サーバーリプレースはなぜ必要?

自社のサーバーの老朽化が心配に思うことはありませんか?「このままではまずい」と思いつつ、日々の業務に追われタイミングを逃してしまいリプレースをしていない状況ではありませんか?

会社の基幹システムやサービス提供維持をしていくためには欠かせないものであるサーバーのリプレースですが、実際にどのようなものなのか理解できていない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、サーバーのリプレースとはどういうものか、なぜ行わなければいけないのかなど、注意しなければいけない点や、その方法なども解説するので参考にしてください。

サーバーリプレースってなに?

まずは『サーバーリプレース』とはどのようなことかを説明します。

それまでに利用していたサーバーを新しいものに変えるという意味では、サーバーを運用している会社であれば必ず将来的には実施を検討しなければいけないのがサーバーリプレースです。
サーバーは永久的に利用できるものではないので、一定期間を過ぎたり老朽化してきたりしたら、新しいサーバーへの切り替えなければなりません。サーバーにはいろいろな種類があるので、サーバーリプレイスのタイミングでこれまでのサーバーと同じタイプで良いのか、それとも会社にサーバーを置くタイプ、クラウドタイプのサーバーなどに変えるべきか、その性能はどうするのかなどを考える必要があるのです。

サーバーリプレースは必要?その理由は?

サーバーリプレースは必要?その理由は?

サーバーはなぜリプレースが必要になると思いますか?その理由について大きく2つにわけたので一つずつ確認していきましょう。

①サーバーの老朽化

一般的にサーバーは消耗品とされています。利用し続けて古くなることで機能が低下したりいきなり落ちてしてしまうこともあります。

一般的なサーバーの寿命は5年ほどと言われていますので、5年を目安に交換を検討するのが良いでしょう。
しかし、365日稼働など酷使されているサーバーは一般的なものと比べて老朽化するのも早いため、定期的なサイクルでリプレースしていないければ急にストップしてしまう危険があります。急にサーバーが停止してしまうとサービス提供がストップしたり、会社のシステムがダウンする恐れがあるため、サーバーは消耗品だという認識をしっかりともち、定期的なリプレースを意識して運用することがとても重要なのです。

②サーバーOSやハードウェアのサポート終了

サーバーが老朽化して利用できなくなることも心配ですが、その中身であるサーバーやOS、ハードウェアのサポートが終了してしまうことも非常に危険が伴います。
サーバーやOS、ハードウェアを提供している企業側は、そのサポート期間を決めているので、サポート期間が終了すると、故障などのトラブルの対応に応じてくれなくなります。
ですから、サポート期間が切れるまでにサーバーをリプレースしておかなければ、トラブルに対応できなくサーバーが利用できなくなるなど最悪の事態を招くことになりかねません。
さらに、サポートが切れてしまうとトラブル対応のほかに、セキュリティの面でもサポートを受けることができなくなるので、放置してしまうとセキュリティが弱くなったところを悪意のあるハッカーなどにハッキングされる危険があり、データが盗まれたり乗っ取りに遭うなどの被害を受ける可能性が高まります。
物理的な老朽化に対応するという面だけではなく、トラブル対応やセキュリティのサポート期間という面においてもリプレースが必要とされている理由です。

サーバーリプレースをしなかった場合のリスクは?

サーバーリプレースをしなかった場合のリスク

サーバーリプレースをせずに放置した場合、どのようなリスクがあるのでしょうか?上記でも説明したリスクの点に注目して確認していきましょう。

①データ消失のリスク

タイミングを逃すなどをきっかけにサーバーリプレースを行わずにそのまま放置してしまうと、サーバーの老朽化はどんどん進みます。老朽化によってサーバーが故障してしまったら、データを失ってしまうというリスクが高まります。

データをバックアップしていることが多いので、うまくいくと復旧することはできるかもしれませんが、万が一、バックアップが定期的に行われていない場合だと、新しく作成されたデータが取り戻すことができないので、機会損失や業務停止、時間やコストなど大きな被害が発生するかもしれません。

②セキュリティリスク

サーバーのサポートやOSの販売元で決められたサポートが終了したあとも、そのままサーバーを利用すると、セキュリティのサービスを受けることができなくなるため、セキュリティ低下のリスクが高まります。
例えば、Windows 7というOSが2020年1月14日でサポートが終了となった際、Windows 7からOSを切り替えるひとが続出しました。なぜなら、Windowsのサポートが終了することによって、新しいウィルスなどへの対策がサポートが行われないため、その部分を突いた悪意のあるハッカーによってハッキングされる懸念が高まり、セキュリティ面を考慮しての買い替えるひとが増えたのです。
このように、サーバーやOSのサポートが終了になるタイミングで切り替えるのはとても大重要なのです。

サーバーリプレースのタイミングは?

サーバーリプレースのタイミングは?

サーバーリプレースのタイミングについて、上記でもサポート期間の終了のタイミングが取り換えのタイミングともなると説明しましたが、それ以外の場合も確認していきましょう。

・老朽化の観点からのリプレースのタイミングは5年程度

一般的な場合では、サーバーのリプレースタイミングは『5年程度』とされており、その理由として、老朽化や減価償却資産としての観点からそういわれています。
サーバーは大体5年くらいで老朽化が進むため、その時期を超えると故障する可能性が高まります。そのため一般的には5年と言われているのですが、だからといって必ず5年経ったら故障するということではありません。
減価償却資産的な観点の話では、税制上、サーバーの減価償却資産が『耐用年数6年』となっており、それに合わせてその前の5年でリプレースを多くの企業が実施するため一般的に5年と言われています。

