【業務フローの書き方】3つの具体例で理解する業務開始点の記述方法

業務フローを作成する体制はそのプロジェクトの目的に合わせて選ぶ必要があります。業務可視化プロジェクトにおける業務フロー作成の体制は大きく分けて、「事務局主導型」と「現場参加型」の2つがあります。今回はこの2つの体制について解説します。

【Ⅰ】事務局主導型

「事務局主導型」は、主に業務可視化プロジェクトの推進事務局が業務フローを作成する体制です。この体制では、事務局は現場の担当者に業務のヒアリングを行い、その結果を基に業務フローを作成します。

「事務局主導型」がマッチしやすいケース

「事務局主導型」は「短期間で大量の業務フローを作成する」、「そのプロジェクトの為だけに業務フローを作成し、プロジェクト終了後には作成した業務フローは使用しなくなる」といったケースに向いています。以下の様なケースが該当します。

システム導入(要件定義)の為の現状把握

システム導入プロジェクトでは、要件定義等の為に業務フローを関係者で共有し、多くの場合、外部のコンサルタントやベンダーも参画して検討を進めていくことになります。このように複数の関係者で認識を共有する為に業務フローを用いる場合は、その業務フローの品質が重要になります。フローによって書き方や粒度が異なっていれば検討を進めるのは難しくなります。システム導入の様なケースでは「事務局主導型」で業務フローを作成することで、品質を確保でき、業務フロー作成後のフェーズを円滑に進めやすくなります。

【Ⅱ】現場参加型

「現場参加型」は、現場の担当者が業務フローを作成する体制です。この体制の場合、業務可視化プロジェクトの推進事務局の役割は「プロジェクトの目的をしっかり伝える」、「業務フローの書き方を指導する」、「現場担当者が作成した業務フローをレビューする」、「全体の進捗管理」といったものになります。

「現場参加型」がマッチしやすいケース

「現場参加型」を選択すべきケースとは「継続的に業務フローを維持・運用していく必要がある」というケースです。以下の様なケースが該当します。

  • 業務マニュアルの整備
  • 内部統制、各種リスクマネジメント

多くの場合、現場の業務は徐々に変わっていきます。それに伴い、業務フローの記載内容と実際に行われている業務内容に乖離が生じます。この状態で業務フローを運用しようとすると、様々な問題を引き起こします。例えば、業務で使用する帳票が変更されたのに業務マニュアルがメンテナンスされていなければ、古い帳票を使用してしまい後工程の担当者に迷惑を掛けたり、帳票を再作成して二度手間になってしまいます。また、内部統制においては、業務変更が業務フローに反映されなければ、業務変更によって生じた新たなリスクを見落とすことにもなりかねません。

業務フローを継続的に利用するには、現場での業務フローのメンテナンスが必要になります。その為には、現場担当者自ら業務フローを作成することが大事です。業務フローを作成するにあたって、現場担当者に「業務フローを活用する目的」、「メンテナンスの重要性」や「業務フローの書き方」を指導することで、作成後の業務フローの定着やメンテナンスも進めやすくなります。事務局が作成した業務フローを一方的に現場に渡しただけでは、定着もメンテナンスも進みません。

【まとめ】業務可視化プロジェクトの2つの推進体制

プロジェクトの目的に応じた体制を選択することが重要

業務可視化プロジェクトにおける業務フロー作成の体制を2つ紹介しましたが、大事なことはプロジェクトの目的に応じて適切な体制を選択することです。その判断基準は「作成した業務フローを継続的に維持・運用していくかどうか」です。

これから業務可視化プロジェクトに取り組まれる方は、そのプロジェクトで作成される業務フローがどういう性質のものか判断した上で、業務フロー作成の体制を選択して下さい。

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