SD-WANの役割・利活用によって実現可能な事とは?

DXのニーズに応えるソリューション、SD-WAN

SD-WANとは、クラウドサービスの利用やビジネス拠点の複数化により増大した、従来型インフラにかかる負荷をコントロールし、快適なネットワーク通信を提供する技術です。従来型WANネットワークの進化によって、増え続けるデジタルトランスフォーメーション(DX)のニーズに応えるソリューションのひとつです。

近年は、クラウド型のネットワークやセキュリティのサービスが増えてきており、企業がそれらすべてを管理するのが容易ではなくなってきています。ネットワークやセキュリティに関する設定がサービスや機器ごとにバラバラだと、システム運用者の負担増加になりかねません。

SD-WANの役割・利活用によって実現可能な事とは?

SD-WANを提供するにあたり、各ベンダーによって独自のコンセプトがあるため、機能面の差が多少なりともありますが、一般的なSD-WANのサービスは、以下1~10の定義をすべて満たしていると言われています。

1.リモートからのアクティブ・アクティブ構成でWAN回線を制御
2.ハードウェアとソフトウェアの双方でCPE(顧客構内設備)を提供
3.ポリシーに基づき、能動的にトラフィック制御
4.個別のアプリケーションについて、可視化・優先度付け・制御(LBO)
5.可用性や柔軟性を兼ね備えたハイブリッドなWAN
6.既存のスイッチ・ルーターとの間でL2/L3で直接相互接続可能
7.拠点、アプリケーション、VPN品質などをダッシュボードで可視化
8.オープンなノースバウンドAPIを経由してコントローラーへアクセス
9.ゼロタッチプロビジョニング(※1)対応
10.FIPS-140-2(※2)を取得

(※1)CPEを拠点に設置して回線をつなぎ、電源をオンにすれば自動的に拠点をSD-WANにつなぐ機能。

(※2)FIPS(Federal Information Processing Standard:米国連邦情報処理規格)140-2は、暗号化ハードウェアの有効性を検証するためのベンチマーク

SD-WANを利用することにより、企業や団体で構築したWANにおいて、機器のネットワーク制御を、ソフトウェアの仮想ネットワーク上でひとまとめに管理する形になります。システムのクラウドサービス移行によって引き起こされるトラブルを軽減し、ネットワーク運用を効率的に行えるようになります。