのですが、それも一度使ってみていただくと、気兼ねなく聞けるという便利さを評価してくださる方がほとんどです。
社内の問い合わせに最適な、社内チャットボット。使えるのは社外と社内とをナレッジが横断し、どんどん知見をためていけるタイプのチャットボットではないでしょうか。