【内部統制】3点セットの作成をアウトソーシングする際の注意点

内部統制文章作成をアウトソーシングは可能?

3点セットと呼ばれる内部統制文書。その作成やメンテナンスには、事業内容の詳細はもちろん、現場の業務や基幹システム(特に会計関連)に関する知識が必要となります。さらに、現場や経営者との密なコミュニケーションも求められることから、社内に担当者を設けて作成・メンテナンスを行っている企業が多く、アウトソーシングには適さないと言われることもあるようです。

一方、さまざまな事情から内部統制文書の作成にアウトソーシングを検討せざるを得ない場面も見られます。

たとえば、従来使用してきた内部統制文書の作成・メンテナンスツールの販売・サポート終了にともない、新しく文書ツールを導入しなければならない場合。既存のデータ(文書)を新しいツール用に移行するために、アウトソーシングを利用することがあります。このようなケースでは、人手を確保するのが難しいことに加えて、移行期間が十分に確保できずアウトソーシングを利用せざるを得ないという背景があります。

また、新しく文書ツールを導入するために既存文書を移行する例としては、旧担当者の退職などにともない新しい担当者が既存文書をメンテナンスしようとしても、内容が更新されておらず面倒を見られなくなり、Office製品などでは手間がかかりすぎるので、新しく導入するツール用に書き換えるという例も見られます。

一方、IPO(新規上場)などの準備として内部統制文書を作成する場合、スタートアップ企業などには内部統制に関する経験やノウハウを持った人材がおらず、ゼロから内部統制文書を作成しなければならないため、アウトソーシングを選択するケースもあるようです。

いずれにせよ、内部統制文書の作成をアウトソーシングする際は、次年度以降の対応を視野に入れた判断が重要となります。

社内でメンテナンスできる体制構築を前提に、アウトソーシングの検討を

大量の内部統制文書を移行したり、新規に内部統制文書を作成したりするのに比べて、次年度以降のメンテナンス業務にかかる負荷は少なくなりますが、経験やノウハウがないまま他者が作った文書をメンテナンスしていくのは容易なことではありません。そのため、次年度以降、社内でメンテナンスできる体制や環境を整備することを前提に、アウトソーシングを検討する必要があります。

具体的には、内部統制文書の運用ルールを厳密に定めたり、文書の移行・作成作業に社内の担当者を付き添わせたりして、ノウハウを学ばせるという方法もありますが、次年度以降利用する文書作成ツールを使って、文書データを作成してもらうというのも有効な手段となります。

ツールが共通であれば、データの移行や書き換えは不要となりますし、入力項目などもツール側で統一されるので、運用ノウハウが集約され、次年度だけでなく今後の内部統制担当者が変更になった場合でも、ノウハウをスムーズに引き継ぐことができ、内部統制対応にかかる負荷やコストの削減も期待できます。

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