・5年以内に検討が必要なケースもある

さきほども説明したとおり、サーバーのリプレースは必ずしも5年で行わなければならないということではありません。実際、それより前に検討が必要なケースもあるのでご紹介します。
それは、24時間365日常に稼働させており、毎日のように高速処理や負担の大きい稼働を行っている場合には、5年を待たずに酷使されているサーバーのリプレースすることを検討すべきでしょう。
逆に、5年以上経ってからリプレースしても大丈夫そうなケースとしては、リプレースの予算取りが難しいなどコスト面に負担がかけれない場合や、普段からサーバーの利用が少なく、サーバーの重要度がそれほど高くない企業などでしょう。
ただ、近年においてはシステム化が進んでいることや、Webなどのデジタルマーケティングが重要になっていることから考えても、重要でないといえるサーバーはあまり存在しないでしょう。
普段あまり使わないシステムを稼働するだけのサーバーなどがあるなら、リプレースはそこまで短期間ではなくても良いかもしれませんが、それでも注意は必要です。

サーバーリプレースするときに気をつけることは?

サーバーリプレースするときに気をつけることは?

それでは、サーバーリプレースを行う際に気を付けるべき注意点について見ていきましょう。

①データを安全に移行できるように注意する

サーバーリプレースを行うにあたって最大に注意したい点は、安全に移行するということに限ります。
そのためサーバーリプレースを行う大前提に、サーバーリプレースの際には必ずデータのバックアップをとっておくこと、それと、きちんと手順を守って進めることが重要となります。

②サーバー停止時間を最小限に抑えるようにする

サーバーのリプレースをすると、一時的ですがサーバーが停止する時間が発生します。サーバーリプレースは、基本的には利用者が困らないような夜中など、利用者の少ない時間を利用してサーバーを停止させてリプレースを行うのですが、この停止時間を最小限に抑えることによって、業務に支障をきたすことなくリプレースすることも大切です。

サーバーリプレースの進め方は?

サーバーリプレースの流れは?それでは次に、サーバーリプレースの進め方について見ていきましょう。サーバーリプレースは9STEPで進めていきます。間違いが起きないように、ステップを確認してから次のステップに進むようにしましょう。

①現状調査

まず事前準備のひとつとして、現状調査を行いましょう。リプレースするにあたってシステム要件定義をするために現場の状況などを確認することが大切です。

②システム要件定義

次も事前準備になるのですが、システム要件定義を行います。どのようなサーバーにするべきか事前に検討し、現場ではどのような部分が重要なのかを理解しておくことで、システムの要件を定義することが重要です。

③予算の確保

サーバーリプレースには買い替えなども含めてどうしてもコストが掛かります。会社としてもかけられる予算があるでしょうから、どれだけの費用が掛かるかを事前に予算に計上し、稟議を上げて予算の確保しておくことが不可欠です。

④スケジュール確定

コストが決まり、いつまでに実施するかのおおよその予定が見えてきたら、逆算していつまでにどのような作業が必要になるのか、また作業に伴うサーバーの停止期間はどれくらいの期間なのかなど、細かいスケジュールを確定させます。

⑤新しいサーバーの構築

次に、新しいサーバーの構築についてです。希望するサーバーリプレースを実現するためにも、要件定義に従って新しいサーバー構築を行いましょう。

⑥テスト環境の構築

新しいサーバーが構築できたら、次は実際にしっかり稼働するのかテストをして検証しましょう。

⑦本番データの移行

新しいサーバーの稼働が確認できたら、現在利用している旧サーバーから、新しいサーバーにデータ移行を行います。
データ移行を行う前には必ずバックアップを取っておくことが重要です。

⑧新旧並行稼働

本番データの移行した次は、これまで稼働していたように新サーバーが実際に稼働するかどうかのチェックを行います。新サーバーと旧サーバーを並行して利用し確認します。

⑨新サーバーへの切り替え

新サーバーでの稼働をチェックし、問題ないことが確認できたら、新サーバーへ完全に切り替えて稼働させます。これでサーバーのリプレースは完了です。

サーバーリプレース時のクラウド利用のおすすめは?

サーバーリプレース時のクラウド利用のおすすめは?

それでは最後に、サーバーリプレース時におすすめのクラウドについてご紹介していきます。サーバーリプレース時は新しいサーバーへ取り換えるチャンスでもあるので、いろいろと情報を入れて検討しましょう。

①運用コストやメンテナンス工数が削減できる

クラウドサーバーの利用は、これまでオンプレミスでのサーバー運用をされていた方におすすめです。その理由として、運用コストの削減やメンテナンス工数の削減が挙げられます。
オンプレミスで自社で運用しているサーバーの場合では、会社の重要な業務であるコア業務とは別に、運用コストや運用工数が掛かるため、本来の業務とは別のところにコストも人的リソースも割かなければいけないという負担があります。
クラウドサーバーに移行すると、サーバーにかかる費用やメンテナンスに関するリソースの工数などが大幅に削減されるため、負担が軽減されコア業務に集中できるようになることが期待できます。

②セキュリティなどのリスクを軽減

クラウドサーバーを利用することによって、セキュリティリスクも軽減するメリットがあります。
クラウドサーバーは大手企業が運用しているケースが多いので、セキュリティに関しても中小企業が行う対策よりも多くのコストをかけて大きな企業が行っているのでセキュリティレベルが高く、そのためリスクの軽減が期待できます。

まとめ

今回は、サーバーリプレースについての概要や注意点やサーバーリプレースの流れなどを解説してきましたが、いかがでしたか。
サーバーリプレースのタイミングは企業によって異なりますが、一般的には5年と言われています。サーバーリプレースのタイミングを逃し放置してしまうとさまざまなリスクが高まるので、リプレースのタイミングが来ている企業は早急に検討することが大切です。
サーバーリプレースを検討するときは、さまざまな点から、クラウドサーバーの利用も考慮することをおすすめします。

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