SD-WANの主な特徴、仕組みと安全性は？

SD-WANには、新たにネットワークを設定する手間を省いたり、運用をより簡単にできる機能をそなえています。今回は、SD-WANの機能面の特徴を幾つかご紹介いたします。

1. アプリケーションベースの経路選択

SD-WANでは、通信制御をアプリケーションの種別に応じて実行可能になります。

その特徴を活かした機能として、ローカルブレイクアウト(またはインターネットブレイクアウト)があります。通信の中身を見て、特定のアプリケーションを識別して、データセンターなどの通信が集約する設備を通らず、お客様の拠点から直接インターネットへ接続してクラウドサービスなどを利用できる機能です。

ローカルブレイクアウトは、TeamsやⅯ365などの通信の際の高度な暗号化が実装されている信頼性の高いアプリケーションを対象にしていただくことをお勧めいたします。また、SWG(セキュアウェブゲートウェイ)製品と組合せてお使いいただくことでインターネットへの通信をよりセキュアにご利用いただくことが可能になります。

2.制御設定の一元管理

従来はネットワーク環境や端末設定を、各拠点毎に独立して実施する必要がありましたが、
SD-WANではソフトウェア上で一元的に管理が可能です。管理者は管理コントローラーを通じて各拠点に対し「回線状況の確認」「ルータの設定変更」「最適なルート指示」などを実行することができます。設定/運用に係わる労力、コスト削減の効果を期待できます。

3. ゼロタッチ・プロビジョニング

多数の支店/営業所を抱える会社が各拠点にWANを引くためには、通常は各拠点にルータ等の通信機器を設置してネットワーク・スペシャリストが現地で設定作業を行わなければなりません。

SD-WANのゼロタッチ・プロビジョニングでは、これが必要なく、各拠点に配布した機器に電源と回線をつなぐだけで、あらかじめ定義されたSD-WANの設定情報やセキュリティーポリシーなどの情報を自動的に読み込んでネットワーク設定が完了します。作業工数やリードタイムの削減に繋げることが可能です。

いかがでしたでしょうか？
上記のように、通信経路を柔軟に制御し、クラウドサービスの利用に伴い課題となっていた通信負荷を軽減できるというメリットがあります。
また、クラウド環境を構築して仮想的に回線を一本化し、インターネットや閉域網、モバイル環境をまとめて同じ回線で利用できるようになるため、運用・管理も楽になります。

テレワークなど多様な働き方のネットワーク環境において課題を感じているお客様にとって、SD-WANは魅力的なソリューションなのです。