型的に行われる業務をルール化することで業務を自動化することができるRPA。業務における人的なリスク軽減にもつながるため、導入する企業は増えています。とはいえ、導入に際しては様々な悩みが付きまとうものです。導入前後のよくある悩みやその解決策を念頭に置いて、検討してみてください。

RPAの導入に関わる企業の悩みとは

どのツールが良いのか分からない

現在では、国内外問わず数多くのツールが開発されています。だからこそ、どのツールが自社の業務により適しているのかというのかが分かりづらいという悩みがあります。

自社でも効果が出るのかが分からない

企業の規模や業種などによって、抱えている課題は異なります。特に中小企業の場合は事務作業が多くはないことから、実際に導入しても効果が出るのかが分からないといった疑問を抱えているところもあります。

解決策

ツールの選定では、各ツールの機能や価格だけを比較するだけでは不十分です。自社の業務に合った機能があり、活用できそうかどうかを見極める作業が必要になります。それにはまず業務の洗い出しを行い、その中で自動化できる業務があるかどうかを検証してみましょう。検証にはツールに関する知識を持つ業務整理の専門家に協力を仰ぐのも良いでしょう。

また、ツール選びの段階で躓いてしまっているのは、ツール選定を行う部署の人間が選定に充分な知識を持ち合わせていないことが一因として挙げられます。ある程度のロボット・ITの知識を持ち、操作もできるように社内人材を育成していく必要があります。将来的には不具合の対応や拡張なども、外部に頼らず社内で取り組む必要性が出てくることを考えれば、担当部署の社員への教育は不可欠です。オンライントレーニングやワークショップなどの活用も視野に入れておきましょう。

RPA導入後の悩みとは

導入前だけではなく、実際に導入したあとも、うまく稼働させるためには効果検証が必要です。

どの業務をRPA化すべきか分からない

対応している業務のうち、どの業務であれば効率化できるのがわからない、ということも。RPA化がスムーズにいく業務は同じ作業を繰り返し行っているような業務です。ただし人間にとっては繰り返しでも、機械にとってそうでない場合もありますので要注意です。

期待していた効果が出ていない

RPAは導入するだけでは効率化ができません。例えば100時間かかっていた業務の効率化の目標を50時間への削減と掲げていたとします。それが80時間にしかならなかった場合、RPAをうまく活用できていない可能性があります。

解決策

どの業務が自動化できるかわからないなら、まずは自動化できる業務を洗い出す作業が必要です。部署によって異なる形式の帳簿データを使っているならすべて統一するなどして、自動化できるようにこれまでの業務の一部を変えていくことも時には必要になります。

また期待していたほどの効果が得られていないと感じる場合には、そもそも「どんな業務にもRPAを導入しさえすれば効率化できる」という誤解があるのではないでしょうか。RPAには、適している業務とそうでない業務があります。適していない業務をさせても、効率が上がらないどころか反対に社員の作業負担が増えてしまうケースがあります。シンプルな処理、パターン化された定型的な業務のみをRPAに任せれば、格段に効果が上がります。

RPAは適した業務への運用が大切

RPAツールを導入する目的は、社員が事務処理などの単純業務をせずに済み、営業やクリエイティブな作業に従事できる時間を増やすことにあります。もちろん、どの企業でも人員は限られていますので、少ない人手を補完する目的で導入する場合も多々あるでしょう。機械には機械に適した業務があります。そうした業務をツールに一任することができれば、社員が自分のやるべき仕事に集中するための大きな支えとなります。

効果的な導入のためには、最初に業務の流れを可視化することです。どこに改善が必要かを明確にしてから、必要な機能を備えたツールを導入しましょう。実際に導入してからは、担当の部署が導入の効果を検証する作業を忘れずに行います。定期的に検証して、業務の流れややり方にさらなる改善ポイントがないか、さらに業務データの一元管理を全社的に進められないかなどをチェックしてください。ツールを実際に使うのは現場ですので、現場の生の声をヒアリングするのも大切です。そこから新たな課題も見えてくるでしょう。

最後に

RPAの導入がきっかけで業務内容が変わる場合もあります。PRAに合わせて仕組みを改変できる柔軟性を社員一人一人が持てるように、全社を挙げて協力し合いましょう。RPAは定期的なメンテナンスで、長く運用することができます。継続的なRPAの活用により、社員が自分の仕事に最大限のパワーを発揮し続けることができれば、自社の大きな強みになるはずです。

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