企業の来訪者受付では、手書き名簿への記入と内線による呼び出しが一般的ですが、これは非効率でセキュリティ面でのリスクも伴う運用です。

こうした課題を解消し、業務効率化と安全性を同時に高める仕組みとして注目されているのが「QRコード(※)受付」です。本記事ではQRコード受付の導入メリットと、多くの企業様に選ばれているQRコード受付システム「APOTORO」について詳しく解説します。

※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

まだ内線電話呼び出しと手書き名簿?受付業務が抱える課題とは

来訪者が受付で名前を記入し、その間に受付担当者が内線で担当者を呼び出す――。ビジネスシーンではありふれた光景であり、今も手書き名簿と内線の呼び出しで運用している企業も多いのではないでしょうか。

しかし、こうした従来型の受付フローには非効率な面も多く、セキュリティ上のリスクに直結するおそれもあります。

電話取次の非効率性

来訪者が受付に到着するたびに担当者を内線で呼び出すフローでは、担当者が席を外していると連絡が取れない・応対が遅れるといったトラブルが頻発します。

また、来訪者が増えると受付に長蛇の列ができ、電話取次まで時間を要し約束の時間に遅れるおそれもあるでしょう。

電話による取次は人に依存したフローである以上、企業の規模が大きくなるほど人件費も増大しボトルネックとなりやすいのです。

来訪履歴の管理不備

紙の名簿に手書きで記録する運用では、情報の正確性と追跡性に欠けるという課題があります。

たとえば、来訪者の字が判読しづらかったり、記入漏れがあったりすると確認が困難になるでしょう。また、名簿をファイルで保管していると過去の記録を探すのに時間がかかるうえ、紛失や破損のリスクもあります。

セキュリティ体制のリスク

紙の名簿では、外部の来訪者が他人の情報を目にできてしまうため、個人情報や機密情報保護の観点から大きなリスクとなります。

たとえば、名簿を目にしたことで、ライバル企業の担当者が前日に来訪していたことを知ってしまう状況も起こり得るでしょう。

こうした情報は営業戦略や取引状況のヒントにもなりかねず、企業の信頼性や競争上の優位性を損なう危険もあります。

さらに、万が一、来訪者リストが第三者に流出すれば企業の信頼に関わる問題へ発展しかねません。

企業が「QRコード受付」を選ぶべき3つの理由

従来のアナログな受付運用では、人件費やセキュリティ管理、業務効率の面で限界が見え始めています。

こうした課題を解消するための新しい来訪管理の仕組みとして、多くの企業から注目されているのが「QRコード受付」です。

来訪者ごとに発行されるQRコードをスマートフォンで提示するだけで、入館から退館までをスムーズに完結できるため、受付対応の効率化やセキュリティ体制の強化、運用コストの削減が同時に実現できます。

ここでは、企業が今まさに「QRコード受付」を導入すべき3つの理由について具体的に解説します。

1. 入館証の物理的な受け渡しや返却が不要

来訪者の受付手続きにあたって、入館バッジやICカードの入館証を発行している企業も少なくありません。特にICカードの入館証はカードキーとなっているため、厳格な入退室管理ができセキュリティの面からもメリットがあります。

一方で、従来の受付システムではICカードの発行や管理にあたって以下のようなデメリットも考えられます。

  • ICカードを来訪者に直接渡す手間
  • 退館時にICカードを回収する手間
  • 来訪者がICカードを紛失・持ち帰るリスク
  • ICカードの貸出管理簿の記載不備
  • 貸出可能なICカードの枚数に制限がある

QRコード受付なら、来訪者が事前に予約を完了した時点で即座にメールでコードを送付できるため、ICカードの発行や受け渡しに手間がかかりません。また、発行されたQRコードは指定した日時や回数が過ぎると無効となるため、カードの返却や物理的な管理も不要。

オフィスには商談のために訪れる取引先担当者や採用面接者、イベント来場者など、一時的に施設を利用する来訪者も多いですが、QRコード受付はそのようなゲスト対応において大幅な効率化が期待できます。

2. 期限設定と個別化による柔軟なセキュリティ

QRコード受付のもう一つの利点は、来訪者ごとに有効期限や利用可能時間、利用範囲を設定できる柔軟性です。

入館バッジでは利用日時を細かく設定することは難しいですが、QRコードであれば1時間だけ入館する採用面接者や、工事のため3日間限定で出入りする業者などにも対応でき、一時的な入館権限を安全かつ効率的に付与できます。

また、電子錠扉やフラッパーゲートなどの入退設備と連携すれば、入室禁止エリアを個別に設定し不正な侵入も防止できます。

セキュリティポリシーを柔軟に運用することで、企業の信頼性向上にもつながるでしょう。

3. 高い汎用性がもたらすシステム連携の容易さ

ICカードや顔認証による受付システムの構築には専用の端末を導入しなければならず、多額の初期コストを要します。

しかし、QRコードの読み取り技術は汎用性が高く、さまざまな端末で読み取りができるため他システムとの連携基盤として優れています。たとえば、会議室の入退室管理システムや敷地内の車両入退システムとも連携が可能です。

