【第6回】私たちは生成AIとどう付き合うべきか

DXナビ編集部です。
これまで5回にわたり、生成AIを業務で活用するための様々なヒントをお届けしてきました。最終回となる今回は、ここまでの内容をギュッと凝縮しておさらいしながら、私たちと生成AIとの今後の付き合い方について考えていきます。
■生成AIで成果を出すために重要なこと【第1回~第5回まとめ】
第1回・第2回では、生成AIの現状と導入のメリット・リスクを整理しました。日本企業における生成AI導入は慎重ながらも拡大傾向にあること、導入には業務効率化やコスト削減といった数多くのメリットがある一方、機密情報の外部送信リスク、既存システムとの統合の難しさ、人材やスキルの不足といったリスクもあることをご紹介しました。
第3回では「生成AI×社内データ連携」で見える業務改善の可能性と具体的な活用シーンをご紹介しました。社内に蓄積されたナレッジと生成AIを組み合わせることで、生成AIは業務の効率化・自動化という枠を超えて、自社情報に精通した「社内情報に最も詳しい、頼れる知的パートナー」へと進化することができます。
第4回・第5回では、生成AI活用においてきわめて重要な「プロンプト」、そしてプロンプトを活かす「2つの重要な要素」について解説しました。質の高い出力を得るための「設計」のコツ、そして個人のノウハウを組織の資産に変えて属人化を防ぐ「共有」の仕組み。適切な設計と共有の仕組みが、組織全体の生産性を劇的に向上させる原動力となります。
■生成AIは「特別なツール」から「社会に不可欠なインフラ」へ
これからのビジネスシーンにおいて、生成AIは一部のITに詳しい人だけが使う特別なツールではありません。かつてパソコンやインターネットが登場し、私たちの働き方を根本から変えたように、生成AIもまた「社会に不可欠なインフラ」になりつつあります。
たとえばインターネットが普及した際は、情報の検索やメールでのやり取りが必須スキルとなりました。これからは「生成AIをいかに使いこなすか」がビジネスパーソンにとっての必須スキルとなります。AIをいかに業務に組み込み味方につけるかが、今後のビジネスマンとしての、ひいては企業としての競争力を左右すると言っても過言ではありません。
生成AIの業務活用にあたって、活用ポイントや気を付けるべき点などはこれまでにご紹介したとおりですが、もう一つ重要なことがあります。それは…
■「AIに任せる業務」と「人が担うべき業務」の切り分け

生成AIは強力なパートナーですが、もちろん得手不得手があります。重要なのは、「AIに任せる業務」と「人が担うべき業務」を明確に切り分けるという視点です。
生成AIは、大量のデータからの情報抽出、定型的な文章の作成、多角的なアイデア出しといった「処理」や「下書き」の作業において圧倒的なスピードと質を発揮します。たとえば、これまでのメールでご紹介した「繰り返し発生する」「一定の型やルールがある」「担当者ごとの差が出やすい」定型的な業務はAIの得意領域であり、最初に任せる業務としては適切でしょう。
一方で、おそらく皆様も感じているとおり、生成AIが提示した回答を「そのまま」使うことは適切ではありません。文脈や背景、組織とお客様を理解している「人間」がアウトプットに対する責任を担い、出力結果に対して適切にアプローチする必要があります。また、選択と意思決定、複雑な利害関係の調整や対人コミュニケーションなどは、人間にしか担えない領域です。
「AIが人間の仕事を奪う」のではありません。私たちは「AIにルーチンワークを任せることで、人間はより創造的で、付加価値の高い業務に集中できる」のです。AIを「知的パートナー」として活用し、人間とAIがそれぞれの強みを活かして協働することこそが、真の業務改善につながるのです。
■まずは一歩、踏み出してみましょう。
生成AIを使いこなすための最短ルートは、まず使ってみることです。
最初は、セキュリティや入力する情報に十分に気を付けながら、日々のメールの文案作成や長文資料の要約といった身近な業務から生成AIの活用を始めてみてください。実際にプロンプトを「設計」し、思うような回答が得られない試行錯誤を繰り返す中で、AIの特性や活用のコツが掴めてくるはずです。そして、良い結果が得られたプロンプトは、ぜひ周囲のメンバーと「共有」してみてください。その小さな一歩が、組織全体の大きな変革へとつながっていきます。
これまでの連載が、あなたの業務における生成AI活用のヒントとなり、より創造的で豊かな働き方を実現する一助となれば幸いです。あなたとあなたの所属する組織が、生成AIという強力なパートナーと共に新たな価値を創造されることを心より応援しております。
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