
ビジネスの効率化やイノベーションを追求する企業にとって、業務プロセスの最適化は避けて通れない課題です。しかし、従来のシステム開発にはコストや時間、リソースの制約が伴います。そのような中で注目を集めているのが、Microsoftの「Power Platform」です。
本コラムでは、Power Platformの概要やできること、活用事例をご紹介した上で、「Dynamics 365 Business Central(D365BC)」との連携についても解説します。
はじめに:西部電気工業の導入支援について

西部電気工業のERP導入支援では、プロジェクト全体を一括契約とせず、工程ごとの契約形式を採用しています。この方法は、「品質・コスト・納期(QCD)」の観点で、お客様にとって多くのメリットがあります。
<品質面(Quality)>
各工程の完了ごとに品質チェックを行うことで、問題を早期に発見・対処できるため、全体の品質の向上が期待できます。
<コスト面(Cost)>
コスト面では、都度の契約により要件を明確化でき、無駄なリスクコストを抑えることが可能です。
<スケジュール面(Delivery)>
スケジュール面でも、進行状況に応じた柔軟な調整ができる点が大きな利点です。以下は、工程ごとの契約と一括契約の違いを、QCDの観点で比較した表です。
このように当社では、QCDを重視した支援体制を構築しており、柔軟かつ透明性の高いプロジェクト進行を実現しています。次章では、各工程における西部電気工業の具体的な支援内容をご紹介します。
工程1.要件整理

ERP導入を円滑に進めるためには、顧客の現状業務を明らかにし、プロジェクトの方向性や目標を、初期段階から関係者全体で認識することが重要です。
西部電気工業では、現状業務の把握から理想像の策定までを段階的に実施しています。以下では、その具体的な取り組み内容についてご紹介します。
As-Is分析
要件整理の第一歩として、まず「As-Is(アズイズ)分析」を行います。As-Is分析とは、現在の業務プロセスやシステムの状態を整理し、課題や改善点を明確にする手法で、業務改善や改革の出発点として活用されています。
具体的な実施内容や期待できる効果は、以下の通りです。
<実施内容>
・As-Is業務フローとして各部門が現在行っている業務や情報の流れを図式化し、組織内で「誰が、いつ、何をしているのか」を客観的に把握する
<効果>
・各部門、プロジェクト関係者間で共通の理解が得られ、自社独自の業務が明確になる
・非効率な作業や重複作業、ボトルネック(処理の滞る部分)を特定でき、改善の出発点となる
この分析結果は、この後の取り組みである「To-Be」の策定に不可欠です。
CRP(Conference Room Pilot)
「CRP(Conference Room Pilot/カンファレンス・ルーム・パイロット)」は、ERPなど新たなシステムを導入する前に実施される試験運用の手法です。導入後のトラブルを未然に防ぐため、事前にユーザー部門が業務シナリオを用いてシステムを試用し、その適合性を評価します。
<実施内容>
- As-Is分析で把握した業務フローをもとに、試験シナリオを作成し、実際の業務担当者がシステムを操作する
- 「理論上できる」ではなく「現場で使えるか」を具体的に確認する
<効果>
・自社業務とシステムの適合性を正確に評価できる
・As-Isで明らかになった問題点にフォーカスして検証することで、見落とされがちな潜在的な課題の発見につながる
・現場担当者が操作を通じてシステム理解を深め、導入後の混乱を最小限に抑えられる
3.To-Be策定
「To-Be(トゥービー)」は、導入後に実現したい理想的な業務プロセスやシステムの状態です。CRPで得られたフィードバックを活用し、現実的かつ効果的なTo-Beを策定します。
<実施内容>
- フィードバックの分析:CRPで得たフィードバックを精査し、課題と改善ポイントを明確化する
- 改善策の策定:業務プロセスの再設計やシステムの調整など具体的な改善策を策定する
- 理想的なTo-Be業務フロー設計:改善策を反映した理想的な業務フローを設計する
<効果>
・組織全体で共通の目標を持ち、ERP導入の方向性を一致させられる
To-Beを明確にし、関係者全員が同じ目標に向かって進むことで、プロジェクト全体の一貫性と成功率が高まります。現場目線の意見を反映させることで、現実に即した実行可能な改革案が生まれやすくなることも利点です。
工程2:要件定義

ERP導入において、システム開発や設定作業に着手する前に不可欠なのが「要件定義」です。要件定義では、業務で必要となる機能や処理を明確にし、システムが満たすべき要求仕様を文書化します。
また、標準機能でカバーできない要件についてはカスタマイズの要否を判断し、最終的なシステムの方向性を確定させます。要件定義における具体的な取り組み内容を確認していきましょう。
まとめ
今回のコラムでは、Power Platformの概要と、活用事例について解説しました。ご紹介したように、Power Platformを活用することで、業務の効率化を実現することができ、親和性の高い他のMicrosoft製品(「Microsoft 365」や「Dynamics 365 Business Central」など)と連携することで、柔軟なソリューションを構築することができます。
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