RPAとAIの長所を一つに。AI Fabricで業務に合った自動化を

あらゆる事務作業を自動化することで注目されているRPA。そして、コンピュータが人に代わって判断を行うAI。業務効率の改善のために、これらを活用したいと考える方も多いですよね。これまでは、AIを使うには学習プログラムの作成が必要であることから、専門的な知識なしでこれらを使用することは容易ではありませんでした。AI Fabricはそういった問題を解決してくれるツールです。既存のRPAソフトに簡単にAIを組み合わせることで、知識を持たない方でも業務の効率化が目指せます。

AIを自由に選べる。便利なAI Fabric

AI Fabricとは、AIをRPAのワークフローに取り入れ、さらなる自動化を図ることができるソフトウェアです。AIの長所とRPAの得意分野を掛け合わせることで、これまでRPA単体で自動化できなかった業務もAIの判断で自動的に行うことができます。

感覚的にAIとRPAを組み合わせる

AIモデルを選択しドラッグ＆ドロップする簡単な操作でRPAと連携できます。

AIを自由に選べる

すでに自社でAIを利用している場合も、組み合わせて使うことができますが、UiPath社が提供する簡易実装されたAIプログラムの中から、最適なプログラムを選択することもできます。
現場に必要なAIを選択できるため、業務内容に合わせて実用的なものを導入できるという特長があります。また、既存のベンダーが公開しているプログラムも使用可能です。

AI Fabricの導入によって自動化できる業務フロー

AI Fabricを活用して、AIとRPAを組み合わせることで、これまでRPA単体では不可能とされていた画像の認識や音声認識などの業務も自動化できるようになります。RPAはパソコン内部のデータを読み取ることが得意ですが、デジタル化されていないデータを読み取ることは難しいとされています。こうした不得意な分野をAIに補ってもらうことにより、さらなる効率化を図ります。

AI Fabricで実現可能なこと

AI Fabricを使用すれば多くの業務が自動化できます。例えば、AIで届いたメールや、カスタマーセンターなどの音声の問い合わせ内容を自動解析して、特徴的な単語を分析します。何について尋ねているかなどをチェックし、どこの部署に割り振るべきか判断し、RPAによって自動振り分けを行うといった自動化フローが実現できます。これにより、今まで一件ずつメールを開けてチェックしていた業務が簡略化できるのです。担当者は自分に関係のあるメールだけを確認できるので、稼働の短縮につながります。

また、視覚情報を分析することもできます。一部の工程で紙の伝票や帳票を使っている、という企業は多いのではないでしょうか。AI Fabricなら、それらをスキャンしてデータを読み取り抽出できます。例えば、アンケートをもとにしたデータの集計です。顧客から紙で届いたアンケート結果をデータ化し集計を行います。手入力でデータに起こし集計する時間を削減すれば、サービスの改善や新製品の開発に時間を割くことができ、より顧客を満足させられるサポートが可能になるでしょう。

AI Fabricの活用事例

AI Fabricの活用事例を見ることで、導入によりどんなメリットが得られるのかイメージしやすくなります。

社内便到着の自動通知を実現

ここでは社内便の自動通知の事例を見ていきましょう。

ある会社では、社内便の確認のために一日数回、社員が社内便の棚をチェックし、届いていれば部署へ通達していました。この方法では社内便があってもなくても、人が確認に行かなければならず毎日一定時間のロスが生じてしまいます。そこでAI Fabricを導入して下記のワークフローを作成し、通知の自動化を図りました。

1.社内便の棚にネットワークカメラを設置。
2.RPAで社内便が届く時間帯に自動撮影を行い、撮影データをAIに引き渡し。
3.AIが画像処理を行い社内便が届いているか自動判断を行う。
4.画像処理の結果をRPAが確認し、届いている場合は担当部署に通知。
5.通知を受けた担当社が回収

これにより、確認担当者の稼働が大幅に短縮され、社内便が届いたことが分かっているときのみ回収することが可能になり、残りの間をより有用な業務へ振り分けることができました。

簡単な業務、小さな業務を自動化することにより、大きな自動化のアイデアが生まれることや、改善が図られることがあります。顧客の在庫管理などにも応用できる活用事例です。AI Fabricならプログラム開発に時間がかからないので、小さな業務から自動化していき、少しずつ拡大するという方法も可能です。

最後に

複雑なプログラミングができなくても、AIの開発・導入を簡単に行える仕組みを作り、ビジネスへのAI活用・普及を目指しているUiPath社。そんなUiPath社が提供している、RPAとAIを組み合わせたAI Fabricを活用すると、どのような業務が簡略化できるか事例を挙げて紹介してきました。
今後のAI開発で対応可能な業務フローが拡大することによって、さらなる業務効率化を推し進められるとともに、コア業務に集中できる体制づくりに貢献してくれることが期待されています。