また、クラウド型プラットフォームとの親和性も高いため、将来的な全社DX推進の起点としても活用できるでしょう。初期投資を抑えつつ、持続的なデジタル化を進めたい企業にとって、QRコード受付は現実的かつ戦略的な選択といえるのです。

QRコード受付システム「APOTORO」が選ばれる理由は「セキュリティと連携力」

QRコード受付システムは数多く存在しますが、中でも「APOTORO(」はセキュリティと連携力の両面で強みがありま

単なる受付効率化のツールにとどまらず、入退室管理や物理セキュリティとの、さらに自社開発による柔軟なカスタマイズ対応など、企業の多様なニーズに応え続けてきました。

ここでは、「APOTORO」が多くの企業に選ばれる理由を3つの視点から詳しくご紹介します。

物理セキュリティとの「完全連携」による安心感

「APOTORO」の最大の強みは、電子錠扉やフラッパーゲートといった物理セキュリティとの連携がしやすい点にあります。入退室管理システムはもちろん、セキュリティゲートとの連携を標準機能として備えているため、QRコードが発行されていない部外者の侵入をシャットアウト。汎用性が高いQRコード読み取り技術により、さまざまなメーカーの入退設備とも連携しやすい強みがあります。

さらに、QRコードの発行から認証、通過記録までを一気通貫で管理できるのも大きなポイント。来訪者が受付時に発行されたQRコードをゲートにかざすと、そのまま入館履歴がリアルタイムで記録・反映されます。QRコードの手軽さと厳格なセキュリティを両立する設計こそ、「APOTORO」が選ばれ続ける最大の理由です。

要望を叶える自社開発環境とシステム連携力

「APOTORO」は自社内に専任の開発部隊を持つ自社開発システムのため、導入にあたってはお客様の既存システムやセキュリティポリシー、運用に合わせた柔軟なカスタマイズが可能です。

過去に「APOTORO」を導入していただいたお客様の中には、以下のようなカスタマイズ実績もあります。

【顔認証+QRコード受付】

従業員は顔認証、来訪者はQRコードによる認証で自動ドアを解錠

【無人発券機】

複数の同行者やアポ無しの来訪者にも対応するためにQRコードの無人発券機を設置

【感染症対策】

フラッパーゲートにサーマルカメラを設置                                                  従業員は顔認証+体温計測、来訪者はQRコード認証+体温計測で入館

これ以外にも入退館のデータをクラウド勤怠システムへ反映する仕様や、社内ネットワークと統合し入退館データを記録するなど、さまざまな環境での連携が可能です。

お客様の「こうしたい」に迅速に応えられるのは、自社開発体制を持つ「APOTORO」ならではの強みです。

多様なシステム構築スタイルと豊富な実績

「APOTORO」はクラウド型・オンプレミス型の両方に対応しており、企業規模や運用ポリシーに応じた最適な構築が可能です。

クラウド型は初期コストを抑えながらスピーディーに導入できるのが特長で、複数拠点を持つ企業でも統合的に管理しやすいでしょう。一方、オンプレミス型ではセキュリティポリシーを重視する企業が独自環境で運用しやすい特長があり、堅牢な情報管理体制を実現します。

さらに、中小企業向けの簡易型モデルから、数千人規模の大企業や研究施設、製造現場を対象とした標準プランまで多様なスタイルを展開。導入先の運用フローや規模、コストに合わせて柔軟に設計できます。

受付システムとして10年以上の導入実績を誇り、オフィスや研究施設、製造現場などさまざまな環境での安定稼働を実現しているほか、長年の運用経験とノウハウをもとに導入後のサポート体制も万全です。

QRコード受付システムは「攻めのDX」にもつながる未来への戦略的投資

「APOTORO」が実現するのは単なるコスト削減や業務効率化ではなく、人的コストの最適化とセキュリティ強化を両立する未来への投資です。

従来の受付業務では、来訪者対応や入館証の管理、入退館記録の作業などに多くの人手と時間が割かれていました。

「APOTORO」を導入することで、これらのプロセスが自動化され、スタッフのリソースを本来注力すべきコア業務へ再配分できます。さらに、セキュリティゲートや入退室管理システムとの連携により、不正侵入防止や入館履歴のトレーサビリティ強化にも貢献。

結果として、人件費を回収しながら生産性を高める「攻めのDX」が実現できるでしょう。

受付は企業の「顔」であり、信頼を生む最初の接点でもあります。だからこそ、先進的な受付システムの導入は企業価値を高めるための戦略的なDX投資といえます。

セキュリティ強化や受付業務の効率化に課題を感じている企業様は、ぜひ一度気軽にお問い合わせください。